フォーメーション(編隊飛行)男の花道
ブルーインパルスに興味のある方が多いので、今回はフォーメーションについて記載をしてみました。
民間では、ほとんどやることのないフォーメーションですが、航空自衛隊では学生訓練を開始して一機種目から訓練が開始されます。
もう随分昔の話でありますが、初めてフォーメーションで飛んだ時の感想・・・。
こんなもん出来るわけないじゃん!というのが本音です・・・。
ブルーインパルスの編隊飛行の凄さは、訓練生でやるようになってから、元々持っていたイメージから更に遠く感じる存在になります。
一番最初にやるのは、水平直線飛行で、ウイングマン(僚機)をやるのですが、全く一カ所に留まる事ができません。
自分が動いているというよりは、リーダー機が動いているようにしか思えないのです。
通常、飛行機は身近な対象物が無く飛んでいるので分かりませんが、リーダー機がいると飛んでいる速度を体感する事が出来ます。
ブルーなどでもそうですが、まず数機編隊でランウェイ直上を飛んでから、1機ずつブレイクしてダウンウインドに入りランディングしますが、そのランウェイの直上を「男の花道」という教官がいて、そこだけでは死ぬ気でリーダー機につけ! 下で見ている人たちに夢を壊すような恥ずかしい姿は見せるな!と怒鳴られたものです。
リファレンスポイントという、リーダー機の見え方の参照点があってそこからずれると修正するというような感じでフライトします。
慣れてくると、今はビッタシ止まっているが、次の瞬間どうなっていくのかというのが分かるようになってくるとフォーメーションは面白くなってきます。
たとえば上昇中は、リーダー機から遅れると再度近づくのには、時間がかかるので遅れないように前のめり気味で修正するとか、降下中は、前のめりになるとパワーを絞ってもなかなか後ろに下がれないから、遅れ気味から修正するとか、いろいろとあるわけです。
リーダー機をみて今の状況を判断し、より修正しやすい方にずれる様、機体をコントロールするには、ひたすら地上でイメージフライトを繰り返し、体にしみ込ませる事で誤差を減らす事ができ、最終的にはずれる前に分かるようになり、小さな修正でリーダー機につけるようになっていくのです。
そういったことを日常的に戦闘機などで繰り返ししていても、ブルーに行ったメンバーに言わせると、最初は近すぎるし空中集合などの接近レートが速いのでビビるらしいですよ。