第9章 減量の実践的秘法
アメリカ人の健康を害する最大の原因は肥満である。-アメリカ医学協会前会長ルイス・M・オアー博士
長いベルトを使っている人の命は短い。--作者不明
Q2肥満を防止するにはどうしたらいいか?
A2摂取する食物のカロリー調節を行い、週一回のマッサージと水治療をしなさい。
減量にはグレープジュース・ダイエットを実行するとよい。
-エドガ-・ケイシー
肥満全盛の時代有名なコメディアンのフィル・ベイカーがある日、サウナ風呂でおもしろいことをいった。
「あのレイリーという奴は肥満体の人間から金儲けをしている」と。
ベイカーの言葉は真実である。
レイリー・ヘルスクラブは、痩せ体型を保とうとしている芸能人であふれていた。
なぜなら、芸能人はいつも一般人の眼を気にしているからである。
今日のような若者全盛時代では、すべての人が自己愛のために、常に他人の目を意識している。
現代のアメリカでは、肥満体の人は社会から拒まれる。
そのため彼らは失望し、健康を害し,それが大きな社会的問題にまでなっている。
私の五五年間の経験を通していえば'減量をしようとする人たちは、いつも同じ人たちだ。
ミラクル・ダイエットの書籍が数多く出回り、ヘルス・クラブや減量のための商品が山ほどあるにもかかわらず'肥満の人がこれほど多くいるのはなぜであろうか?
その理由は明白。
彼らは常に肥満体である、ということではないからだ。
彼らは太ると減量し、痩せれば止めて、また太る。
こうしたことを何度も繰り返すのである。
メリーランド州健康衛生局次官であるニール・ソロモン博士は、この現象を〝ヨーヨー現象″と名づけた。
アメリカ人は、若く痩せて見られたいと思ってたえず努力しているにもかかわらず、肥満の人間が多い。
ある健康報告書によると、「一九〇〇万人の肥満体の人が減量するために使うお金は'合計一〇〇億ドルにも達する」そうである。
「エスクァイア」誌のグレース・リクテンスタイン記者が調査したところによれば、ウエスト・ウォッチャー社は'年間一四九〇万ドルの収入があり、その他ヘルス・クラブやヘルス商品を取り扱っている会社も膨大な利益をあげているそうである。
アトキンス博士のベスト・セラー『ダイエット革命』には'アメリカ医学協会が'ダイエットは健康を害する恐れがあると発表したと書かれている。
また同じ今の時期に、チャールズ・ローランド博士は'ダイエットが本当に有効かどうか正確さに欠けると述べている。にもかかわらず'『ダイエット革命』は今現在、ミリオンセラーを続けている。
アトキンス博士はこの本のなかで'蛋白質や脂肪を含む食物を摂取するのはいいが、炭水化物の多い食物は摂取しない方がよい、と述べている。
読者は、キートーンという尿検査を受け'キトセス(専門用語ではアシドシスという)という状態、つま-糖尿病の症状がないか調べてもらったほうがいいと、書かれている。
またア-ヴイン・スティルマン博士のベスト・セラー『ドクターの即効減量法』は別名へ水治療法とも呼ばれているが、これによると'ダイエットを行う人は、毎日コップ八杯の水を飲まなければならない。
それによって腎臓に対する予防ができる。
ソロモン博士の『体重コントロールの事実』は、医学的立場に立っての内容なので信悪性が高く、よく売れている本である。
が、彼の著書で最もよく売れているのは『よく食べるから痩せる』である。
数多くある女性週刊誌にも必ずダイエットに関する何らかの記事が紹介されている。
それらのダイエット方法の大半は効果的なのにもかかわらず、読んでいる人々はそれを実行あるいは持続できずに諦めてしまう。
そのためまた元に戻ってしまうのである。
サウナベルトやその他の減量商品も効果はあるが'一時的なものでしかない。
しかも高額ということを考えると'投資額に割-が合わない。
よ-売れているダイエット関係の商品のほとんどには、「ダイエット不必要運動不必要'無害薬品」というキャッチコピーがついているが、ダイエット商品は一時的な流行に乗ったものが多く、そうした商品や本が手元に届-ころにはすでに新製品が並ぶ。
命が短いのがダイエット商品の運命なのかも知れない。
