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野村芳太郎監督 張り込み を観る。
松本清張の原作は二十年くらい前に読んだ。
原作の世界感を出すことが果たして出来るのか、と思って観たが、
原作に負けず劣らず、大変に面白かった。
人によっては原作よりいいと言う人もいるかも。
体調、少しもち直してきた。
以下、鑑賞した感想を記す。
●タイトルが出るまでの長い導入部。最初にガツーンとやられた感じ。かっこいい。映画館で観たらワクワクしただろう。
●旅館の女中と男達。軽口など叩く。でもこれから張り込み、という感じがいかにも仕事をする男達という感じがした、私は刑事ではないが出張が多かった時代を思い出す。浦辺粂子さんが出てきてほっとした。
●さだこ役は地味で精気がない妻という役だから高峰秀子には向いてないと思った。でも観てるとずっと抑えた演技してる。後半自分からチューするので胸が痛んだが、おそらく昔の恋人に
会う前と、後の、さだこの感情を表現していろのだろうと思った。
●佐賀県は私の父の郷里である。私も幼い時分は行ったことがある。いまは色々あって疎遠になった。だが街中の風景、刑事や高峰秀子が歩くその町並みはどこかで見たことがある風景が時々あった。しかし私は幼過ぎたからしっかりと地名までは記憶してない。記憶は風景のイメージだけである。城の近く。水の通り。魚市場。酒場。県庁かな。バスとか。海。
●映画は年代からいえば
父が飛び出した頃の佐賀県の映像でもある。
●読んだのが昔だから原作のほうを忘れてしまった、原作に刑事の恋人なんて出ていてろうか。しかし仮に原作にない設定だったとしても、この映画に出てくる刑事の恋人の存在は映画をとてもよいものにしたと私は思う。ラストはこの設定に気持ちが救われた気がした。松本清張の小説に出てくるある種の犯人達は皆、私自身やあなた自身かもしれないのだ。
ラスト刑事の犯人に対する台詞は、自分自身の人生へ励ましでもあるかな。
●国鉄は蒸気機関車、ラジオの前に集まって旅館中でラジオを聞く、氷、蚊取り線香、スイカ
●刑事役の二人はぴったりだった。大木実って初めてみたけどかっこいいなあ。男らしい。と思ったら調べるとこのひと「あの広い空の下~」のしゅんどんだった。えっ、あのしゅんどんとこの刑事が結びつかないなぁ
●監督の野村芳太郎のお父さんが、高峰秀子のデビュー作「母」の監督をした、ひとだというからへーと思った。色々つながるものなんだな。
●とにかく面白い作品だった。可能であばまたみてみたい。刑事になった気分にさせてくれるし、悲惨な話しではあるが暗い線路の向こうにやがて一本の光が指すように、列車が入ってくるように、希望をもまた与えてくれる映画だと思った。
