<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム-
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このフィクションに関する記事は、ほとんどがあらすじ・登場人物のエピソードといった物語内容の紹介だけで成り立っています。製作過程や社会的影響、専門家による批評や分析など、作品外部の情報の加筆を行い、現実世界の観点を説明してください。(2020年9月) (使い方)
<Infinite Dendrogram>
-インフィニット・デンドログラム-
ジャンル    ファンタジー
小説
著者    海道左近
イラスト    タイキ
出版社    ホビージャパン
掲載サイト    小説家になろう
レーベル    HJ文庫
連載期間    2015年10月10日 -
刊行期間    2016年11月1日 -
巻数    既刊14巻(2020年10月現在)
漫画
原作・原案など    海道左近(原作)
タイキ(キャラクター原案)
作画    今井神
出版社    ホビージャパン
掲載サイト    コミックファイア
レーベル    ホビージャパンコミックス
発表号    2016年12月22日 -
発表期間    2017年5月27日 -
巻数    既刊7巻(2020年5月現在)
漫画:クロウ・レコード
<Infinite Dendrogram Another>
原作・原案など    海道左近(原作)
タイキ(キャラクター原案)
作画    La-na
出版社    KADOKAWA
掲載誌    月刊コミックアライブ
レーベル    MFコミックス アライブシリーズ
発表号    2019年7月号 -
巻数    既刊3巻(2020年10月現在)
アニメ
原作    海道左近
監督    小林智樹
シリーズ構成    百瀬祐一郎
脚本    百瀬祐一郎
キャラクターデザイン    中田正彦
音楽    平松建治
アニメーション制作    NAZ
製作    インフィニット・デンドログラム
製作委員会
放送局    AT-Xほか
放送期間    2020年1月 - 4月
話数    全13話
テンプレート - ノート
プロジェクト    ライトノベル・漫画・アニメ
ポータル    文学・漫画・アニメ
『<Infinite Dendrogram>-インフィニット・デンドログラム-』は、海道左近による日本のライトノベル。イラストはタイキが担当している。

小説投稿サイト『小説家になろう』にて2015年10月より連載が始まり、HJ文庫(ホビージャパン)より2016年11月から刊行されている。2020年4月現在、今までに公開された作品はすべて閲覧が可能。シリーズ累計発行部数は2019年2月時点で、44万部を突破している[1]。


また、今井神による本編と、La-naによる外伝「クロウ・レコード」のコミカライズがある。

2016年「小説家になろう」VRゲーム部門で年間ランキング1位、「ラノベニュースオンラインアワード」初登場4冠達成、『新作ラノベ総選挙2017』ランキング1位。『このライトノベルがすごい!2018』新作第2位。総合第3位。


目次
1    あらすじ
2    登場人物
2.1    主要人物
2.2    アルター王国
2.2.1    ティアン
2.2.2    <マスター>
2.3    ドライフ皇国
2.3.1    ティアン
2.3.2    <マスター>
2.4    黄河帝国
2.4.1    ティアン
2.4.2    <マスター>
2.5    カルディナ
2.5.1    <マスター>
2.6    グランバロア
2.6.1    <マスター>
2.7    天地
2.7.1    <マスター>
2.8    レジェンダリア
