反省しました。
たかがライスワークの派遣の仕事。だからその仕事の価値なんて、そのときそのとき、自分が納得できればそれで良い。
そんなふうに思っていました。
ところが最近、私が行くようになった職場は、個人のやりがいを超えた価値がある仕事を担っているところが多いのです。
もちろん事業収益という目的も必要ですが、それ以上に大きな役割は、その事業自体が「地域を担っている」ということ。
たとえば、全国的に有名な地元の果物を栽培している果樹園。
この果物の仕事に初めて携わったのは、宅急便の仕分けの仕事でした。行先毎に仕分けた大量の荷物が全国に向けて出発する様子に感動して涙がこぼれそうになったものでした。
(この話は、ほめ達検定1級を受検したときの、スピーチでも語りました。)
そして現在は、時々ではありますが、脚立に上って作業をしながら、この地で農業に携わる方々への尊敬の念を高める日々です。
そしてもう1箇所、最近通い始めた食品工場があります。
その仕事の募集内容を見たとき、遠いし地味な仕事だし、通えなくはないけど、どうしよう?…と、しばらく応募を躊躇していました。
それが、とある必要に迫られて応募せざるを得なくなり、採用され、実際行くことになったという次第。
名前は知っていたけれど初めて行くエリアなので、ドキドキワクワクしながら電車に乗り、Google先生に導かれながらその工場に向かいます。
今まで頻繁に行っていたいくつかの工場よりも小さな建物で、のんびり作業をしているという感じ。設備も昭和な感じで、申し訳ないけれど『田舎の工場』という印象でした。
ところがいざ仕事を始めて、そこで作られている商品を目の当たりにしたとき、そのクォリティの高さに思わず目がキラキラ!
どれも美味しそうで、食べてみた〜い。これ、どこで買えるの?…と、さすがに口には出さなかったけれど、それほど興味津々な気持ちでいっぱいに。
後で知り合いに「O市のこんな食品工場に行ってきたよ。」と話したら「O市といえば、その食品は美味しくて有名だもんね。」とのお答えでした。
そっかぁ、仕事の価値とか誇りって、そういうことなんだ…と、気が付きました。
私がこれまでよく行ってた食品工場は、大きな工場が多く、仕事内容も大手コンビニや有名な企業の委託商品を作っているなど、とっても忙しい。
そんな工場は設備が整っていて、夏の暑さや冬の寒さにも対応できるなど職場環境もまあまあ。
東北エリア全体のコンビニの店舗や、委託した大企業の商品として全国で販売されることを考えれば、そこに仕事のやりがいや価値を見出すことができます。
対して、私が最近行き始めた小さな工場で作っているのは、その自治体が特産品としている商品。その小さな自治体の名前を、県内はもとより全国にまで広めつつある、代表的な特産品。
まさに、働く人がその価値を自分の身近なものとして実感して誇りにできる、そんな仕事です。
朝の業務開始時に、作業場への入り方を案内してくれたのは、まだ就職して1年か2年くらいと思われる若い男性でした。
その時は「地元で就職するとなると、こんなところしかないんだ」と、就業先の選択肢についての地域格差を思ったのですが、後になってそんなことを考えた自分を反省しました。
彼が選んだ職場は、その特産品作りを通して、地域の発展に大きく貢献する仕事を担う場所なんです。本当に素晴らしい!!
ずっとずっとその仕事や職場に誇りを持ってつづけていってほしいものです。
そして私も「時々だけど、あの地域であの特産品を作っている工場で仕事しているよ。」と、自慢できる機会がもらえたことに感謝です。
そんなことを思いながら、やはりその自治体が特産品として力を入れている果物の畑を眺めながら駅までの道を歩き、乗ろうと思っていた電車に乗り遅れて、次の電車を待つ間、駅の隣の素朴だけれどとても美味しいお店で、大好きなラーメンと餃子をいただき幸せを味わった、そんな1日の締めくくりでした。