1 ユクルース共和国の歴史



 ユクルース諸島。


 暗黒大陸の西南方面に位置する諸島国家。


 一番大きなユクルース本島は、三つの国家が存在する。


 本島の大部分は、ユクルース共和国が治める。
 北部には、ベラガイロスが存在する。
 東部には、ガイロス領土が存在する。

 また、南東側には未承認国家である沿エラストリア共和国が位置する。


 このように、三方をガイロス帝国勢力に囲まれた、ユクルース共和国であるが。

 この国は幾度となく、独立戦争による戦火に巻き込まれた。


 ヘリック共和国とゼネバス帝国が火花を散らした、中央大陸戦争。

 ヘリック共和国とガイロス大陸帝国による、第二次大陸間戦争。


 両大戦が、最もユクルース諸島が戦争に巻き込まれた時期である。


 また、西方大陸戦争期・暗黒大陸戦争期に際して、ガイロス帝国から完全独立を果たした。


 ようやく、独立を果たした、ユクルース共和国だったが。

 国内に保有する、旧暗黒大陸帝国ゾイドの扱いを巡って、ガイロス帝国と交渉が行われた。


 これは、ギルベイダーなどを地球の歴史上で言う、核兵器として扱ったためである。

 そのため、ヘリック共和国・ガイロス帝国による平和決議が行われた。

 結果、強力な旧暗黒ゾイドは、ガイロス帝国が解体接収する事となった。


 保有するゾイドの大半は、中央大陸戦争期から西方大陸戦記までに稼働した、帝国軍ゾイドだ。

 つまり、旧ゼネバス時代の物から、暗黒軍・ガイロス帝国軍が運用するゾイドが殆どである。


 ZAC2114年。


 ユクルース本島で、旧ガイロス系住民とユクルース系住民の間で内乱が勃発した。

 ユクルース島は、ヘリック共和国・ガイロス帝国による両陣営のどちらに回るかで揉めていた。


 この時、ユクルース系至上主義を掲げる極右政権が誕生した。

 そのため、ガイロス系勢力は東部で反乱を起こした。


 さらに、ガイロス帝国はガイロス系住民を保護する名目で、ヘイダルム半島を制圧した。


 しかし、戦闘は止まず、両国による民兵や極右勢力による衝突は現在も繰り返されている。

 この戦闘には、双方とも各地から義勇兵が集まっている。


 以上は、戦場ジャーナリスト、タナカ・ススムによる記録である。



 タナカ・ススム。


 東方大陸出身のフリージャーナリスト。