2.8.1    <マスター>
2.8.2    <デザイア>
2.9    “監獄”
2.10    <IF(イリーガル・フロンティア)>
2.11    無所属
2.12    管理AI
2.13    <Infinite Dendrogram>発売以前
2.14    現実
3    用語
3.1    <エンブリオ>
3.2    地理
3.3    モンスター
4    既刊一覧
4.1    小説
4.2    漫画
5    テレビアニメ
5.1    スタッフ
5.2    主題歌
5.3    各話リスト
5.4    放送局
5.5    BD
5.6    Webアニメ
6    出典
7    外部リンク
あらすじ
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この節にあるあらすじは作品内容に比して不十分です。あらすじの書き方を参考にして、物語全体の流れが理解できるように(ネタバレも含めて)、著作権を侵害しないようご自身の言葉で加筆を行なってください。(2019年1月)(使い方)
2043年7月15日、プレイヤーの性格・思考・行動に合わせて無限のパターンの進化をたどる独自のシステム「エンブリオ」を有するダイブ型VRMMO『Infinite Dendrogram』(インフィニット・デンドログラム)が発売された。過去のVRMMOが実現できず技術的に不可能とされてきた要素をいくつも備えていた『Infinite Dendrogram』はまもなく一大ムーブメントとなり、世界を席巻した。

それから1年半後、大学受験を終えて東京で一人暮らしを始めた椋鳥玲二は長い受験勉強の終了を記念し、以前から兄の修一に誘われていた『Infinite Dendrogram』を始める。

玲二はチュートリアルを済ませてレイとなり、発売初期から『Infinite Dendrogram』を始めていた兄との合流を目指すが、その途中で遭遇したNPCの女性から、クエストとして彼女の妹の捜索を頼まれる。やがて兄と合流したレイは、「この世界のイベントは後に回せば人死にが起こることもある」と聞き、ジョブに就かずエンブリオも得ないまま捜索を開始する。NPCの女性の妹を見つけたものの、危険なモンスターに囲まれた状態で兄とはぐれたレイは、デスペナルティになる寸前にエンブリオを孵化させて危機を脱すると、兄の助力もあってクエストを完了する。

初クエストで助けたNPCの女性は、レイの所属するアルター王国騎士団の副団長だった。その縁をたどり、初心者ながら【聖騎士】という上級職に就いたレイは王都付近でのレベル上げ中に初心者狩りに遭い、デスペナルティとなってしまう──。

登場人物
声の項はテレビアニメ版の声優。

主要人物
レイ・スターリング / 椋鳥玲二(むくどり れいじ)
声 - 斉藤壮馬[2]、伊瀬茉莉也(少年)
大学受験が終わり、初心者プレイヤーとして<Infinite Dendrogram>に降り立った青年。18歳。アバターは現実の姿をベースに、人種や身長や髪の色などの細かな部分を変更してパっと見別人に見えるようにしたもの。メインのジョブは騎士系上級職の【聖騎士】。裏表がなく素直な性格で基本的に温厚。兄と姉がいる三人姉弟で、姉弟の中では心担当。天才的な兄や姉に比べると凡人と言えるが、その精神力だけは異常と言える強さがあり、普通の人なら躊躇うような自己犠牲の選択肢でも平気で選べる。その戦い方から付けられた通り名は“不屈”。譲れないモノの為には何度でも立ち上がる強い意志を持つため多くの人を惹きつけ、高校時代には「みたらし(藤林先輩からは「みんなたらし」もしくは「みさかいなくたらし」の略ではと考えられている)」と呼ばれていた。
あまりに破天荒かつ人類とは思えないスペックを持つ姉からトラウマレベルの体験を多くさせられたため、姉を思わせる性格や雰囲気を持つ女性を大の苦手としている。
