こんばんは。
相倉久人さんの「されどスウィング」(青土社、2015年)を読了しました。
本書は著者の自選集ということで、「たかが0秒1、されど0秒1」という論考以外は、過去に発表されたものが収録されています。
本書のあとがきは、著者の相倉さんがお亡くなりになられる一月前の2015年6月に記されていて、その末文は、本書を機会にさらなる「出発」を迎えることができればという一文。
これからもますますご活躍いただきたかったなという思いで、本書を読み終えました。
本書は、ジャズに関する話だけではなく、80年代アイドルに関する話(「80年代アイドル像 操り人形からの脱皮」)、はっぴいえんど、サディスティック・ミカ・バンドやサザンオールスターズ等に関する人物論の話もあり、わが国の戦後音楽についてまさに現場での体験等をもとに生々しくかつ理論的に、そして分かりやすく解説されていました。大変面白かったです。
特に、音楽とは、演奏者だけのものでなく、オーディエンスとの共振関係の「場」によって成り立つものであるという著者の理論に首肯しました。
ともすれば忘れがちになってしまいますが、たしかに音楽は演者と聴き手とのコミュニケーション(伝え合い)で成り立つものですよね。ライヴにおいて、ミュージシャンのパフォーマンスをうまく引き出せるかどうか、聴き手は重要な役割を担っていることに本書を読んで改めて気づくことが出来ました。
先日読んだ「新書で入門 ジャズの歴史」同様、相倉さんの文章は非常に分かりやすく、グイグイと引き寄せられる様に読むことが出来ました。
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