一昔前に流行した九〇〇カロリーの飲み物や、すでにFDA「アメリカ連邦衛生局」によって没収されてしまったダイエット関係の薬品や器具はまだ記憶に新しいところだ。
そうした減量広告によく出ていたモデルの多くは'レイリー・ヘルス・クラブに通って自分の体重をコン-ロールし、シェイプアップに励んでいたのだ。
健康に悪い減量法もある。
最も手軽で簡単な減量法の一つは、強い薬品を使用することである。
この種の薬品の中には、健康を害する恐れが高い沃化物を含むものがあるので注意が必要だ。
甲状腺剤は新陳代謝を良くし、減量に有効であるが、常用すると精神が過敏になり'神経質の原因にもなるなど、健康上の理由でもあまり勧められない。
食欲を減退させる薬品も数多くあるが、それらは副作用を伴うので'医学界からは推薦できない。
医学的に十分検討されなかった強力な薬品が、数年前までよ-市場に出回っていた。
それは新陳代謝を活発にし、たしかに効果は大きかった。
しかし同時に'失明したり死亡したりする危険性も大きかった。
こうしたものは'1部の不道徳な人たちが'思慮深くない人や肥満体で悩む人たちに売りつけて多額の利益を得ていたのである。
これは非常に残念なことだ。
さらに未経験者が電気療法機械の操作を行うときにも危険がある。
完全な機械であればいいが、そうでない機械があるからだ。
もし正しいダイエット方法を実行し規則的に運動すれば'機械を使用したのと同じくらいの効果が期待できるのだからへ危険はできるだけ避けるのが賢明である。
身体を伸ばしたり、押したりして運動させる機械があるが、それらの多くは、人体構造に関する知識の乏しい人たちによって開発、製造されたものである。
そうした機械は、正しいアドバイスがなければ運動効果がでなかったり'使い方によって腰痛や筋肉に障害を起こすもの'ときとして血管を痛めることさえあるのだ。
それらを購入する人たちは、それらの機械のお助けを借りて減量しょうとしても宣伝のようにうまくいく、とははじめから思っていない。
にもかかわらず、やはり試してみる人たちも少なくないのである。
まあもっとも、二、三週間くらいの期間であれば、多少の連動ができるので有効なのは確かだが。
だが、シェイプアップには自分自身で運動をするのがいちばん効果的だと、私は思っている。
結論として'私は最も短時間で効果的な減量薬は'ギャンブルと同じだと思っている。
両者とも自分の体重、健康、生命までも賭けて'そして失ってしまうからだ。
それほど減量薬とは危険きわまりない、ということである。
一度太ってしまったらそう簡単には減量できない。
減量に成功し'その後もずっとその状態でいたいと思うなら、まず、自分のさまざまな癖、生活様式、自分を鍛える方法、今まで貯えてきたダイエットに関する知識を変えなければならない。
減量と体重の関係を理想的に保つには'カロリーの摂取量と自分が発散させるエネルギーとのバランスをうまくとらなければならない。
アメリカ人が何十億ドルも使ってまで懸命に減量にはげむのには、何らかの理由があるにちがいない。
肥満が不健康と同義語として考えられるには、それ相当の理由があるのである。
カロリーの摂取量をひかえ、体重を落とすことによって、人生を二〇パーセントも長く楽しめることが多-の実験で証明されている。
HCLAの病理学教授であるロイ・ワルフォード博士は、実験に使ったネズミのカロリー摂取量を控えたことによって、一般のネズミよりもその生命期間を二倍も引き延ばすことに成功した、と報告している。
身体の老化とそれによる免疫性の喪失を遅らせ'六〇歳から七〇歳が最もかかりやすいといわれている癌にかかる可能性を'八〇歳まで延長することができるのである。
肥満体の人は命が短いだけでなく、同時に数多くの病気にかかりやすいのである。
ケイシーは肥満というものを病気として'便秘やアレルギー糖尿病、腎臓病,心臓病やその他の多くの病気と同レベルで扱っている。
おそらく肥満を'他の病気にかかりやすい一つの徴候と考えているのであろう。
早期の死亡や病気の中で'脂肪が果たす役割は大きい.