あたりまえってわけじゃない⁉職場や教室で決められた仕事や学びをするのは | みっち先生の「ほめ達」生涯学習講座~あなたの大切な方々を生き生きと輝かせるために

みっち先生の「ほめ達」生涯学習講座~あなたの大切な方々を生き生きと輝かせるために

ほめる達人協会認定講師・生涯学習コーディネーター
子育て中の親御さん、学校や教室で生徒さんを指導している先生方、職場で部下を導いている上司の方向け。
大切なお子さん、生徒さん、部下の皆さんを生き生きと輝かせて、あなたの心も温かくなるブログです。

仕事を始めたら、職場の指示やルールを守ること。教室に入ったら、指導者の指示や教えに従うこと。

そのような行動は、あたりまえの事だと思っていませんか?
でも、あなたが何も言わなくてもあなたの職場のスタッフや教室の生徒さんがそうやって従ってくれるのは、とても貴重で、感謝なことなのです。




お久しぶりです。
気がつけば半年以上!ぶりのブログの更新です。

私が休んでいる間にも、たくさんの方に読んでいただいたり、新しくフォロワーになっていただいたり、いいね!をたくさんいただいたりして、とても感謝です。



休んでいた間の日々の生活の中でも、ブログネタになりそうな経験がたくさんあり、書きたい書きたいという思いを抱きつつ、今日になってしまいました。

また、ぼちぼちと書いていきたいと思いますので、お付き合いよろしくお願いします。









さて、今日のテーマです。
職場で上司の指示通りの仕事をしたり、教室で先生の言うことをきいたりするのは、あたりまえのことだと思ってはいませんか?








かくいう私も、教員をしていた頃は、自分の言うことをしっかりきいてくれる子を、いわゆる「良い子」だと思う傾向がありました。




授業中に勝手に喋り出したり、みんなが並んでいるのに割り込んだり、チャイムが鳴っても教室に戻ってこない「やんちゃくん」は、困った存在。
私に限らず、教室で規律を乱すような行動をしたり、集団に馴染めない子を「どうしたものか…」と、多くの先生が悩んでいました。


 




そして大人が働く職場にて(私は派遣でいろんな職場に行くことが多いので、このエピソードはその1つ)、とあるリーダーさんが「あの人どうしよう?」と悩む場面に遭遇しました。
なぜ悩んでいたのかというと、ある新人スタッフさんが、仕事のやり方を教えても全然その通りにしてくれなくて、自分がやりたいようにやってしまうとのこと。

その新人さんは海外出身の方で、日本語がよく分からないからかもしれないと、そのリーダーさんは話されていましたが、私がその新人さんと仕事中に会話すると、どうも日本語が分からない以前に、その方の仕事に対する考え方に私たちの「あたりまえ」とは違う価値感があるようです。

その方は仕事をしながら「こんなの適当でいいのよ。自分の物じゃないんだし。」と、平然と語る場面もありました。

それに対して「これは商品だから、そういうわけには…」と、返しつつも、私の頭に浮かんだのは「この方はこの仕事の意味が分かっているのかな?この職場が担っている業務の目的とか、発注者や購入されるお客様に対する責任について、上の人は説明したのだろうか?」という疑問です。



聞くところによると、その職場のパートの仕事に応募したら、面接もないまま採用が決まって、何がなんだか分からないまま入職したのだとか。職場のルールも分からずに初出勤したら本人の知らないルール違反を指摘されて、納得できない気持ちのまま仕事を始めたことなども話してくださいました。




海外出身の方といえば、他の職場では、ライン(流れ)作業中に、単調な仕事に疲れて自分勝手に仕事の手を休めてしまい、ラインの流れを止めてしまったり、勤務時間中に可愛い女の子にちょっかいを出すなどの問題を起こす留学生がいたなど、日本の職場では考えられない勤務時間中の行動があることを、実際に見たり聞いたりしたことが思い出されます。

もちろん全ての海外出身の方がそうだというわけではなく、上司の指示をしっかり受け入れて、きちんとスキルを磨き、真面目に働く外国人もたくさんいらっしゃいます。そうなるまでには、言葉の問題も克服されるなど、ご本人も指導者も、かなり努力をしてこられたのでしょう。




でも、本来、人間は一人ひとり違う価値観や思考を持った存在です。
仕事に就いたら、上司の指示に従って、決められた仕事をきちんと行うというのは、集団行動の規律を教育された日本人ならではのこと。




最近では日本国内でも、集団に馴染めずに不登校になり、個人の自由を尊重する方針を持つ場で教育を受けた人も増えてきました。学校で経験するはずの、ほうきやちりとりを使って掃除する方法さえ知らないという人と一緒に仕事をしたこともあります。

ましてや海外出身の方は、個人の自由が尊重され、一人ひとり異なる考えや価値観を持つような教育を受けてきています。
日本では、上司のやり方や考え方に疑問を投げかけただけで要注意人物扱いされますが、上司に反対意見を言えない人は使いものにならないと評価される、そのような価値観を持つ国もあるのだとか。


とは言っても、職場や教室で、個人の自由を尊重していたのでは、職場が担うべき業務が果たせないし、その教室で達成したい学びの目的も果たすことができません。





それではどうすれば良いのでしょう。




その答えは、ズバリ!
「説明すること!」
です。




就業であれば、その職場が担っている業務の目的や、その目的のために守ってほしいルール、具体的な仕事内容、就業規則などをきちんと説明して、入職してもらえるかどうかを前もって確認します。 

応募者にとって、職場のルールを守るのがどうしても難しい場合には、採用を見合わせるのも有りでしょう。どんなに人手が欲しくても、職場の方針と考えが合わない人に働いてもらうのは、雇用側にとっても就業者にとっても、不幸なことだからです。


もちろん職種によっては、就業者のクリエイティブなアイデアを生かして仕事を発展させたいケースもあるでしょう。その場合は、個性的な価値観の持ち主を積極的に採用したいものですね。


どちらにしても、職場では、企業理念や業務の目的に合わせて人材を選び、採用を行うのが大切です。





教室では、その先生から学びたくて入ってきたのか、学びの内容に興味があってきたのかによって変わります。

その先生から学ぶのが目的の場合は、その先生が定めた目的やルールを提示して、それが受け入れられるなら、教室に迎えましょう。





しかし、ほとんどの場合は、学校も含めて、内容に興味があったり、学ぶ必要があるから通っているケースが多いでしょう。



その場合、本来指導者には、生徒を自分に従わせる権限はありません。だからといって、生徒一人ひとりの自由を認めていたのでは、学びの目的は達成できません。






そこでお勧めするのは、やはりルール作りです。




学校教育の段階では、教師が決めたルールに無理やり従わせるのではなく、生徒が自分達みんなの目標に向かうために必要なルールを決めることをお勧めします。自分達が決めたルールだからこそ、そのルールを自ら守ろうとするモチベーションも高まります。




そして、決められたルールを進んで守るという体験があれば、将来就職した際に、職場のルールをきちんと守ろうとする意識も持てますし、自分達でルールを作った経験は、職場のリーダーになったときに、従来のルールを見直したり改善したりする際にも役立ちます。






職場にしても教室にしても、組織に入ったら、そこのやり方に従うのは「あたりまえ」のことではありません。

これからは、ますます育った環境や価値観が多様化する人々によって、組織を形成しなければならなくなる、そんな時代になっていきます。
そんな時代だからこそ、組織の一員として守るべきことはきちんと説明したり、皆が納得して守ることができるようなルールを作ったりして、個性と規律のバランスがとれた組織や集団作りを目指しましょう。