続・競馬シーン2000 | 競馬ロマン主義

続・競馬シーン2000

世紀末有馬記念の激闘

2000年度は、ギヤテク・ホースレーシングチームにとって、躍進の一年となった。ノーザンライアンが安田記念、ギヤタロウが宝塚記念で、チーム初勝利を挙げた他、クラシックロードも大いに賑わせたのだ。

中心となったのは、前年の朝日杯3歳ステークスで、チーム初勝利を挙げた3歳チャンプ・スーパーノヴァ(父ダンシングブレーヴ・母ハクバビーナス)だった。当然、期待は高かったが、想像以上の強さを発揮し、なんと、一気にクラシック3冠を達成してしまう。菊花賞の前に、古馬混じりの京都大賞典で2着に敗れただけの、11戦10勝での快挙だった。ジャパンカップでは6着に敗れてしまうが、それでも堂々有馬記念に駒を進めた。

一方、牝馬路線では、前年の阪神3歳牝馬ステークスで、チーム初のGI勝利を成し遂げた3歳女王・アンジェリーク(父シンボリルドルフ・母マリータ)が、期待に応えて桜花賞を快勝し、チーム初のクラシック制覇をも達成。どちらもスーパーノヴァにわずか一週先駆けたことになる。

オークスでは同門のライバル・プリンセスミネルバの大駆けに遭い、3着に敗れたが、チームとしてはこの年のクラシック5冠完全制覇を成し遂げたのだった。プリンセスミネルバはオークスTRとオークスで異常な強さを発揮した後、突如終わってしまったが、アンジェリークは秋のエリザベス女王杯でも奮戦。オークス2着の宿敵・メイジブラボーとの壮烈な叩き合いの末、惜しくも敗れた。それでもアンジェリークには声が掛かって、有馬記念参戦決定。

「世紀末超新星」スーパーノヴァと、「永遠の美少女戦士」アンジェリーク。主役の二頭はいつしかそう呼ばれていた。

この二頭が、20世紀最後の有馬記念を飾るに相応しい好勝負を演じる。

見せ場は、最後の直線でやってきた。堂々先頭、勝利目前の3冠馬・スーパーノヴァが、中山の坂にさしかかった辺りだった。ここで、小柄な体に似合わぬパワーを秘めた「永遠の美少女戦士」アンジェリークが、猛然とノヴァとの差を詰めにかかったのだ。マイラーと思われていた牝馬の猛追に、ワーッとスタンドが湧く。しかし、ノヴァは3冠馬の意地で抜かさず、先頭でゴール。だが、アンジェリークは半身差まで追い詰めていた。チーム有馬初勝利・春秋グランプリ制覇、しかも、今年のクラシックロードを引っ張ってきた主役の二頭、フレッシュなワン・ツーフィニッシュだった。


現実の競馬の2000年度も、テイエムオペラオーの古馬中長距離年度五冠に湧いた劇的な有馬記念だったが、自分がウイニングポストで観た世紀末有馬記念も、それに劣らぬドラマッチックなレースとして、記憶の中に残っている。