ファッションセンスが壊滅的で、本人が格好良いと思う姿は傍から見れば地獄の使者風青年か悪の組織の幹部や怪人でしかない。しかし、装備は性能で選んでいるため変更のしようがない上に、パーティーメンバーもスーツのマリーや着ぐるみの兄、ちぐはぐ装備のフィガロなど指摘してくれる人がいないのも治らない原因の一つ。特殊な装備として、3体のUBMを討伐したMVP特典武具、オリジナル煌玉馬【白銀之風】、無銘の呪われた斧を所持。3つの特典武具のデザインが禍々しい事、その中の一つの力でUBM<瘴焔姫 ガルドランダ>を召喚出来る事、加えて前述のセンスが合わさったために、暗黒の聖騎士だの光と闇合わさりし勇者だのと呼ばれる。後に冒険する中で出会ったアルティミア達王族、ひいてはアルター王国を滅亡から救うためどんな形であれランカー入りする事を決意。兄を含む縁のあるマスター達を集めてクラン<デス・ピリオド>を設立した。
皇国との最後の決戦に備え、呪われた斧から存在だけ教えられた未だ誰も到達していない未知の複合系統超級職を目指し、上級職の【聖騎士】・【暗黒騎士】、下級職の【煌騎兵】・【死兵】・【斥候】・【呪術師】・【司祭】・【決死隊】を育成中。上級職は本当なら【煌玉騎】を取りたかったが、「世界全体の《煌玉権限》スキルレベル合計5000以上」という条件が時期尚早で満たされておらず未解禁だったたのに加え、【暗黒騎士】を含む職業の複合系統超級職があると教えられ、それの習得をめざしている。
シルバー / 【白銀之風】(ゼフィロス・シルバー)
レイがガチャで当てた初代フラグマン製のオリジナル煌玉馬であり、シリーズ最後に製作された機体。ただし、五騎のオリジナル煌玉馬は【黄金之雷霆】、【翡翠之大嵐】、【紅玉之噴火】、【蒼玉之波濤】、【黒曜之地裂】であり、六騎目の【白銀之風】の名はここには含まれていない。
元々は一号機【黄金之雷霆】に使用するはずだったが素材の関係で機能を十分に発揮できないとお蔵入りになっていた一号フレームから組まれた試作機。素材的には風と相性が良かったがそれでは【翡翠之大嵐】と被ると別の原理や新規ギミックを組み込み、攻撃能力と防御能力を捨てさる代わりに特殊能力に全てを割り振った特殊性特化の番外機。初代フラグマンはこの機体のみ次代以降に一切の情報を残さなかったため存在を知られていなかった。化身討伐に全てを費やしたフラグマンが、晩年にそれらを一切考慮せず自由な発想で楽しみながら作った唯一の作品であり、彼が生み出した他の作品と異なり特に使命を定められていない自由な存在。
Lv3以上の煌玉権限で解放される特殊能力以外はロクな攻撃能力も防御能力も持たないが、所持している《風蹄》で空気圧縮して足場を作っての空中機動や弱いバリアを張る事はできる。だがインテグラの見立てではそれらは起こる現象から風属性魔法では説明できない点が多く、【白銀之風】の固有機能の作用が結果として風属性に類似しているという推測。《風蹄》のバリアは注ぎ込むMP量に応じてその強度が上昇するものの、MP消費量に効果が見合わない使い勝手の悪い代物だったが、性能を試していた際に大量にMPを注いだ後のバリア解除時に周囲へ致死レベルの猛烈な爆風をまき散らすという思いもよらない副産物を発見。無差別なので周囲に味方が居ない場合など使い処を選ぶが、【紫怨走甲 ゴゥズメイズ】で多大なMPを捻出できるレイにとっては切り札の一つとなっている。秘匿された特殊能力の詳細は、上級職の【煌玉騎】にならなければ煌玉権限が上昇しないため今の所不明。この力は主人の危機に際し【白銀之風】が自らの意思で発動することも可能で、その際には転移にも似た謎の現象を引き起こした。
【紫怨走甲 ゴゥズメイズ】
声 - 子安武人(メイズ)、松田健一郎(ゴゥズ)
