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多くの命を奪ってきたアラブ人とユダヤ人の対立。きっかけは、イギリスの密命を帯びた一人の情報将校の行動だった。砂漠の英雄ロレンス。百年の悲劇はここから始まった。

古来パレスチナは、アラブ人とユダヤ人が共存して暮らす場所だった。

 

そこに対立の火種を持ち込んだのは、イギリスだった。

 

両民族に独立国家建設を約束したのだ。

 

イギリスの情報将校ロレンスは、第一次世界大戦中にオスマン帝国に潜入、アラブ民族独立をあおり、オスマン帝国打倒をもちかけた。

 

しかし一方でイギリスはユダヤ人にも同じ約束をしていた。

 

百年前のひとりの英雄の裏切りから始まる、憎しみの連鎖の物語である。

【語り】

 

山根基世