組織も金も不純物で強くなる

純金と言われる24金でさえ、僅かな不純物を含むし、実際に貴金属として用いられるのは四分の一は銀や銅などを混合した18金が多い。その方が強度が増し、何にしても都合が良いからだ。

「組織一丸となって」

「皆が一つの方向に向かって」

などとよく言われるが、本当にそんな組織は、一丸となることや一つの方向に向くという手段が目的化され、真の目的を誰も目指そうとせず停滞するか、良からぬ方向に暴走するかのどちらかである。

私は上位2割がトップの考えを共有し、他を引っ張るという形さえ守れていれば、下位の2割は入れ替わっても問題が無いし、仕事が必要悪のマイホーム主義や趣味に生きる人々がいても良いと思っている。

方針を貫き、順調に出世を重ねて会社の中枢に昇らなくても、自身の事業所をしっかり繁盛させてくれれば、それなりの待遇を与えてやれば良い。ユニクロもかつてスーパー店長というものがあったが、その考え方に近い。勿論、自己流のリスクはしっかりと管理する必要はあるが。

そもそもビジネスは戦争である。戦争の目的は勝つことであるが、その前に最低限、生き残るためには気の合う仲間でなく、頼りになる仲間でなくてはならない。頼りになった上で気が合う様になればそれに越したことはないが、無理してそこまで求める必要はないのだ。

しかし、人は権力の座に着くとそのことを忘れ、周りを気の合う仲間で固めたがるものだ。隣国の独裁国家の暴君を笑ってばかりはいられないのに（笑）。