【怨霊牛馬 ゴゥズメイズ】の特典武具。逸話級武具だがゴゥズメイズの潜在能力の関係で性能は級より二段階ほど高め。特に《怨念変換》が級に見合わない高性能スキル。もう一つの《人馬一体》スキルは装備者の乗馬レベルを+1して乗馬スキル×10%でAGIに補正が付くが、いきなり上級職の聖騎士からスタートしたために乗馬を持たなかったレイにとっては+1効果でスキルを貰える事の価値の方がステータス補助より上だった。怨念変換は周囲の負の想念・怨念等を貯蓄し力(MPやSP)に変換できる。その特性からブーツを履いていれば戦いの場に居るだけでも力を貯められ、かなり強く呪われた武具でも近くに立っているだけで容易に解呪できる。そのためレイは怨念の貯蓄目的でギデオン領主の武具庫に保管された大量の呪われた武具解呪のバイトを請け負っている。
【黒纏套 モノクローム】
【黒天空亡 モノクローム】の特典武具。古代伝説級武具。見た目は透明だが、《光吸収》スキルを発動すると光を反射しない真っ黒な見た目になる外套。《光吸収》《シャイニング・ディスペアー》のスキルが付いている。ステータスなどの装備補正がないが代わりにそのスキルは強力で、《光吸収》は類する属性なら攻撃でもなんでも吸収できるため光属性相手には滅法強い。ただし、《光吸収》は光のみを吸収するため光の持つ熱や光を伴った攻撃の光以外は吸収できない。《シャイニング・ディスペアー》もレイに欠ける遠距離攻撃手段であり、吸収した光を光線として放つ。光のチャージが100%になるまで打てないため光のチャージ時間が必要だが、非常に強力な貫通力と威力を誇る。
無銘の斧
【紫怨走甲 ゴゥズメイズ】でも終わるのがいつになるか分からないほど解呪に長い時間が掛かる莫大な呪いを溜め込んだ斧。使い勝手は悪いがレイが所持する武器の中で最強。神話級金属をも容易く砕く【破壊王】シュウ・スターリングの全力殴りでも罅の一つも入らないとてつもない強度を誇るため、いざという時に盾として使う事も出来る。
かつて古代の<鍛冶師>が【元始聖剣 アルター】と同時に作り上げた斧で、あらゆる属性に対する「絶対消滅」の力を持つ。どちらも傑作であり甲乙つけがたい逸品だったが、完成させるための最後の工程を施せるのはどちらか片方のみであり、この斧はそれに選ばれなかったために不完全な駄作となり名前も与えられなかった。アルター同様に非常に強力な斧だが不完全なためその力を制御できず、使用者に振るった力と同じだけの反動が返るため、本来の十分の一程度の出力も出せば大抵の使用者が消し飛ぶ。十分の一とはいえ反動に耐えてまともに力を使用出来たのは【覇王】のみで、次の使用者である邪神の眷属悪魔は呪布を巻いて耐性のある闇属性と物理に能力を限定することで使用できた。アルターに施された最後の工程がその反動を消すものだった。
武器としての性能以外にも多彩な機能があり、使用者の生体情報を把握したり超級職の在位・空位や就任条件を確認する機能もある。本来は【元始聖剣 アルター】のように確固たる意思を持つインテリジェンス装備だが、今の所は怨念と呪布のせいで意思が表に出られず夢という形でレイと会話することしかできない。
ネメシス
声 - 大野柚布子[2]
レイの<エンブリオ>として顕在した少女。LS・エルゴ・スムが反応したキューコと同じ年齢の外見であることから、外見年齢は13歳未満と判断できる。<エンブリオ>としての名称は【復讐乙女 ネメシス】で、TYPE:メイデンwithアームズというレアな存在。尊大なしゃべり方をするが、性格的にはチョロい部分が多い。食癖は暴食で、常識外れのかなりの大食いであり早食い。その食費はレイの懐を圧迫するレベル。ホラー物が大の苦手でアンデッドとの戦いでは泣き叫び、戦闘後もしばらくしくしく泣き続けて立ち直れない。
