おととし道すがらに登拝して以来、すっかり御加護をうけてしまった高山(たかやま)不動尊だが、半年以上ご無沙汰していた。そこで、朝出て軍荼利明王(ぐんだり・みょうおう)にごあいさつした後、そのまま尾根縦走で越上山(おがみやま)に上がり、→日和田山→高麗駅まで辿るコースを計画してみた。
YAMAPで標準タイムを見ると 9時間を超える。私の鈍足では、とても日帰りは無理と踏んだので、2回に分けることにした。今回は前半。越上山の先あたりで、いったん降りる計画だ。
西半分コースの前半
↓不動尊から顔振(かあぶり)峠までは標準の歩速を超えているが、そのあと、はじめての山路に入ると、案のじょう鈍足になった。まあいい、こんな低山でしゃかり気になってもしかたがない。アミノ・サプリを買うひまがなかったので、無理は禁物。
シルエットは行程の標高(左の目盛り)。折れ線は歩行ペース(右の目盛り)。標準の速さを 100% として、区間平均速度で表している。横軸は、歩行距離。
「西吾野」駅から、いつものルートで不動尊に向かう。2時間ほどの山路だが、これがいちばん早く不動尊に着くルート。不便なのがいい。物見遊山の参拝客でごったがえす観光寺社は、まっぴら御免だ。
「間野」集落↓。まだ日が低く、人通りがない。
「間野」登山口↓。集落を突き抜けたはずれにある。道標が整備されているのに、迷いやすい。今度も、ここに達するまでに、違う方向に昇って行こうとして1回引き返した。もう慣れた道なのに、ここだけは毎回迷う。石垣が目印だ。
コースは大部分が杉・ヒノキの植林だが、↓ところどころで自然林を通り抜ける。コナラ、ホオノキ、ハリギリ、常緑はアセビ。典型的な奥武蔵の雑木林だ。雑木林の中をぐんぐん上がる。
↓「石地蔵」。「パノラマコース」と合流する。初めてここを通った時のことが思い出される。こんなに目立つモニュメントを見過ごして通り過ぎたのだ。小雨が降って暗かったのはたしかだが。今考えても、どうして見過ごしたのかわからない。
540メートル付近↓。西側が切れ落ちて、「グリーンライン」・ブナ峠方面の尾根が見える。
↓600メートル付近。この辺がルートの最高点。この岩場を越えると、下り坂になる。
高山不動尊・「大銀杏の段」↓。ここには早咲きの桜がある。もう満開に近い。まだ日が上がってないから、写真の撮りは悪い。
↓下の段には、もう少し白っぽい桜がある。遠景の山並みは奥多摩の都県境尾根。
不動堂↓。この石段が、なかなかいい。石が、すっかり摺り減って崩れて、岩登り斜面のようになっている。コンクリートで固めて、ステンレスの手すりも付いているから安全だ。ぐいぐいと攀じ登ってお参りするのは、山の不動尊ならではだ。
「不動堂」から上がってゆく車道の道すがら、都県境尾根方面↓。残雪に胸がうずく。ここからが、いちばんよく見える。「奥の院」の「関八州見晴台」よりも、ここのほうが展望が良い。
中央やや左に尖がっているのが「蕎麦粒山 1473m」。その右のギザギザが「三ツドッケ 1576m」。手前右に「伊豆が岳 851m」。
「鳥居址」↓。不動尊の入り口の鳥居が、昔はあったのだろう。いまは、燈籠が残っている。ここからは、「関八州見晴台」へ上がるのは省略して‥‥もう何度も行った‥‥グリーンラインを「花立松ノ峠」に向かう。
道路ぎわに露頭がある。いままで見過ごしていたが、地層がきれいに波打っている。「褶曲」だろうか。ふつう「褶曲」とは、地底深くで、横方向からの圧力を受けて岩石の層が曲がってしまう現象だが、これは成因が違うかもしれない。海底で、半分固まった状態の砂岩泥岩互層が、地滑りを起こして、波打った状態で固まってしまう現象。「スランプ褶曲」「横臥褶曲」というそうだ。
上の写真の右隣り。こちらのほうが、岩相の湾曲のさまが、よくわかる。断面では見えていなかった・立体的な「褶曲」のようすがわかる。
↓「花立松ノ峠」に下りる。「グリーンライン」は車道だが、きょうは自動車もオートバイもまったく見かけなかった。ロードバイクとランナーとハイカーしかいない。
↓「グリーンライン」と別れて、しばらく山路を行く。「グリーンライン」も並行して走っているのだが、やっぱり山みちのほうが気持ちがいい。
↓「傘杉峠」。ハイキングコースと車道が並行している。くたびれたので、車道のほうを歩いてしまう。
後ろを振り返る↓。まんまるいピークが「関八州見晴台 771m」のようだ。
このへんでも、もう満開だ。
↓「顔振(かあぶり)峠」に到着。GPS高度 517メートル。なんで「かあぶり」なんだ。「かおふり」なら「コーブリ」じゃないか。茶屋がごちゃごちゃあるし、ここだけ人が集まってるし、早く通り過ぎるに限る。
↓「越上山」へ行くには、ここで「グリーンライン」と別れて山路をゆく。
タイムレコード 20220325 [無印は気圧高度]
「西吾野」駅750 [250m] - 845石地蔵[GPS526m]847 - 910高山不動尊・大銀杏の段[GPS576m]920 - 923不動堂[GPS587m]953 - 1006鳥居址[GPS658m]1008 - 1027花立松ノ峠[GPS632m]1030 - 1114傘杉峠[GPS564m]1116 - 1150顔振峠[GPS517m] - 1200車道岐れ[GPS496m]1202 - (2)につづく。
Wilhelm Gloeden