◎年金


-----次に、年金の話題に移ります。


これも日本ではかなり関心の強い問題で、二〇〇七年の選挙で与党が惨敗したのも、この問題への対処がまずかったからだと言われています。年金を管理している行政機関が'たいへんいい加減な仕事をしていたことが発覚し、国民のあいだで「年金をちゃんと受け取れるのか」という不安が爆発的に広がりました。
この間題は解決されるでしょうか。



まず、ブラジルの状況をお話ししましょう。

ブラジルはいま、三人の年金受給者のためにひとりが払っているという状態で'年金基金は数兆レアルと、たい\んな赤字になっています。


日本でも五、六年後にはさらに危機的な状態になり'問題が表面化するでしょう。


2012年までには再生のために新たな政策を立ち上げないといけなくなると思います。

-----『未来予知ノート』では、2018年2月16日に年金制度が改革れるとおっしゃっていました。
どのような改革内容になるのでしょう。


一言で言うと'必要に応じて変わる制度になるということです。


たとえばブラジルでは、これまで働いた年数に応じて年金がもらえたのですが、現在はうまく機能しなくなって受給方式が変わり、年齢に応じて年金が支給されるようになりました。


障害を持っている人も同様にもらえます。


日本の年金制度も'十分に維持可能な内容にはなっていないと思います。


労働者の支払いでまかなっていくやり方は限界に達します。


2018年までには制度が機能していないことが誰の目にも明らかになり'新たな制度を作らなければいけなくなるのです。


----それで解決はしそうですか。


いえ、解決はしません。


これは日本だけではな-ブラジルでも'そして他の国々でもそうですが'政府は年金問題に対する責任から逃れようとして'第三セクターに一任するようになります。

それでも三〇パーセントくらいの確率で持ちこたえることはできず'さらに他の制度に置き換わるでしょう。


----年金制度の破綻は今後も覚悟しないといけないんですね。


ブラジルではもうそうなっていますからね。

大半は第三セクターに委託されています。

同様に'健康保険も深刻な問題になっていて、保険料を払う人が減少する一方、医療を受ける人は多くなっている。


四十歳で健康を害して退職し、年金生活に入っている人もいます。


予算が少ないのに医療が必要な人が多くなっています。


しかも、ブラジルの政府は病院を民営化しようとしており、医療にはあまり投資をしていない。


国の制度を使って手術を受けようと思うと、半年から一年くらい待たないといけなくなっています。


病院の施設も老朽化が進んでいます。


----日本もいまのブラジルのようになるということですか。


そうです。

時間の問題です。

日本は組織化が進んでいる国ですが、世界の動向に引きずられて同じ状況になると思います。