通常時は人間の少女の姿だが、戦闘時には大型装備へと姿を変える。その形態は現時点では大剣・斧槍・円盾・大鏡など両手持ちの重量装備が多いが、自分の体の延長であるという判定からレイ自身にとっては重量はさほどでもなく片手で振るえる(他者が持つと見た目通りの重量になる模様)。本来はヒロインポジションなのだが作者が時折それを忘れるくらいヒロイン性が薄く(イラストレーターのタイキに指摘されるまで長らく表紙に登場していないのに気付かなかった)、相棒としての側面の方が強い。
第一形態 黒大剣(Black Blade)
デザインは禍々しいが性能はオーソドックスな両手剣。装備補正もまだ高くない。
固有スキル《復讐するは我にあり》(ヴェンジェンス・イズ・マイン)
特定の相手から24時間以内にうけ受けたダメージの数値を倍加してその相手に返す。防御力は無視される。
固有スキル《カウンター・アブソープション》
攻撃を無効化または軽減する光の壁を作る。20万ダメージまで無効化できる。
第二形態 黒旗斧槍(Flag Halbard)
旗を思わせる黒い靄がたなびくハルバード。
固有スキル《逆転は翻る旗の如く》(リバース・アズ・フラッグ)
受けた状態異常やデバフ効果を逆転させる。
第三形態 “α” 黒円盾(Black Circle)
身体の大半を覆い隠せるような大型の円盾。黒一色だった今までの形態と異なり、表面には銀線の模様が入っている。
固有スキル《カウンター・アブソープション》30万ダメージまで無効化できる。
性能が向上しており受けられるダメージ量が上がっている。
第三形態 “β” 流星風車(Shooting Wheel)
円盾表面が銀線に沿って五枚羽の風車のような形に展開した状態。盾の持ち手は槍を思わせる長柄となる。
固有スキル《応報は星の彼方へ》(ペイバック・オーヴァー・スター)
一分間のチャージタイムが必要だが、受けたダメージカウンターの十分の一を飛距離・AGI(速度)に換算し、遠距離追尾して従来よりも強力な3倍化した攻撃を放つ。
第四形態 黒翼水鏡(Black Mirror)
付かず離れずの距離で背面の空中に浮かぶ羽根付き大鏡。羽根のような装飾は鏡から取り外し可能で双剣となる。
固有スキル《追撃者は水鏡より来たる》(チェイサー・フロム・ミラーリング)
ダメージを与えてきた対象者のステータスから一つを指定し、それとレイ自身のステータスを同値にする。1分間ごとに相手のステータス分ダメージカウンターを消費し、使い切ったら解除される上に消費し過ぎると《復讐するは我にあり》のダメージが出なくなるデメリットもある。
固有スキル《復讐するは我にあり》
双剣になったことでダメージカウンターがそれぞれの剣に半分ずつ蓄積され、二度撃ちが可能になっている。
【瘴焔姫 ガルドランダ】
声 - 釘宮理恵
UBM担当の管理AIジャバウォックがデザインし、レイが死闘の末倒した人食いの伝説級UBM【大瘴鬼 ガルドランダ】の中で育まれ、何れ誕生するはずだった本来の伝説級UBMだったモノ。食人鬼であったためモンスターと人間のハーフのような存在で人語を解し会話できる。ネメシスと同じ位の童女の姿をしている。レイの身体(肉)が好物。順調に成長を遂げればSUBMまで至ったかもしれないくらい高い潜在能力を持っており、管理AIジャバウォックから大きく期待されていた。大瘴鬼が卵の殻でその中身が瘴焔姫という関係だったが、不完全な大瘴鬼の段階でレイに倒されたために【瘴焔手甲 ガルドランダ】内に意識として宿り、瘴焔手甲の第三スキルによる召喚モンスターとして再誕した。
普通この手の召喚モンスターは元の劣化モンスターとして召喚されるが、誕生するという性質により真の伝説級UBM瘴焔姫として元の大瘴鬼を上回る強さで召喚され、前衛系超級職すら上回る高ステータスに強力な攻撃やデバフの固有スキルを備える。こうした元々の強さに加え、新たな固有スキルを生み出す高い潜在能力も持つ。また手甲入手以降のレイの経験や知識を記憶の共有を通して学習してきたため、シュウやフィガロといった超級マスターの戦闘技術まで学んで理解し、シュウの十八番である上段蹴り「木断」も使える。このように、モンスターとしての成長だけでなく人間の様にも成長し続けられるため、戦闘力は更に高まっている。
