「愛してるなんていうわけないだろ」

 

とても衝撃的な本のタイトル。角田光代さんの初エッセイ集である。

初エッセイ集のタイトルで、このインパクトはすごい。

ちなみに作中には、エッセイ「愛してる、なんてゆうわけねえだろ」が収録されている。

 

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角田光代さんはとても有名な作家だし、ずいぶん昔から知っているのだけど、そこまで作品を読んだことはなかった。

初めて読んだ本は「くまちゃん」だった。ふられ小説の金字塔だ。まさにその作品をふられたばかりの僕が読んでしまったのだから、そのあとはご想像にお任せします。結局そこから小説の面白さにグイグイと飲み込まれ、今となってはすっかり本の虫なのであります。

 

タイトルに「愛」とあることから分かるように、このエッセイ集には恋の話が多数収録されている。角田光代さんのエッセイを読んだのはこれが初めてだったのですが、ここまで恋の人だとは正直思っていなかった。もうガッツリ恋愛家なんです。しかも気持ちいいタイプの恋愛家だ。ドロドロした恋や危ない恋よりも、きちんと大人の恋の中にいて、ああちゃんと相手のことを尊重している恋なのだなと分かる。ジメジメしていないカラっと晴れている雲ひとつない真っ青な恋模様なのである。だから読んでいてもとても気持ちいい。

 

とにかく恋愛に悩んでいる老若男女に読んでほしい。

読むのだっ!!

 

小さきものに幸せは宿る。

その小さい幸せに気づけるようにぶっ飛ばしていきたい。