夏季限定トロピカルパフェ事件 | フェンリルの胃袋
やばいよ。もうすごいよ。ヒドイと言っても問題なし。むろん褒め言葉。
春季限定~からの読者の気持ち(小山内と小鳩の関係はどうなのさ、とか小鳩の過去はなんなのさ、とか)を綺麗に組み込みつつ本格ミステリで話が進んでいくんだから。
しかもいろいろと無理が無い。フィクションを読むときには、物語が矛盾しない程度の嘘なら見逃さないと読んで面白くないものだけど、夏季限定~にはそれが無い。ミステリで嘘が無いんだよ?すごくない?主人公の行く所すべてて殺人事件が起こったり、変な薬が存在したり、謎の組織が存在したり、主人公はハーレム状態だったり、どう見てもヒロインとくっつくべきなのに延々と知らんふりしたり、そういったのがないんだよ!こいつはすごい。「ああ探偵事務所」なんて比較的そういった無理が少ないほうの漫画だけど、そうは言ってもあれも主人公はいろいろと無茶してるのに、夏季限定~は主人公すら無茶じゃない。
これはたぶんかなりの確率で面白い作者だと思うなー。まだ春季限定~夏季限定~含めて5冊ぐらいしか出してない(し私も2冊しか読んでない)から判断材料は少ないけど、かなりの好印象です。これは2月にしてすでに今年のベストが決まった感じ。

あ、ちょっとだけネタバレすると夏季限定~は酷い引きです。鬼のような終わり方です。読者を悶えさせていったいどうしようというのか。
こんだけの鬼引きは「封仙娘々追宝録」で主人公とその供とライバルと全部死んだ場面で次巻に続いている状況に匹敵するものがありますよ。ページをめくった先が後書きや解説でないことを祈りながら、本気で心から祈りながらページをめくる体験なんて封仙~以来です。まあこっちは春夏と来て秋冬が出ないなんてことは無いと思いますから、比較的安心ですが、さっさと続刊を出してください。米澤穂信さん。