これだけの強力さと引き換えに大きな制限も課されており、召喚時間1秒につき1000MP消費(レイの素のステータスでは数秒しか呼べない)に加え、召喚終了後に召喚時間の「三倍時間治療不能な猛毒・酩酊・衰弱の三重状態異常」「三倍時間燃焼(人体発火)」「三倍時間肉体使用権喪失(【大瘴鬼 ガルドランダ】に奪われる)」のいずれかのデメリットの中からランダムで1つが付与される。デメリットで特に重いのが後二つで、燃焼なら焼死、肉体使用権喪失なら意識を保ったままガルドランダに喰われる(自分の肉の味を知らされながら)ため、これらが発動した場合レイは確実に死亡する。召喚時間1秒につき1000MP消費に関しては、MPタンクである【紫怨走甲 ゴゥズメイズ】により実用可能なレベルになっている。後にレイが解呪のバイト報酬で【大小喚の輪】を入手したことでMPコスト極小の召喚が可能になり、手乗りサイズのSD体型、戦闘能力無し、デメリット極小、キシャーと唸るしかできないほど会話能力が落ちた状態(非人間範疇生物用の翻訳アイテムで解決)のチビガル形態で長時間召喚(作者曰く日常パート召喚形態)できるようになる。チビガルはレイの頭の上に乗っかっていることが多く、そこでよく頭髪や頭皮を齧っている。
逆に極大召喚すると、数十倍のMP消費(200万MPでも一分間)という極悪の域を通り越した多大なコストと引き換えにあらゆる能力・スキル(およびデメリット)がクラスアップした神話級UBM【鬼神 ガルドランダ】として強化召喚される。この時の姿は、瘴焔姫より白い髪と背が少し伸びて童女から少女のスタイルへと成長しており、両肩にはかつての母体【大瘴鬼 ガルドランダ】を想起させる鬼面が存在する。現時点での最強形態ではあるが、どうやらこれが最終系とは限らない模様。
【瘴焔手甲 ガルドランダ】
【大瘴鬼 ガルドランダ】の特典武具。伝説級武具だが、高性能多機能型にも関わらず高い装備補正も持ち合わせ、SUBMの超級武具に近いほどの性能を持つ強力な装備。
第一装備スキル《煉獄火炎》
左手甲の火炎攻撃。
第二装備スキル《地獄瘴気》
右手甲の猛毒・酩酊・衰弱を起こす三重状態異常の瘴気
第三装備スキル《瘴焔姫》(ガルドランダ)
【瘴焔姫 ガルドランダ】召喚。
《煉獄火炎》
《煉獄拳》
《零式・煉獄火炎》
《地獄瘴気》
《地獄掌》
《零式・地獄瘴気》
シュウ・スターリング / 椋鳥修一(むくどり しゅういち)
声 - 日野聡[2]
レイを<Infinite Dendrogram>へと誘った実の兄。椋鳥三姉弟の技担当。クマの着ぐるみプレイで子供たちの人気者。27歳。他プレイヤーからは子供山さん、ネメシスからはクマニーサンと呼ばれる。ジョブは破壊屋系最上位の超級職である【破壊王】。絵以外のあらゆる分野に才能を持つ天才肌の人物で、大体何でもこなせる。子役俳優から歌手、格闘技の世界チャンプなどを経て、現在は都内で三件のマンションを経営するニート。その経歴のため知人には業界人が多い。<エンブリオ>はガトリング砲から果ては人型ロボットへの変形機能付き巨大陸上戦艦などに変身する四重複合カテゴリー、TYPE:ガーディアン・フォートレス・ギア・ウェポンの【戦神艦 バルドル】(声 -藤田咲)。
アルター王国に所属する四人の“超級”の一人であり、王国討伐ランキング二年連続一位のランカー。STR極ビルドであり、ボスクラスモンスターすら一撃で粉砕する異常なほどの攻撃力を持つ。現実で習得した格闘技術や類稀な戦闘センスにより足りないSTR以外のステータスを補い、<Infinite Dendrogram>にいる数多のマスターの中でも最強格の一人として知られている。ただし、外部リソースを使用しない第一形態と格闘戦以外においては弾薬代という外部リソースで資金が数十億単位で吹き飛ぶほど消費するため、札束で殴るような戦法である。
