今月の前菜は2品、まずは、イタリア好きにはキュンとくるイタリア野菜「プンタレッラ」を使って「プンタレッラのローマ風サラダ」。

(イタリアでは「プンタレッレ」と複数形で呼ぶの普通です。でも、少しでもわかりやすくするために便宜上「プンタレッラ」としておきますね)

洋梨を加えたのはオリジナルですが、アンチョビ、にんにく、ワインヴィネガーとオリーブオイルの伝統のドレッシングで、シャキシャキした特有の食感、たっぷり水にさらしてもまだ残るほのかな苦味、他にないおいしさ、生徒の皆さんにも一度食べさせてあげたかった。

サラダにするのはこの新芽の部分だけなのですが…外葉もイタリアでは生でも食べるとイタリア人から聞きました(笑)。写真のプンタレッラはイタリアからの空輸です。

 

国産のプンタレッラも立派に育って、歯ごたえはとても良い感じ。土壌が違うせいなのかな、香りが少し弱いのが残念だけど、比較したりしなければ充分おいしい。

 

ペティナイフで細く割くのは大変なので、ささがきゴボウの要領で、ピーラーを使って薄く削って。

外葉の部分(奥のボウル)はさっと茹でてから炒めて食べるのがイタリアの定番ですが、何度もお水を換えてアク抜きしてから、茹でずに炒めてもおいしかったですよ。

 

私はこれまでにんにくだけで炒めていたけど、イタリア野菜の輸入元M社のロベルトさん経由で、カフェパスクッチのシェフのマッテオさんが「プンタレッラの外葉を玉ねぎ&アンチョビと合わせて炒めて出している」と伺って、レッスンでもそんな風にしてセコンドに添えて外葉もお出ししてみました。

 

玉ねぎを一緒に炒めると苦味が緩和されて一層いい感じ。

 

今年のナターレのテーブルは珍しく、ピンクがテーマカラーでした。
 
 

 

で、こんな風に盛り付けても?のご提案、「スモークサーモンと洋梨のカルパッチョ」、洋梨とスモークサーモンって、メロンと生ハムに勝るとも劣らない組み合わせですよね?

 

組み合わせのご紹介だけではなんなので、本来はこのままオリーブオイルとレモンだけでもおいしいけれど、ハニーマスタードドレッシングもリピートで紹介しました。

 

オリーブオイルを増やして塩味を加減すれば、葉野菜のドレッシングにも使って頂けます。

 

 

ナターレのための「ソレント風ニョッキ」、ほうれん草を加えたGnocchi verdeでクリスマスカラーに仕上げてみました。

 

トッピングにモッツァレッラだけではなく、マスカルポーネを散らしたのも小さなポイントで、サルサ・ディ・ポモドーロだけではなく、サルサ・ローザも楽しめて、飽きずに召し上がって頂けるか、と。

 

 

今週はぐっと冷え込んできましたが、先週は日中温かい日が多く、窓を開けたまま、換気に気をつけてレッスンを進められてよかった…

 

 

そして、セコンドは、「牛頬のブラザータ」、久しぶりに頬肉を煮込みました。

通称「芝浦の牛頬」なる国産正牛のほっぺ、最初からこれが届いていたら、これ1本で作ったのですが〜(苦笑)

 

 

普通の国産牛頬はちょっと匂いが気になってしまい…子牛ほっぺ↑も、煮込んでみました。

結果としては、生徒の皆さんに前半は三種(芝浦、国産、子牛)、後半も二種(芝浦、子牛)食べ比べを楽しんで頂けて、それはそれでよかったのですが、盛り付けの手間がかかってちょっとバタバタしましたね〜。

レッスン用の牛頬はフードライナーさんのマグナムボトルの赤(右)+マルサーラ(中)で煮込みました。試作は日欧商事さんのデイリーワイン&マルサーラで。

 

 

前のポストのようにエレガントに仕上げるつもりだったけど、野菜をいろいろ食べてもらったほうが…と。「ホワイトポレンタ」だけではなく、「人参のマルサーラ煮」&「プンタレッラのアンチョビ炒め」も添えて。

プンタレッラはローマ近郊の野菜だけれど、アンチョビを使うことでピエモンテとうまく繋がったなぁ、と思います。ソースにマルサーラを使っていますので、ほんのり甘酸っぱく煮上げた人参はもちろん相性がよく。

先月の基礎科で久しぶりに「トルタ・アル・チョコラータ」を焼いて、「すごく美味しいなぁ」って我ながらしみじみ思って…。

恩師である洋菓子研究家加藤千恵先生のスペシャリテ「スフレ・オゥ・ショコラ」もほろ苦くて美味しいのですが、私の仕入れではカカオマスはブランドを選べないため、やっぱりヴァローナのクーベルチュールをたっぷり入れた配合の「トルタ・アル・チョコラータ(完全におフランスよりの配合なので「ガトー・ショコラ」というべきか…)」は格別です。

研究科では、カラクとカライブをブレンドして、そして、よりしっとり焼き上がるように少し焼き方も工夫してみました。

 

ご試食は、いつもの乳脂肪分35%のシャンティ用生クリーム@タカナシ乳業をホィップして、食後の口がさっぱりするよう生のアセロラを散らしてビタミン補給も考えてサービスしました。

 

今年もまた、皆さんと無事にナターレの(テーブルならぬ)カウンターを囲めてよかった。

 

いずこも忙しい師走と思いますが、家に招かれて(=教室でのレッスンだけど、そう思ってもらいたい、くつろいで頂きたい、と考えて、設えを整えて毎月お迎えしています)、おいしい温かい食事をとるとホッとしますよね。

 

少しボリュームある献立でしたが、それでも、あるクラスで生徒さんが、「先生のお食事は、頂いていて罪悪感がないのがいいですよね」と仰ってくださって…総カロリーがとんでもないことにならないようニョッキを少し控えたのですが、今年も皆さんの心と身体の健康のことを一番大事に考えて、丁寧に料理してきた甲斐がありました。

 

まだ暫くコロナ禍は続きそうだけど、とりあえず、今年も皆さん揃って元気で一年を過ごせて本当によかったなぁ、と思います。

 

 

 

と、早々に2021年を締めくくってしまったようだけど(笑)、今週末は「基礎科のナターレのレッスン」、ご参加のかたはどうぞお楽しみになさってください。

18日(土)は満席ですが、19日(日)11時半〜に一名様ぶん、また追加で決定した19日(日)17時〜にはお席の余裕がございます。