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  Power tends to corrupt, and absolute power corrupts absolutely.「権力は腐敗する、絶対的権力は絶対に腐敗する」イギリスの政治家であり思想家であったジョン・アクトンの言葉です。

  私の拙い経験の中でさえ、何人もの権力者が出現し、その大部分は失脚して行きました。

  その方々のポジションは常務取締役であったり、代表取締役であったり、その時々の組織の大小によって変わりますが、私が思う破綻の共通の原因は参謀としてのNo.2を置けなかったことによると思います。

  旧ソ連や北朝鮮という国家でさえ、そうしたNo.2が存在しない独裁体制であるが故に、滅び、また滅びていくのでしょう。

  日本に名を残す経営者には、本田宗一郎氏に対する藤沢武夫氏、松下幸之助氏に対する高橋荒太郎氏というように必ず参謀としての名No.2が存在します。

  思うに、リーダーとはある種のエネルギーがある人ですが、経営という経済戦争の中ではいずれ何らかの形でバランスを失うことになります。権力は腐敗し、そしてその組織は破綻します。

  それを防ぐ調整役、権力の防腐剤がNo.2なのです。

  私もかつて何人もの上司に仕えてきましたが、どんなに問題があるリーダーでも、それを支える参謀役を心掛けました。何とかしようという想いで衝突もしましたが、聞く耳を持たぬリーダーは私を退け、その後に私が注意を喚起した通りに権力の座を追われました。

  これについてはリーダーの器不足と同時に私の参謀としての力量不足と大いに反省するところですが、少なくとも私は必ずNo.2を置くことにしています。

  No.2は太鼓持ちであってはいけませんし、決して自分と同じタイプの人間である必要はありません。しかし、仕事における価値観は徹底的に話し込んで共有する必要があります。また、人事待遇面では身体を張って我が事以上に守り、組織においてもその立場を尊重することが大切です。そうでなければ本当の意味での参謀とはなり得ないからです。

  あなたが部長であっても課長であっても、自身が誰かの参謀であると同時に自分の参謀となる存在を考えてみると良いでしょう。

  


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