クマの着ぐるみを着込んでいるのは、キャラクターメイキングの際に誤って自分の素顔のままでアバターを決定してしまったためで、その顔が世界的に有名過ぎるためそのままプレイするのが困難になってしまった(管理AIによってはアバター決定後もゲーム開始する前なら作り直しを許可するアタリがいるが、シュウの担当はハズレだった)。<UBM>の討伐経験を重ねているが、たった一件を除き、全ての特典武具がなぜか着ぐるみになるという呪いじみた状況に陥っている。
ルーク・ホームズ / ルシウス・ホームズ
声 - 小市眞琴[2]
レイと同時期に始めた<マスター>の少年。類稀な美貌と幅広い才能を持つ天才児。15歳。アバターは髪の毛の色を変えただけの現実の姿そのまま。メインジョブは下級職【女衒】、後に同系統上級職【亡八】。父は探偵、母は怪盗というとんでもない家庭で育ち、両親からその技術を仕込まれている。特に人の心理を読み解くのが得意で、プロファイリングをも超えたテレパシーとも思えるレベルで人の考えや行動を推理する。両親と死別して自分が今後どういう生き方をするかに悩んだために、何かの答えを得られるのではないかと考えて<Infinite Dendrogram>を始めた。
直接的な戦闘は苦手だが、女性or雌への魅了や従魔を駆使して戦うテイマータイプ。バビと合わせると男女(雄雌)共に魅了でき、レジストに失敗した敵は同士討ちを始め、そこに強力な従魔も参戦する対集団戦を得意とする。その戦いぶりは魅了された者が非魅了者に攻撃し、魅了されていない者がされた者への攻撃を躊躇う内に自分も魅了されるか殺されるという地獄絵図。被害は加速度的に増大し、すべての敵が魅了されるか死ぬかしたところでバビが残った魅了された敵達を順番にドレインで吸い殺す。マスターですらきちんと魅了耐性装備を整えていなければ対抗できず、そのあまりにえげつない組み合わせはかなり強力な制圧力を持っている。後に、バビや従魔と合体変身して戦う「ガードナー獣戦士理論」の発展形とも言えるユニオン・ジャックが使えるように。ユニオン・ジャック中は上級職でありながらも超級職並のステータスを得られるため、直接戦闘でもかなり強力な存在となる。
レイと共に歩んでいるために強敵との戦いを多く経験し、自身の力不足を実感し悩んでいたが、空位だった超級職【色欲魔王】に就く事で大幅なパワーアップを果たした。
バビロン
声 - 高田憂希[2]
ルークの<エンブリオ>。通称はバビ。<エンブリオ>としての名称は【堕落天魔 バビロン】で、TYPE:ガードナー。通常モンスター型になるガードナーだが淫魔であるためほぼ人型であり、翼と尻尾が生えただけの少女の姿をしている。ネメシスからはこれだけ人間に近いガードナーもレアだと評された。男性or雄への魅了や吸収を中心としたスキルにより戦闘を行う。食癖で、甘味にチリソースを掛けるなど味覚が壊滅しているかのような冒涜的な食べ方をする。ネメシスの考察は、大淫婦バビロンからとった名前に影響されて食事も冒涜的になっているのではないかというもの。後に、第三形態でマスター・エンブリオ・従魔の三身融合スキル<ユニオン・ジャック>を身に付け、ルークの直接戦闘力を飛躍的に高められるようになる。
種族としては悪魔系の淫魔に属するが、ルークが未成年のためシステムによる年齢制限が掛かっており、その行動はお色気ではない耳かきやひざまくら、ちょっとしたマッサージ程度の微笑ましい振る舞いに収まっている。ただし、モンスターとしての淫魔は年齢制限が外れた場合はR18な存在になるらしく、淫魔が多く出現するダンジョン<淫魔の宮>は年齢により攻略難易度が桁違いになるらしい。
ユーゴー・レセップス / ユーリ・ゴーティエ
声 - 村瀬歩[2](ユーゴー)、陶山恵実里(ユーリ)
