過去に関する情報が知識や正義をもたらすとしたら'未来の情報は、多くの人々をお金や権力へと駆り立てます。
霊能力者に相談する人たちは、金融市場の動向を知りたがり、富・名声・権力につながる秘密の近道を求めています。
相談を求めるのは個人だけではありません。
大企業も、どこの石油を掘ればいいのか、幹部には誰を選べばいいかと尋ねてきます。
超感覚的知覚とビジネスのつながりはますます強くなり、その頻度も高くなってきています。
多くの企業重役は、決断を下すにあたっては計算や論理のほかにかかわってくる要素があり、なかでも(直感〉は大きな重みがあると信じています。
たとえば、レンタカー会社バジェットの創設者であるウィリアム・セカーイストは'(直感)をときおりビジネスに活用していると語っています。
会社を興してまもないころ、セカーイストは山積みになった契約書類のなかで'あるレンタル契約をふと目にしました。
なにかがおかしいと感じて調べてみると'顧客の小切手の口座はすでに残高がな-'電話番号も偽りだったことが判明しました。
セカーイストは、すぐにレンタカーを回収するよう命令を下しました。
またあるとき、セカーイストは右腕として頼りに七ていた社員が'遠方の支店でちゃんと働いていないという夢を見ました。
翌日調べてみると'たしかにこの社員は前日に引っ越しをするために休みをとり'同僚が代わりにタイムカードを打っていたことがわかりました。
セカーイストの体験は一般に思われている以上にありふれたことのようです。
米ニュージャージー州のニューアーク工科大学で'ジョン・ミパルスキーとダグラス二アィ-ンの両者は七〇年代から二十年にわたって研究を行い、成功した重役クラスのビジネスマンの多くは'なんらかの形で超感覚的知覚を信じているという結論を導き出しました。
ふたりの研究者は企業に対し、人材募集に超心理学テストを取り
込むように勧めています。
また八〇年代には'複数の公的調査機関も、精力的に活動するビジネスマンは比較的すぐれた超感覚的知覚の持ち主であるか、または、信用に足る超能力者のアドバイスに耳を傾けているということを明らかにしました。