小説・詩ランキング

ミコーラ・イヴァシューク 「キエフに入城するコサック首領ボフダン・フメリニツキー」
 

 

 

 

ウクライナ国民、草の根抵抗

空爆目印除去、軍に食料―

「街にとどまる」決意固く

 

『ロシア軍のウクライナ全面侵攻から5日目を迎えた28日、各地で戦闘が繰り広げられる中、市民による抵抗が続いている。「軍を支援する」「街にとどまる」。メッセンジャーアプリを通じて取材に応じた市民らは、ウクライナ軍に食料を提供し、ロシアの工作員が付けたとみられる空爆目印の消去作業に奔走していると明かした。

 中部ドニプロ近郊に住む女性(18)は……「見知らぬ人がうろついて、空襲を誘導するための印を道路や建物の屋根に付けている。それを私たちが探し出して消しているの」と言う。

 現地発のSNS上には、市民がロシア軍の戦車の行く手を阻んで後退させたり、トラクターで戦車を持ち去ったりして抵抗する動画が多数公開されている。フセヴォロドさんは「生まれ故郷のオデッサがウクライナのものである限り、出て行くつもりはない」と決意を示した。』

 

「タラス・ブーリバ」 1962年アメリカ映画

 

 

 

 

 

 ウクライナ国民の先頭に立って戦うゼレンスキー大統領が、世界の注目を集めています。避難を勧めるアメリカの申し出を一蹴して、首都にとどまり、国民に小銃を配布し、火炎瓶の製作を奨めて抵抗を呼びかけています。プーチンの目標は、現政権を倒してウクライナを属国化することにあり、ゼレンスキー殺害ないし除去が首都侵攻の最大目的であることは、いまや誰の目にも明らかになりました。

 火炎瓶で戦争に勝てるのか? 竹やり戦法だ――などと言う人は、市民的抵抗というものを知らない人です。

 インドネシアは、英蘭連合軍と竹やりで戦って独立しました。どんなに破壊力のある武器を持った地上軍も、弾薬が切れればお手上げです。ロシア軍の弾薬庫ないし弾薬置き場に火炎瓶が1個でも落ちれば、弾薬が連鎖爆発して無に帰します。ドローンで落とせば、命中率も高くなります。

 

『「私に必要なのは、逃げる手段(ride)ではなく、弾薬(ammunition)だ」

 米国の逃避先提供の提案を蹴ったウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領(44)はこのように答えたと在英ウクライナ大使館が26日(現地時間)、伝えた。

 コメディアン出身の新米政治家扱いされたゼレンスキー大統領がロシアの侵攻に対抗して国民を結集する指導者として生まれ変わったところを示す象徴的な場面だ。

 ゼレンスキー大統領は26日夕方、SNSに投稿した映像で「我々の結束と勇気がロシアの占領シナリオを破った。世界はウクライナ人の強い姿と勇気を見た」と話した。

 すでに戦争危機が高まっていた今年初めでさえ、ゼレンスキー大統領は未熟なリーダーシップで国内外の批判を受けていた。ロシアはゼレンスキー大統領を公式の交渉相手としても認めず、自国の安全保障がかかった西側諸国とロシアの談判を見守ることしかできない境遇だった。

 だが、ロシアの侵攻後にゼレンスキー大統領が見せた姿は違った。ゼレンスキー大統領が率いるウクライナの激しい抵抗を見た米国と西側諸国が武器や資金などを支援し始めた。殺傷武器は提供しないと言っていたドイツも、この日立場を変えて地対空ミサイルや対戦車ロケット発射機などを供給することにした。ロシアと協力関係にある主要産油国アゼルバイジャンも石油支援を約束した。

 ロシアの除去ターゲットの筆頭に挙げられているゼレンスキー大統領は身を避けるどころかキエフ中心で自分撮り写真を撮影してSNSに投稿している。ゼレンスキー大統領の戦闘意識の鼓吹にウクライナ国民も呼応している。ウクライナ軍当局は26日夜、「3万7000人余りが防衛軍に志願した」と発表した。

 

 2019年大統領選挙でゼレンスキー大統領に敗れたペトロ・ポロシェンコ前大統領も予備軍に志願して小銃を手に取った。国防省が25日、「火炎瓶を作って助けてほしい」と呼びかけると、国民は火炎瓶を作ってSNSに認証ショットを投稿している。』

 

アレクサンドル・ブブノフ 「タラス・ブーリバ」

 

 

 

 

『ロシア軍は、ウクライナの市民が住む都市に短距離弾道ミサイル、空対空ミサイル、巡航ミサイルを撃ち込んでいるのだ。これらのミサイルは、精密誘導兵器である。狙ったところにミサイルは飛んで行く。つまり、ロシア軍は市民が住む地域を狙っているということだ。市民を狙う攻撃は、国際法上、許されることではない。

 

 ウクライナ軍は、予想に反して、東部戦線からの戦車軍団の攻撃を止めて善戦している。善戦できているのはウクライナが正義の戦いであること、国土防衛戦であるからだが、そのほかにも、ウクライナ軍の防御戦法およびロシアの軍・国内の事情があるように思われる。

 侵攻開始前にNATO(北大西洋条約機構)が供与した約3000基以上の対戦車ミサイル(ジャベリン)が効果を発揮しているのかもしれない。

 ロシア軍の戦車の射程は、最新型であっても約2000メートルだ。これに対し、ウクライナ軍の対戦車ミサイルは射程が3000~5000メートルある。大平原で、戦車と対戦車ミサイルが戦闘すれば、対戦車ミサイルが戦車を撃破できる。ロシアの戦車は、数発命中させれば、停止させることができる。NATOがこれから優先して供与するのは、このミサイルだ。市街地を守る兵や予備役兵には、この兵器が必要だ。

 対戦車ミサイルで戦車を完全には破壊できないが、ミサイルが戦車に命中すると、熱で溶けたドロドロの鉄が、戦車の装甲を突き抜け、戦車内部を破壊し、戦車兵を殺傷する。

 ロシア軍は、ウクライナ軍の防空網を破壊したと発表した。だが、ロシアの空挺作戦に使用した「IL-76」輸送機が撃墜されたという情報もある。現実に、ロシア空軍の戦闘機はウクライナ上空をあまり飛行していない。ウクライナ軍の防空戦闘が効果を発揮していると考えられる。そのうち最も効果的なのが、携帯用の地対空ミサイルのようだ。  この兵器は、兵士が肩に担ぎ、ロシア軍の戦闘機に狙いを定めて発射するものだ。

 ミサイル自らが、目標に向かって飛翔し命中するのである。中東では、テロリストが、攻撃してくる戦闘機に対して反撃し、かなりの成果を上げている。  このミサイルは、高度約1000メートル、射程4~6キロまでの戦闘機に命中させることができる。NATOが供与すべきなのは、このミサイルだ。』

 

 

 

 

 

 よかったらギトンのブログへ⇒:
ギトンのあ~いえばこーゆー記

 こちらは自撮り写真帖⇒:
ギトンの Galerie de Tableau

 

 

        ユゼフ・ブラント 「コサックの婚礼」