トゥヴァ共和国の草原と森林、トゥヴァの騎士
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孤独への道
世界は御身(おんみ)から剥がれ落ち、
なべての快楽は燃え尽きる、
御身の愛した歓びの数々;
その灰のなかから闇が迫る。
御身は己れに
沈みこむ、厭(いと)いつつ、
抗(あらが)いえぬ腕に押されて、
ぞっと震えながら死に絶えた世界に立ちつくす。
うしろから歔欷(すすりな)くように吹いてくる
喪(うしな)われた故郷(ふるさと)の残響、
子供たちの声、撫でるような愛の囁き。
孤独への道は険しい、
御身の知るよりも険しい、
幻想の泉さえ尽きてしまった。
されど信じよ! 御身の道行きの
最後には故郷(ふるさと)があると、
死と再生と、
墓所と永遠なる母がおわすと。
「トゥヴァ共和国」は、ロシア連邦を構成する共和国のひとつですが、モンゴル国の西の端と接しています。ここは、中央アジア草原の北の端で、草原は、シベリア・タイガと隣り合う。トルコ系・トゥヴァ族の人たちは、草原では馬・牛・羊の放牧、森ではトナカイの飼育を営んできました。(トナカイの飼育は、ここが世界の発祥地だとか…)
トゥヴァにも伝わる「喉歌」(フーメイ)は、モンゴル、アルタイ共和国など、北アジア平原では、むかしから広く行なわれたようです。
『Ödügen Taiga (母なるタイガ)』
フンフルトゥ/演奏
「フンフルトゥ(トゥバ語:Хүн Хүртү、Кунгуртуг、ロシア語:Хуун-Хуур-Ту、英: Huun-Huur-Tu)は、ロシア連邦トゥバ共和国の音楽ユニット。 トゥバの喉歌であるフーメイのさまざまなテクニックと、トゥバの民族楽器ドシプルール (撥弦楽器)、イギル (弓奏楽器)、ブザーンチゥ(四胡)、ケンギルゲ(大太鼓)、ホムスやギターなどを駆使したユニークなアンサンブルを聞かせる。
フーメイ(トゥバ語:Хөөмей、英: Khomei, Khöömei, Xöömei、ホーメイともいう): アルタイ山脈周辺の民族に伝わる喉歌のうち、トゥバ共和国における呼称。浪曲節のような喉を詰めた声の歌に伴って歌われ、その歌の装飾として用いられる。もともと声に含まれている倍音の高音部を声帯の力で意識的に強調させて口笛に似た音を出し、舌や口腔を微妙に動かして美しい倍音を紡ぎだす。非常に低い倍音を出したり、音を細かく震わしたりと、発声法が7種類以上ある。(これについては28種類という説もある。)馬や豚や蛇の皮を張ったさまざまな楽器や、口琴などと共に演奏される。」
↑視聴してみると「フーメイ」には、低音だけでなくて、小鳥のさえずりや動物の遠吠えのような高音もあるようですね。縦笛のような長い管を使っていますが、笛ではなく、人間の喉声を管に共鳴させて調音しているのではないかな? ちがうかな?
指笛で鳥の鳴き声を出している人もいます。
↓つぎは、お隣りアルタイ共和国の「喉歌」。アルタイ人もやはりトルコ系。歯でくわえて鳴らす笛のような小さな楽器がありますね。 「口琴」って、これのこと?
『弾け、弾け、アルタイ』
アルタイカイ/演奏
↓モンゴルの喉歌バンドと、バルト海沿いラトヴィアのバグパイプの共演。すごいですね。交通が発達してかんたんに行き来できるようになると、東欧とモンゴルの民謡バンドがドッキングしちゃうんですね。
『フンヌ・グレン(匈奴の帝国)』
Batzorig Vaanchig(モンゴル)/演奏,喉歌
Auli(ラトヴィア)/バグパイプ,太鼓
ラトヴィアの民族音楽グループ『アウリ』の単独の演奏↓も、聴いておきましょう。バグパイプだけでなく、バネみたいなの(口琴?)とか、いろんな楽器が出てきます。
『Janu Diena』
Auli(ラトヴィア)/演奏
書 物
凡てこの世にある書物は
おまえに幸福をもたらさぬ、
ただ秘かにそれらはおまえの
自己(うち)に帰れと指し示す。
おまえの要するすべては其処に、
日も星も月もある、
なぜならおまえが求める光
それはおまえの自己(うち)に棲む。
叡智をおまえは永く求め
書物のなかを渉猟したが、
いますべての頁が叡智を照らし出す――
なぜならそれは今おまえのものだから。
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