新型インフルエンザH5N1 (岩波科学ライブラリー 139)/岡田 晴恵
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タンパク源として重要だからこそ



強毒型H5N1型鳥インフルエンザウイルスに感染した鳥では、血液、内臓、肉、卵などにもこのウイルスが大量に存在する。


感染したニワト-やアヒルなどの肉、血液などを十分加熱(中心温度がセ氏七五度程度になるような加熱)をしないで食べた場合に、経口感染した事例が報告されている。


さらに生の鶏卵を食べて感染したと疑われている例もある。


またトルコやエジプトでの調査では、鶏肉は冷蔵庫に保存しておくと、一カ月程度は感染性がほとんど低下しないと報告されている。


生肉の食材はすべて感染源になる可能性があり、十分な注意が必要である。

東南アジア諸国や中東、ア7-カでは、宗教的な理由から豚肉や牛肉を食べない人も多いが、鳥は比較的制限が少ないようである。


また、ニワト-は家庭の裏庭などで簡単に飼育でき、三カ月という短期間で食用に育つ。


さらに毎日のように卵を産む。


そのため、ニワトはタンパク源として重要な位置を占めている。


一方、冷蔵設備のなかった時代から、東南アジアなどでは、ニワトリやアヒルは生きたまま市場で売買され、各家庭で処理して調理するという食文化が広く定着している。


家禽を処理する際に、屠殺、脱血、羽毛除去、内臓除去、精肉作業などにおいても接触感染や飛沫感染がおこる危険が高い。


また鶏肉を調理するに際しても、ほかの食材や食器などが汚染される可能性もある。


これらの場合には、ウイルスを含んだ粒子を吸いこむ呼吸器の飛沫感染に加えて、目の結膜などからも感染がおこることがある。