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二子山・武川岳

 

 

 奥武蔵の二子山~武川岳(たけがわだけ)縦走路を、連休の2日に分けて連チャンで歩いてみた。幸いの晴天に恵まれたが、山の上はもう寒かった。

 

 奥武蔵というと低山の遠足のイメージで、秩父、奥多摩に気をとられて、今まであまり行ったことがなかった。しかし、低いわりに稜線は岩がちで、手応え十分なコースだ。

 

 1日目の出発点は、西武線・芦ヶ久保駅。標高310メートル。奥多摩と比べて、麓の標高も低い。

 

 

 

 

 駅前の山がすでに紅葉の盛りを過ぎている↓。このぶんでは、稜線は枯れ木のにぎわいかもしれんな。。。

 

 

 

 

 二子山の登路は2本あるが、沢路のほうを行く。
 

 


 

 

 

 杉林の中を、沢すじに沿って上がってゆく。落ち葉を見ると、クリ、コナラ、ホオノキ、ハリギリなど。植林帯を雑木林が囲んでいる。

 

 

 

 

 イロハカエデ樹も散在。デジカメで撮すと、眼で見た色と違うのが残念だ。

 

 

 

 

 ↓赤いのがイロハカエデ、黄色いのがイタヤカエデ、台の大きい葉はホオノキ。朴葉(ほおば)は、ほんとうにでかい。

 

 ざつに「イロハカエデ」と言ったが、種名はよく知らない。地方ごとにたくさんの種に分かれているらしい。この手の微妙な種名の同定なんて、私はお手上げだ。

 

 

 

 

 ↓イタヤカエデ。葉のふちにギザギザがない(「全縁」という)のが特徴。このへんのイタヤカエデは、葉が小さめで、葉柄に近いほうが平らな形をしている。「エンコウカエデ」と云う。関東から甲斐にかけて、イタヤカエデはみなエンコウカエデだ。
 

 


 

 

 全縁のエンコウカエデ。

 

 左上と右の枯れ葉はコナラ。鋸歯をよく見ると、波打ちの形が特徴的だ。鋸歯の深さよりも、波の形に注目すると、ミズナラ、クリとの区別がしやすい。

 

 

 

 

 尾根に出た。カラマツはもう落葉しきっている。
 

 


 

 

 ↓雌岳 882.7m に到着。ここで、尾根筋の登路と合流する。

 

 

 

 

 いったん岩場を降りてから、雄岳へ登り返す。

 

 トレイランの団体と遭遇。⇒:『FTR秩父&奥武蔵25K』FunTrails Round 秩父&奥武蔵 2020/11/22 ⇒:参加記録。マナーはお手本にしたいほど良い人たちなのだが、なにせ人数が多い。会話のはしばしを聞いたところでは、数百名の参加があり、チームに分けて、1時間ごと(?)にスタートしているらしい。 

 

 

 

 

 ↓雄岳 882.8m に到着。雌岳とはわずか10センチの違いだ。ひっきりなしにランナーが通過してゆく。


 


 

 

 雄岳から、秩父市街が見渡せる。旧・秩父橋(秩父公園橋,ハープ橋)も見える↓

 

 

 

 

 主稜を南へ向かう。↓イロハカエデ。紅葉が残っていたのは幸運だ。

 

 


 


 

 

 道幅は広いし、なんの迷惑もないのだが、“走る団体”といっしょだと、どうしても気ぜわしく感じてしまう。一日歩き通しても人っ子ひとり出会わないマイナーな山に行き馴れていると、たまには人だらけの山にも行きたくなる。だから丁度よい。しかし、気ぜわしい。

 

 


 

 

 焼山 850メートル↓。背景の山は武甲山。
 

 


 

 

 ↓武甲山。近いからよく見える。山体の北半分は、秩父セメント(現「太平洋セメント」)の石切り場。段の真ん中に穴があって、採取した石灰岩はそこから落とす。山の内部が砕石工場になっているそうだ(秩父市の「武甲山資料館」に展示がある)。ひとつの山全体が石灰岩でできているのだからすごいものだ。太平洋プレートに乗ってやってきた太古の珊瑚礁の集積だ。


 


 

 

 武甲山の奥には、秩父の峰々が広がる。左の扇形は熊倉山。右の尖った峰は両神山。画面の右外に御荷鉾山も見える。

 

 熊倉山は私のお気に入り。“見るお気に入り”だ。小学生の時から、この山の形はどこからでも見分けられた。とくに高崎線・熊谷駅付近からよく見えるが、どこの何という山なのか、誰に聞いてもわからなかった。秩父鉄道・三峰口の手前にある・この山だと知ったのは、大人になって秩父・奥多摩を歩きつくしてからのことだった。始めて登ったのは、ほんの10年ほど前のこと。奥多摩の蕎麦粒、雲取に至るコースの玄関口に位置している。
 

 


 

 

 ↓来たほうを振り返ると、二子山がよく見える。左に重なった近いほうが雄岳、遠いほうが雌岳、マイクロウェーブの塔が立っているのは甲仁田山。

 

 


 

 

 

 

【つづく】   
 

 

 

 

タイムレコード 20201122
 芦ヶ久保駅0938 - 1010二子山・雌岳1130 - 1141雄岳1200 - 1244焼山1320 - (2)に続く。