久々に、生きている人を見た。
昨日は
「中村修治おっさんレンタル〜一糸纏わぬ文章の秘密〜」
というイベントに参加していた。
これは私が学びに行った、
心に響く文章術講座のイベントで
中村修治さんをゲストに迎えたものだ。
中村修治さんが何者か?は
「史さん(文章術講座主宰)の話にちょいちょい出てくる人」としか知らなかったけど、
それがかえって良かったかもしれない。
史さんの、前座というには為になりすぎる話が終わり、
中村さんのPCがプロジェクターに映し出される。
パワポじゃなくキーノート的なビジュアルの画面。
本の章立てのように、ざっくりと話す項目が出て来て、
そのエピソードを話していくスタイル。
もうこの辺りで私の予感は確信に変わって来ていた。
「この人もプレゼン芸人やわ」
プレゼン芸人。
それは私の憧れのスタイル。
大真面目に大切な話をしているのに、プレゼンで笑かしていく技術とセンス。
私は数年前、自分もそうなりたくてMacを買い、
キーノート使いこなし術的な本をアマゾンで物色し、欲しいものリストに入れてそのまま忘れていた事を思い出した。
もちろんキーノートの使い方は未だわからないままだ。
あぁ私はなんというダメ人間なのか。
自分の情熱を翌日に保つことすら出来ていないばかりか、
忘れている事すら忘れていたとは。
中村さんも自分のダメさについて前で話していたが、言うても毎日2コラムを書いてUPし続けておられるというではないか。
何かこう、こんな私でも情熱を継続出来るような、ヒントなり喝なりが話の中に出てこないものだろうか?
やっぱり継続は力ですよとドヤ顔で叱ったりしてはくれないものか?
モヤモヤ思いながら
ふと見上げた画面に答えが書いてあった。
「私はブレブレです」
「私は下衆です」
最高かよ!!!
心の中で大声で叫んでいた。
人間誰でも頑張れば、束の間であればシュッとカッコよくする事は出来る。
ところが人生においては、圧倒的に「束の間以外」の時間の方が多い。
沈黙の時間、カッコ悪い時間、取り立てて何も起こらない時間。
「そんな束の間以外の時間を表現する人間でありたいから、裸になるんです」
モテたいから。人気者になりたいから。可愛がられたいから。
そんな俗な欲望も全部含めて裸で出していく。
そっちか!!!!
そっちで良いんや!!!
この話を聞いて、この人好き!
ってなっているのが、
そっちで良い何よりの証拠だ。
私はモテたいとか人気者になりたいという欲はないが、
自分基準でカッコよくありたいという欲は脳のほぼ全部を占めている人間だ。
その全部の方を出しても良いのだとなれば、表現できる事はたくさんあるはず。
そうして改めて話を聴いているうちに、なんだかお坊さんの法話を聴いているような気持ちになった。
会の冒頭で中村さんは
「今日は嘘ばっかりついてケムに巻いて帰りますよ」なんて言っていた。
裸になると言っても、
私達は風呂上がりに鏡の前に1人立つ時ですら、
誰も見ていないにも関わらずお腹を引っ込めてみたり、多少の加工をしようとする。
それは裸であるにも関わらず、本当の意味では裸ではないのかもしれない。
でもその加工の塩梅こそが、その人のその人らしさがにじみ出てしまう、人間くさく愛おしいところなのではなかろうか。
文章の話など一切出てこない、大嘘で本当な裸の人が話すのを見ながら、そんな事を思っていた。
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中村修治さんってこの方
めっちゃ面白くて可愛らしいお兄さんでした!