英語リッチと英語プア―イングリッシュ格差社会 (Kobunsha Paperbacks 109)/ケビン クローン 越智


アメリカ幕府による日本統治の実態を知れ!


さて、このようにアメリカ幕府が統治している日本村ですが、こう言ってもまだピンとこない若者がいます。
そこで、ボクは彼らにいくつかの質問をします。
これは、洗脳brainwashedを解く方法としては、初歩的なもので、答を知ってショックを受けるというショック療法であります。

では、次の質問に答えてください。
【質問1】日本国の首相が首相就任後に最初にすべき仕事はなにか?
【質問2】日本の議会における与党はどこか?
【質問3】あなたは国際線パイロットです。
成田を飛び立った後、航路を定めるときに最初に注意すべきことは?

【質問1】の答
言うまでもなく、首相(内閣総理大臣)の最初の仕事は「組閣」であり、これが決まると、憲法第6条に「天皇は国会の指名に基づいて、内閣総理大臣を任命する」とあるから、皇居に各大臣とともに上がり、認証式を受ける。
これが、首相の最初の仕事である。
と、こう答えれば、日本村の大学入試、入社試験一般常識間184
題なら、正解でしょう。

しかし、世界100人村では、これは不正解wronganswerとなります。
なぜなら、日本村を統治しているのは、アメリカ幕府であって、天皇Emperorではないからです。

したがって、いくら国民と国会議員が選び天皇が任命appoint したとしても、その人間が日本村の長leaderであるというお墨付きauthorizationは得られないのです。

では、誰がお墨付きを与えるのか?
もちろん、アメリカ幕府の将軍であるアメリカ大統領U.S.President です。つまり、日本国首相の最初の大事な仕事は、ワシントンに行き、アメリカ大統領のお墨付きをもらうことです。

「そんな、まさかあー?」という方に、 「では戦後の首相でそれをしなかった人がいますか?」と、ボクは聞きます。

確かに、就任2カ月でポシャツてしまった宇野首相などは例外として、みなワシントン詣で(to visitWashington for endorsement)をしております。
江戸時代には、これを「江戸に上がる」といって、大名たちは欠かさず参勤交代をしたわけです。

これと同じことで、アメリカの同盟国(-属国tributarystate)の長は、みなこれをするわけです。

そして、たとえば、ロン・ヤス関係に象徴されるように、ファーストネームで「ヤス」と呼ばれて、中曽根元総理は、初めて日本村の代理統治権mandatepowerを授けられたわけであります。

したがって、この正解は「ワシントン詣で」です。
でも、太平洋戦争で無条件降伏unconditional surrender Lたのだから、当たり前といえば当たり前ですよね?

【質問2】の答
この答を「簡単。自民党に決まっているじゃん」と言ったら、世

界警察に出頭して、思想チェックを受けてください。
答は「共和党」RepublicanPartyです。

これを説明しないでわかった方は、世界村の錠をじょじょに理解できたといっていいでしょう。

もちろん、時代によっては「民主党」 DemocraticPar中こなることもあります。
要するに、そのときのアメリカの与党rulingpartyが、そのまま日本村における与党です。
つまり、アメリカの政権政党の方針に添った政策を日本の政権与党regional governmentは取り仕切っているのです。

【賛同3】の筈
この答は、かなり難しいかもしれません。
ただ、これは世界村の錠を考えれば、自ずとわかるはずです。
現在、日本の空は誰が管理しているかということです。
言うまでもなく、アメリカ空軍Us Air Forceです.
したがって、日本村に数多くある米軍基地の上空一帯は、民間航空機commercialairplaneが自由に飛べるということはありません。
で、パイロットは成田を飛び立つと、米軍基地上空を避けるためにいったん海上に出て、そこから高度を上げて、目的地destinationに向かうといった具合です。

よって、答は「米軍基地を避ける」です。

日本の空がアメリカの制空権下skycontrolにあるのは、たとえば、あの日本航空史上最大の事故・日航123便の墜落地点も、アメリカ軍の-リコブタ-が最初に発見・特定したことでも明らかでしょう。