外伝『蒼白詩篇』の主人公でもある<マスター>の青年。当初はドライフ皇国に所属。メインのジョブは上級職の【高位操縦士】。アバターの外見は20歳前後の男性で作られているが中身の方は15歳の女性で、リアルではMr.フランクリンの実の妹でフランスのロレーヌ女学院中等部に通う学生。姉と同じように異なる性別のアバターを作成した。操縦士であるため直接的な戦闘にはとても不向きで、ステータスはHPとMPとSPとDEXが高いだけで他の能力は初期ステータス並と低い。ギデオンでの作戦のためアルター王国に訪れた際にレイと出会い、共にゴゥズメイズ山賊団と戦うことになった。
姉がオーナーであるクラン<叡智の三角>に当初は所属していたが、ギデオンでMr.フランクリンの起こしたテロ作戦に参加したことで、今まで自分が見ようとしてこなかった姉の負の一面を知りクランから脱退。その際に誕生プレゼント兼餞別として、フランクリン手ずから設計・製造したワンオフ機の【MGFX-002 ホワイト・ローズ】を与えられた。その後は無所属となり各地を旅するようになった。現在はカルディナで黄河から流出した珠を発端にした騒乱に巻き込まれている。
とにかく乗騎を破壊されてしまう。最初はドライフ皇国で流通しているマジンギア【マーシャルⅡ】に乗っていたが、ゴゥズメイズ山賊団との戦いで大破。翌日のギデオンの事件では改良型の【マーシャルⅡ改】に乗り替えて戦ったもののまた大破。その後【ホワイト・ローズ】に乗り換えるも、これまた逸話級<UBM>【骸竜機 インペリアル・グローリー】との戦いで大破している。現在は、【ホワイト・ローズ】の残骸をMVP特典の【機竜心核 インペリアル・グローリー】とレジェンダリアの象徴である大樹【アムニール】の枝で修復・強化した【MGFX-002 ホワイト・ローズ・フル・ブルーム】に乗っている。
キューコ
声 - 小倉唯[2]
ユーゴーと行動を共にする少女。棒読みな口調ながらも毒舌。ネメシスと同じ位の年齢体格の容姿で、ロリコンのLS・エルゴ・スムが反応することからそれが13歳未満のものであることが分かっている。<エンブリオ>としての名称は【白氷乙女 コキュートス】で、TYPE:メイデンwithアドバンス。白い物しか食べないという妙な拘り(食癖)があるが、あまりに美味しい食事を前にすると我を忘れ、その拘りを破る上に棒読み口調ですらなくなる。
マリー・アドラー / 一宮渚(いちみや なぎさ)
声 - 日笠陽子[2]
【記者】のジョブに就いてる女性の<マスター>。アバターの年齢は10代後半だが中身は20代前半。出版社DIN(デンドログラム・インフォメーション・ネットワーク)勤務。本当のメインジョブは隠密系最上位の超級職【絶影】。通り名は“超級”でない身で“超級”を討伐した逸話から“超級殺し”。普段は隠蔽のスキルで記者に偽装しており、世間的には正体不明の暗殺者として依頼を受けてPKするマスター専門の暗殺者を生業とするロールプレイをしている。<エンブリオ>は弾丸型モンスターを射出する拳銃であるTYPE:レギオンの【幻銃筆 アルカンシェル】。殺しても本当には死なないマスターはともかく、取り返しの付かないティアンは基本的に殺さない(自分や護衛対象を襲う敵となれば別)。
現実では漫画家だが、掲載誌の休刊などのトラブルが重なりスランプで作品が描けなくなり休職。自身の作品の主人公であった暗殺者マリーに扮することでスランプを脱しようと<Infinite Dendrogram>を始めた。自分の作品中でも出てくる未熟な者を殺す仕事を経験するために、カルディナが裏で行った王国封鎖の策に雇われ多数の初心者PKを行う。そこでレイと出会いPKするが、絶対的な強敵相手でも折れない姿に興味を覚え後に接触を図った。内心ではこの初心者PKを受注したことを後悔しているため、以降は贖罪も兼ねてレイの仲間として手助けするようになる。
アルター王国