魔法ギルドに入るのは実に簡単。どこかの町へ行って魔術師ギルドに入りたいといえばそれで終了だ。
しかし、自分で魔法を組み立てたりマジックアイテムを作り出すためには首都にあるアルケイン大学に入学するしかなく、そのためにはすべての町の魔術師ギルドの推薦状を手に入れる必要があるのだ。
という訳でコロールの次はシェイディンハル。
シェイディンハルの魔術師ギルドの長ファルカーはとても嫌な奴だった。
推薦してくれといったら
「(加重の指輪という魔法の品を、ある新入りが勝手に持ち出しギルド裏手の井戸に投げ入れた。)」
「(それを拾ってきたら大学への推薦を考えてやってもいい。さっさと取って来い)」
と、こうだ。
思わず霊峰の指でも撃ちこみたくなる顔をしているがここは我慢する。
井戸の鍵を持っているトカゲ人に話を聞いてみる。
するとどうもやはりファルカーはまともな人間ではないらしく、私の前にも同じような命令を出して一人行方不明にしているとの事。
トカゲ人のディーサンさんは気をつけろという言葉と一緒に井戸の鍵と遊泳の法則という魔法をくれた。水中呼吸30秒/自己と軽量化5pts/30秒がセットになった便利な魔法だ。このトカゲ人もいいトカゲ人だった。この世界のトカゲ人はたいてい良い人だ。正確にはトカゲ人ではなくアルゴニアンという種族なんだけど。
遊泳の法則は変性に属する魔法だが、私は変性は重要視したキャラにしていないので変性のレベルが足りない。レベルが足りないと使えないので少し訓練する。変性の素人でも使える木の大盾(防御5%30秒/自己)の魔法がここのギルドで売っているのでそれを買って自主トレーニング。変性の見習いレベルまで上げて遊泳の法則を使えるようにする。
では遊泳の法則を唱えて、井戸にもぐろうか。
ざぶーん
井戸の底のくせに光源がなくてもあたりが見渡せる程度に明るい。
奥に人が浮いて(沈んで?)いた。
ああ、私より先にファルカーに命令されて行方不明になった人だな。指輪持って、あまりの重さにおぼれたか。なむー。
ああ、これは重い。荷重の指輪というだけはある。私が持てる総重量214に対して、加重の指輪が150もする。
まあ、一度手に入れてクエストが進んだら放り投げとけばいいから、持って行かなくてもいいんだけどね。
さて、ファルカーはどうしてくれようか。
水から上がり魔術師ギルドに戻る。
ファルカーがいない。
ディーサンさんに話を聞くと、どうもファルカーの悪行を魔術師議会に報告しようとしたらしい。すると逆切れしたファルカーが飛び出していった、と。
え、まじで、推薦状はどうするのさ。
「(彼の居住区をあさって有るか無いか確認してもいいよ。なんか怪しいものがあったら持ってきてね報告するから。)」
おう、そうですか。
魔術師ギルド地下、彼の居住区には簡単な鍵のかかった引き出しがひとつ。
中には推薦状は無かったけど黒魂石があった。
これは人間を材料に作られる魂石=ソウルジェムストーンで、もちろん魔術師ギルドでは禁制の品だ。
ディーサンさんに報告する。
「(事態は思ったより深刻ですね。推薦状は私がかわりに書いておきます。議会もわかってくれるでしょう)」
誰が書いたものでもいいんですけどね。
魔術師ギルドでは数年前から死霊術を全面的に禁止にしている。
黒魂石はその材料が人間ということもあり、生成には死霊術師が深くかかわっている。
ファルカーが黒魂石を持っていたということは、彼は死霊術師とのつながりが有るか自身が死霊術師なのかどちらかだろう。
ファルカーは無意味にギルドの新人が死ぬような命令を出す男であり、議会に報告が行けば闇に葬られるだろう。
ということで次はスキングラードの推薦状を貰いに行こうか。