ここで、話は変わりますが、 2006年に北朝鮮が日本海に打ち込186んだ7発のミサイルというのがありました。

これを迎撃intercept するため、現在、アメリカ幕府の指令によって、自衛隊はMD計画(MissileDefensesystem)を進めていますo Lかし、このミサイルがもし日本本土に飛んできたとしても、アメリカ軍は撃ち落とせないでしょう。

なぜなら、アメリカ軍のミサイルの照準は、日本上空を通って米国本土US mainlandに向かうミサイルに合わせてあるからです。

このように、日本の空は日本のものではないのです。
アメリカの単純な世界戦略3点セット

さてさて、この辺でアメリカ幕府Washingtonのご威光がわかり、「私たちは極東郡にある日本村という植民地で暮らしているのだ」と、自覚realize our present situationできたでありましょうか?

これが、自覚できれば、同時に、英語プアから脱却せねばならないという意識も芽生えます。

そこで、ここでは、世界帝国アメリカの戦略をまとめておきましょう。
あとで、 1つ1つ詳しく説明を加えていきますが、アメリカの戦略というのは、じつに単純です。

英語ピープルというのは、じつは単純な人々なのです。

(1)世界一の軍事力を維持し、世界秩序をコントロールする力を維持し続けること
(2)英語のdehctostandard覇権を維持し、教育・学位ブランドを保つこと


(3)基軸通貨keycurrencyとしてのドルの優位性を保つこと。
そのために世界の資産をドルで運用すること

まあ、これが彼らの3点セットです。

要するに
(1)は「軍事力」militarypower
(2)は「英語力」 language (English) power
(3)は「金融力」financialpowerということです。

これ以外に、インターネットなどに代表されるような「情報力」 informationpowerとか、ハリウッド映画などの「文化力」 culturalpower、 MLBやNFLなどによる「スポーツカ」 sportpromotionpowerもあります。

しかし、上記した3点がもっとも重要なのは間違いないでしょう。

ともかく、このようなパワーを駆使し、 「すべてがアメリカへ」という流れをつくり出しているわけです。

この流れに、日本村の人々ものっているのは、たとえば、野茂選手から始まりイチロー、松井、松坂など、憧れの大リーグでプレーできること(playintheMajor Leagues)を誇りに思う日本人が続々と誕生していることでおわかりかと思います。

また、 「官僚より外資」を目指して留学、 MBA をもらって大喜びする日本人学生もまた同じであります(・brain drain頭脳流出) 。

言うまでもなく、これは日本村ばかりか、世界中のビレッジの共通現象sametrendです。

あの中国村でも「おらあ、ハーバードへ行くぜ!」と、知性brainsは続々と太平洋を渡って、いまやアメリカの名門大学の成績優秀者high achieversは、チャイニーズが大部分を占めるようになったのです。

インド村の知性もまたしかりで、いまやアメリカの大学では「石を投げれば中国人かインド人に当たる」ということになっています。
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これだけ、世界の優秀な人材the best and the brightestを集めてしまえば、お金も技術も帝国に集中するのは当然でしょう。

そして、彼らはすべて英語ピープルとなるわけですから、極東郡で「モノづくりだけは世界一だ」なんて言っていても始まらないのです。

ただし、アメリカ村はこのモノづくりmanufacturingがないということでは、哀しい村でもあります。

この点だけは、 1980年代に日本村に完全に負けcompletely defeatedて以来、経済においては、ITというシステムカと情報力、おカネという金融力だけで生き抜いてきているわけですから、じつに哀れな人々なのです。
が、しかし、カネさえあればモノが買えるというのが資本主義capitalismですから、われわれ日本村の住民は、アメリカ村にモノを売ってカネ(ドル)をもらい、それをまた返してやって、また買ってもらうということのくり返しで生きているわけです。

これは、中国村も同じで、極東郡というのは、いつまでたってもカネと人材が貯まらない仕掛けになっているのです。


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