プロパガンダ Ⅲスーパーフリープロパ癌騙夢デマゴーグゼイリブゼネコンインベーダーグレイエイリアン 

 

顕彰

軍人の作戦行動中の負傷は名誉の負傷とされ、パープルハート章のような戦傷章の受賞式はマスコミを通じて報道される。さらに戦死者は二階級特進の他に英雄的な扱いを受け、戦時中には英霊軍神など神格化されることも多く、爆弾三勇士のように愛国心を煽るために軍の宣伝として利用される例が多い。

示威

自衛隊観閲式

軍事パレード観艦式は非実戦的な訓練や兵力の移動が必要なため軍事的には無駄であるが、軍の規律や能力をアピールする目的で定期的に行われている。また式典のための礼装が規定されている。北朝鮮では車両や航空機の燃料を調達することも難しい状況であるが、大規模な軍事パレードは定期的に行われている[18]

公開[編集]

板妻駐屯地の開設記念行事一般公開

軍では退役した車両や航空機を展示する広報施設を整備したり、博物館に寄贈するなどしている。自衛隊では陸上自衛隊広報センター海上自衛隊佐世保史料館航空自衛隊浜松広報館とそれぞれ別の広報施設を有している。

駐屯地や飛行場などの軍事施設に部外者を入れることには警備上の問題が多いが、国民の理解を得るという目的で多くの軍隊では特定の日に基地祭として公開している。特に駐屯地や基地周辺の住民に対しては別にツアーを用意していることが多い。

多くの軍隊ではマスコミを駐屯地、航空機、艦船へ招待し訓練の様子を報道させているが、これも事前にプログラムが組まれたツアーであり、軍は都合の良い部分だけをマスコミに見せることが出来る[18]海上自衛隊ではマスコミや要人を接待する専用艦「はしだて」を保有している。

民間の利用

戦争映画の製作に協力することもあるが、軍が美化されるなどの作品には協力するが都合の悪い作品には協力しないなど、軍側で協力の可否や程度をコントロールしている。1964年の米国映画『未知への飛行』では、アメリカ軍の核兵器が適切に管理されていないことが前提の作品であるため協力を得られず、航空機の映像は一般公開されていた資料映像に頼っている。1978年の角川映画野性の証明』も自衛隊が悪役であるため協力を得られず、アメリカ陸軍州兵の演習場などで映像を収録している。

  • アメリカ海軍が保有するF-18の飛行を体験できる移動式シアター。訓練に使うフライトシミュレータではなく座って映像を見るだけである。

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  • スクランブルに向かうB-58のクルー」とされたアメリカ空軍の広報用写真。B-58はスクランブル任務に就く機体ではなく実戦にも投入されていないが、最新鋭機であったため宣伝に使われた。

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  • 駐屯地の一般公開で行われた74式戦車の試乗体験。座席を取り付けるため作業が必要となる。

戦争遂行のためのプロパガンダ

国家が戦争を遂行するためには、国民に戦争するしか道がないことを信じ込ませるために国策プロパガンダが頻繁に行われる。アーサー・ポンソンビーは、第一次世界大戦でイギリス政府が行った戦争プロパガンダを分析して、主張される事に関する10の要素を以下のように導き出した[19]

  1.  われわれは戦争をしたくはない。
  2.  しかし敵側が一方的に戦争を望んだ。
  3.  敵の指導者は悪魔のような人間だ。
  4.  われわれは領土や覇権のためではなく、偉大な使命(大義)のために戦う(正戦論)。
  5.  そしてこの大義は神聖(崇高)なものである(聖戦論)。
  6.  われわれも誤って犠牲を出すことがある。だが、敵はわざと残虐行為におよんでいる。
  7.  敵は卑劣な兵器や戦略を用いている。
  8.  われわれの受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大。
  9.  芸術家や知識人も正義の戦いを支持している。
  10.  この正義に疑問を投げかける者は裏切り者(売国奴非国民)である。

フランスの歴史家アンヌ・モレリは、この十要素が第一次世界大戦に限らず、あらゆる戦争において共通していることを示した[17]。そして、著書『戦争プロパガンダ10の法則』の序文中で、「私たちは、戦争が終わるたびに自分が騙されていたことに気づき、『もう二度と騙されないぞ』と心に誓うが、再び戦争が始まると、性懲りもなくまた罠にはまってしまう」と指摘している。

もちろん、普通の人間は戦争を望まない。(中略)しかし最終的には、政策を決めるのは国の指導者であって、民主主義であれファシスト独裁であれ議会であれ共産主義独裁であれ、国民を戦争に参加させるのは、常に簡単なことだ。(中略)とても単純だ。国民には攻撃されつつあると言い、平和主義者を愛国心に欠けていると非難し、国を危険にさらしていると主張する以外には、何もする必要がない。この方法はどんな国でも有効だ。— ヘルマン・ゲーリング[20] ニュルンベルク裁判中、心理分析官グスタフ・ギルバートに対して

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