今年の映画 白い巨塔など | 昔の日本映画 勉強会

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古い日本映画を知らないので、これから一本一本観て記録してゆこうと思います。その他。

2023年が終わろうとしています。

今年はあまり映画を観れませんでしたが、
以下の3作品が面白かったです。


「白い巨塔」

1966年(昭和41年)
監督:山本薩夫、主演;田宮二郎
モノクロ

医学界の内幕を描いた山崎豊子の同名小説の映画化作品。

 



NHKのBSで観ました。
はじめて観たけどすごく面白かったですね。
あっと言う間の149分。

そのあとYoutubeでTV版(1978年)も観ましたが
こちらも良かったです。
観終わったあと、しばらく白い巨塔ロス病になりました。

 



名作といわれる作品の中には
私の感覚が異常なのか
全然面白く無いものがたくさんありますが
この作品は、
私の心をグイグイ引き付けてくれました。

映画もテレビも
出てくる俳優さん皆さん凄い顔ぶれですけど
田宮二郎さんてやっぱ凄いなと改めて思いました。

 



こんなに才能があってまだまだ名作を残しただろうに
あんなに早くに亡くなられて本当に残念です。
自殺じゃなく他殺とも言われてるそうですね。
そんな記事を読んでると
私も他殺じゃないかという気がしてきました。
もしそれが事実なら本当に悔しい。

 



いまはただ
残された素晴らしい田宮作品を
追い続けてゆきたいと思います。

小沢栄太郎さんも、東野英治郎さんも、加藤嘉さんも
いや出演者さん、皆さん素晴らしかったですけどね。
鼠小僧次郎吉の長谷川待子さんも出てて自分的には嬉しかったです。



TV版だと
曽我廼家明蝶さんて私はじめて拝見しましたけど
この人もすごく良かったです。

 


あと、東恵美子さんという女優さん、
この方も初めてでしたが
憎まれ役素晴らしくうまい。
ちょっと高峰秀子さんデコちゃんに似てると思いました。

 



しかし白い巨塔って
映画、テレビとも何でこんなに面白いんでしょう?
脚本の力が大きいのでしょうか。
映画は橋本忍、
TVは鈴木尚之、どちらも巨匠。

私自身の大学病院での経験とも重なって
本当に共感できる映画でした。


「にごりえ」
1953年(昭和28年)
監督:今井正。出演:丹阿弥谷津子、久我美子、淡路千景。モノクロ。
樋口一葉の短編小説『十三夜』『大つごもり』『にごりえ』の3編を原作とするオムニバス映画。

 



YouTubeで観ました。

私は、表題作の「にごりえ」よりも「十三夜」「大つごもり」が良かったな。
どちらもラスト、少し救われた気持ちになるから。
それは決して完璧なハッピーエンドじゃないけど
曇り空に一瞬だけ晴れ間が見えて又消えるように。

 



特に「大つごもり」はサスペンスというか
観ていて、ハラハラドキドキして
どうせ貧しい者はあくまで貧しく、金持ちばかりが得をする、
最後は悲しいラストなんでしょ?
なんて見てたから、ラスト嬉しかったなぁ。

意地悪なお母さん役の長岡輝子さんがいや~な感じよく出てましたね。
いい味出してました。
皆さん他の役者さんも素晴らしかったけどね。

脚本は水木洋子、井手俊郎。
どちらも素晴らしい作品をたくさん残されてますね。

これで樋口一葉に興味持って原作に挑戦しようとしたんですけど、
難しくて途中挫折しました。


「お早よう」
1959年(昭和34年)
監督:小津安二郎、設楽幸嗣、島津雅彦、佐田啓二、久我美子

郊外の新興住宅地を舞台に元気な子供たちにふりまわされる大人たちをコメディタッチで描いた作品。

 



初めて観ました。
NHKのBSで。

私が観た小津映画の中で一番面白かったです。

東野英治郎さんの酒場でのセリフは身に染みました。
わかるなーって感じ。

また佐田さんの何でもない会話こそ大切なんだって話しと
久我さんとの駅での朝の会話のシーン 良かったなあ。
映画を観た翌朝、
職場で胸を張って挨拶したくなった。

あと押し売りも懐かしい、
ああやって玄関に座り込むおじさんを子供の頃、時々見たものです。


以上3作品でした。

あとは洋画で3作品。

ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

ロンドン、人生はじめます

などが面白くて印象に残りました。


アマゾンプライムで、ドリス・デイの映画もよく観ました。


あとYoyuTubeでNPO法人科学映像館さんがあげておられる
映画をたくさん観ました。

面白かったのは

新しいふるさと調布
火事のあくる日
わんわん火事だわん
生活と水
北ぐにのとも子
津軽の子ら
希望の船
東京への招待

などで、どれも良い作品でした。


あと
年末、以下の本を読んで田中絹代さんについて考えました。

「高峰秀子かく語りき」斎藤明美・編
「さよならテレビジョン」倉本聰

田中絹代さんの最後がどれだけ、みじめで悲惨だったとしても
田中絹代さんが「日々どう生き抜いてきたか」のうほうが
遙かに重要なのだ、
と自分に言い聞かせる。

田中絹代さんの映画をあらためて観ようとおもいました。

映画よ今夜もありがとう。