言ってはいけない言葉を、口にしたのかもしれない。

 

幼いながらも、そんな記憶があります。

 

「雨が降る路上」の写真

 

言ってはいけなかったのかもしれない

これも、3歳くらいだったと。

まだ、弟もいなかったから。

 

寒くも暑くもない季節だったから。

春だったのか、秋だったのか。。。

 

雨の夕方。

わたしは、いつものようにお気に入りの椅子に座って、子供向けTV番組ピンポンパンを見ていました。

雨戸が閉まっていて。電気が付いていました。

 

隣の部屋にいた母が、

「ママ、もう帰ってこないかもしれない。死んじゃうから。」

というようなことを、言いました。

姿はみえなくて、声だけが聞こえていました。

 

ママが帰ってこない。

それは、子供にとって、重大事件です。

ママがどこかへ行ってしまって見つからない夢を見ただけで、ワンワン泣くじゃないですか。

何か、いくつか会話をしたんだと思います。

 

死んじゃうって?

死んじゃうってなに?

 

バスにひかれるとか、なんか、言ってたような気がします。

もう、会えなくなるとか。そんなことを言われた気がします。

 

・・・。

 

次の記憶は、母が帰ってきたあと。

 

わたしが口にしたのは、

「死ななかったの?」

 

思い出したとき、自分の言った言葉に驚きました。

幼児とはいえ、言ってはいけない言葉。

でも、何も知らなかったから。

そんな言葉の意味も、理解できない言葉が喋れる程度の、赤ちゃんだったから。

 

「死んじゃえばよかったの!?」

強い口調で、返ってきました。

 

理解できないながらも、怒られていると感じたわたしは、もにょもにょごにょごにょ口の中でつぶやいて。

「ごめんなさい。」

と、謝りました。

 

 

なんだったんだろう

育児鬱だったのかな?

わたしが、その前に何かしたんだろうか?

・・・。

 

母が70代になってから、そのときのことを聞いてみたことがある。

「そんなこともあったわね。」

で、終わった。

 

当時の母は、30歳くらい。

戦争を経験しいている世代だ。

気の強い、自尊心高めで、しっかり者の長女だった母。

自分の言うことを聞いていれば、良い。

自分の言動は絶対。

そう、言葉にしなくても、それを破れば怒られた。

 

母も若かったから。

 

今は、そう思うしかないのだけれど。

 

今日は、ここまで♪