次の日、tクラブへオーディションの結果を伝えに行った。
受付嬢は、どうでしたか昨日のオーディションと聞いた。
俺は、いやあたくさん飲んだよ、と言った。
そのときの受付嬢の言葉に詰まった様子を、俺は今でも忘れない。
受付嬢は2人目のオーディションをいつにしましょうか、と言おうとした。
俺は受付嬢の言葉を遮った。
いや、もういいんだ、と俺は言った。
俺は川村に決めさせてもらうと言った。
もう一人に会うなんて、考えられなかった。
会ったとしてもリューベンみたいな美少年でも嫌味だし
コージーパウエルみたいなハード&ルーズな奴が来てもいやだし
加藤茶みたいな面白い男だったりしたら、ギャグバンド路線に行きそうで怖かった。
とにかく、川村に決めさせていただきます、とだけ言った。
それぐらいの理由があった。
そのほとんどは、演奏よりも飲み会にあったと思う。
それ以来、ギブアップのドラマーは川村である。
川村様、末永いお付き合いをお願い申し上げます。