中国が中国になる前の時代に、亀の甲羅や動物の骨に刻まれた、おそらく占いなどに使われたであろう『文字の原型』と言えるものだ。
我々が『漢字』と呼ぶものの始祖である。
漢字、つまり漢の文字。として我が国でも定着しているわけだが、事の起こりや由来については、漢の時代よりもずっと昔の話なのである。
このあたりについて少しだけ調べてみたのだが、漢字というのは実に興味深い。
中国は戦によって支配者が変わるたびに、敗戦側の民を根絶やしにしてきたわけだが、そのたびに文化でさえも根絶やしにしてきた。
いわゆる『なかったもの』とした歴史がある。
漢字もそのたびに方言と標準語に変化が見られた。
つまり、負けた側の解釈や読み方は根絶やしの対象となってきたのだ。
一方、我が国では、中国を支配する民族が変わろうとも、それまでの読み方や解釈を捨てることをしなかった。
日本において、ひとつの漢字にいくつもの読み方があるのは、時代が変わることにより呼び方や解釈が変化しても、それはそれで受け入れ、古い読み方も捨てずにキープしたためだと言える。
さらに、韓国やタイなどのアジアの各国が漢字文化を捨てたり、中国本国でさえ漢字を捨てないまでも、やたらと略して簡素化させたりしていて、その文字が本来持っている意味を完全に失いつつある。
もちろん日本においても略されてしまった漢字がたくさんあるのだが、それでもまだ原型をとどめているように思う。
あえて詳しい話はしないが、かくのごとく漢字の魅力に取り憑かれてしまい、その手の本を買い漁ろうかと思ったりしている。
いやー、漢字って興味深いなぁ。