三頭山(みとうざん)は、東京都の西の端、山梨県との境にある。奥多摩湖南岸では最高峰の 1531メートル(どうして↓写真の標高と違うのかは、あとで分かります)。奥多摩の山々の基盤をなす白亜紀層に、地底からマグマが陥入して花崗岩になり、周囲より硬い花崗岩体が浸食に堪えて高い峰として残った。だから、奥多摩~秩父の山地でここだけが花崗岩だ。
しかし、この山の東京都側は「都民の森」という公園になって整備されているので、山屋さんからは嫌われる傾向にある。ホンモノの自然じゃない、というわけだ。私もこれまで、山旅の出発点、帰着点としてはよく利用したが、三頭山そのものは、「3つの峰」に登頂もしないで巻き路を通過してしまうのがつねだった。
さいきんの奈良・大阪の溜め池探索で右脚の筋肉痛が治らない。いい機会なので、足慣らし(リハビリ?)に三頭山へ‥「都民の森」からまったりと登ってみることにした。
当初の予定では、三頭山の3つのピークをハントした後、笹尾根縦走路へ向かうつもりだったのだが、日和って、「ハチサス沢の頭」から都民の森駐車場へ戻ってしまった。その結果、YAMAP推奨の「都民の森周回コース」とぴったり一致してしまった。景品でも出るのかと思ったら、それはなかった←
シルエットは行程の標高(左の目盛り)。折れ線は歩行ペース(右の目盛り)。標準の速さを 100% として、区間平均速度で表している。横軸は、歩行距離。
↓都民の森駐車場から出発。晴れて、ほどほどに雲があって、きょうはそんなに暑くはならなさそうだ。
いっしょに歩いている人たちは、なぜかみな「三頭大滝」のほうへ岐れて行く。滝はもう何度も見たからいい。ひたすらまっすぐに昇る。
↑「木材工芸センター」。DIYの体験施設。右へ行くと「炭焼き小屋」。全部無視して、まっすぐに昇る。
↓「鞘口(さやぐち)峠」1142m。ここで尾根に出る。
↑こちらへ行くと、月夜野山、小河内峠をへて御前山。きょうは逆のほうへ行く。
↓「見晴らし小屋」に到着。峠から、まだ 150mくらいしか登ってない。山頂はまだ先だ。
↓「見晴らし小屋」からの展望。この谷間は、「都民の森」まで遡行してきた「南秋川」ではなく、「北秋川」だという意外。
↑左につづく尾根も、大岳山と馬頭刈(まずかり)尾根。たしかに、大岳山の「ひょうたん島」形も、端っこに2つ並んだ馬頭刈山もまちがえない。見おぼえのある形だ。
↓コミネカエデ。葉の切れ込みの形に特徴がある。ミネカエデと似ているが、中央の葉先が尾状に長いのがコミネカエデ。
高いのは「ハリモミ」。下の灌木は「ホツツジ」というそうだ↓。遅咲きのツツジで夏じゅう咲いているが、この花は有毒。
小さなピークを巻いたり昇ったりして、少しずつ高度を上げていく。リョウブ、クリ、ミズナラ、ハリモミ、アセビ、コハウチワカエデ。↓岩は花崗岩のようだ。きれいな四角い形をしている。板状節理?
高山帯の指標樹ダケカンバが出てきた。ずっと森の中。ちらほらと、太めのブナが目立ってくる。
三頭山はその名のとおり、3つの峰からなっている。東峰・中央峰・西峰。いつもはいちいち登らずに巻いてしまうのだが、きょうは全部登る。
「東峰」1527.5m に到着↓。
「中央峰」1531m には、あっというまに到着↓。ここが最高点。
「西峰」へは、いったんタワに下りてから登り返す。
「西峰」1324.5m↓。台形のコンクリート製山名標(↑一番上の写真)は、ここにある。各方面からの登山路が、ここで出会う。しかし、この山頂はだだっぴろくて、つまらない(狭いほうだけ撮した)。
↓「西峰」からの展望。樹木の左右に高い山があるが、左が雲取山 2017m で、右が鷹ノ巣山 1737m。雲取は、頭を雲に突っ込んでいるので高さが分かる。
タイムレコード 20220725 [無印は気圧高度]
「都民の森」駐車場[1000m]925 - 940「はりもみの路」分岐[1115m]958 - 1000鞘口峠[1142m GPS1147m]1054 - 1133「見晴小屋」[1397m]1207 - 1246「三頭山・東峰」[1527.5m]1255 - 1257「中央峰」[1531m]1315 - 1320「西峰」[1524.5m]1328 - (2)につづく。