女性や子どもの死者8人。ヒグマが小さな山村を襲った史上最悪の獣害は、なぜ起きたのか?凶暴な魔獣を生み出したのは人間なのか?惨劇の真相から自然との共生の道を探る。

雄大な山野の小さな家を魔獣が襲った、謎の事件。

 

大正4年、開拓の夢に生きる人々、特に女性や子どもが殺され続け、死者8人。

 

日本史上最悪の獣害と言われる「三毛別ヒグマ事件」は、事件から100年以上たっても、今なお謎が多い。

 

 

 

 

本来、人間を警戒し接触を避けるヒグマが、なぜ連日人々を襲ったのか?

なぜヒグマは多数の銃から逃げ延び、不死身ぶりを発揮したのか?

人間とヒグマは共存できるのか?

知られざる戦いの全貌を描く。

【出演】

栗山千明,

【語り】

中田譲治

 

 

 

1915年12月、北海道苫前村の開拓地に突如現れた巨大なヒグマは、一軒の民家に押し入り、阿部マユと預かり子の幹雄を惨殺。

 

村人たちは恐怖に震えながらも、ヒグマ退治に乗り出すが、冬眠しそこねて〝穴持たず〟となり凶暴化したヒグマは、悪魔のような知恵を働かせて、村人たちを次々と牙にかけていくーー。


死者8名という世界的にみてもヒグマによる食害事件としては類をみない最悪の惨劇となった「三毛別(さんけべつ)事件」の全貌を、生存者たちへの貴重な証言をもとに描き出す戦慄のノンフィクション。

 

文庫化にあたり、著者の『ヒグマそこが知りたい 理解と予防のための10章』より、著者自身のヒグマとの遭遇事件、さらに福岡大学ワンゲル部の日高山系におけるヒグマ襲撃事件、写真家・星野道夫氏の事件など別のヒグマによる食害事件を検証した二章を特別収録!