R25をみたらビリー将軍にギブアップしてる人がここにも。。。。
TVでは劇団ひとりさんが。。。
僕の所にも安売り情報が来たのですが軍隊にもいたことのあるのでプライベートまではいやだなーといまだ手つかず。
みなさんはどうですか????
そんなわけでそんなに苦労しないでやせる知恵をケイシーに探してみます。
結論はまた来週
連載第九十回ビリーにはついていけない
「ちょっと待ってくれよ、ビリー」思わず私はテレビ画面に向かってつぶやいた。
そんなにあくせく動かなくてもいいだろう、ビリー。
日本は猛暑でもじっとしていても汗が噴き出してくるんだから-。
日米で大ヒットしているという『ビリーズブートキヤンプ』。
元米国陸軍特別指揮官ビリー・ブランクスが考案したもので、DVD(全4巻)を見ながら実践する。
付属の「ビリーバンド」と称するゴムバンドを足にくくりつけ、「戦闘準備!」などという号令のもとにも腕で引っ張り上げたり「コンバットパンチ」やら「コンバットキック」やらを繰り出す軍隊式エクササイスである.
「誰でも自宅でカンタンにできる上という売り文句なのだが'実際に試してみると非常にきつい。
私などはウォーミングアップの段階で、ついていけないと音を上げたのである。
そもそもブートキャンプ(新兵訓練)は'単に肉体を鍛えるためのものではない。
ビリーが繰り返し呼びかけるように、「意識改革だ」「君の考え方を変えるんだ」「変わりたいなら、まず心構えを変えろ」という具合に精神の変革訓練なのである。
例えばビリーが「次はスクワットだ」と命令する。
それに従って私たちはスクワットをする。
次第につらくなり、いつまで続けるのかと思いながらもスクワットする。
と'突然「次はバタフライ」(バレエのように片足を横に出して両腕を左右に広げる)と命令される。
「あと2セット」と言いながら、2セットでは終わらず「もう1セット」と引き延ばされる。
私たちは常に命令待ちの心理状態に置かれ、それに馴らされていく。
つまり服従心を体に刷り込む訓練なのである。
ビリーは「自分のペースでいいんだ」と言いながら二人のミスは連帯責任だ」と檄を飛ばす。
あたかも自発的に軍に命を捧げさせる洗脳プログラムなのだ。
ここで思い出してほしいのが'♪そーれイチニ、サンでお馴染みの日本のラジオ体操である。
昭和3年に始まったラジオ体操は、こうした軍隊式体操に対するアンチテーゼだった。
ラジオ体操を考案したのは逓信省(現在の総務省)簡易保険局である。
その目的は簡易保険加入者を長生きさせること。
死なせずに満期まで保険料を払い込んでいただくための長寿体操なのである。
実際にNHKの放送を聞けばわかるが、指導者はビリーのように腕を「上げろ」「下げろ」などと命令しない。体の動きが自然に流れるように構成されており、その必要がないのだ。
まず冒頭の背伸びの運動は「あくび」をモチーフにしている。
朝起きてあくびをすれば自ずと体が伸ぴて腕が「上がる」。
上がった腕はやがてその重みで自然に「下がる」。
それが結果、手足の運動になっている。
そのまま振り子の如く腕を回したり体をねじったり。
いったん流れ始めれば'指導者も要らない。
大切なのは服従ではなく、あくまで自分自身の健康管理なのである。
こんなに素晴らしいラジオ体操があるのに'なぜ日本人がビリーについていくのか。
エクササイズの最後に迷彩服姿のビリーはこう訴える。
「イラクで頑張ってる兵士たちに敬意を。
あきらめるなオレたちが応援している。
同じような理念で働いている」と。
そして、「神のご加護あれ!ヴィクトリー!」と叫ぶのである。
大丈夫か?
ビリー。
と私は心配になった。
考えすぎかもしれないが'ビリーのバンドを引っ張り上げる動作は'イスラム教の「死の天使」を紡律させる。
イスラム世界では無信仰者(非イスラム教徒)が死ぬと死の天使がその魂を手荒く引っこ抜くとされている。
つまりこの動作は「引っこ抜くなら引っこ抜いてみろ!」というイスラム教徒への挑発のような気がしてくるのである。
米軍のイラクからの早期撤退を願う私は'静かにビリーバンドを箱に戻した。
そしてテレビの前で大あくびの背伸びの運動。
左様ならビリー。
たかはし・ひでみね・1961年横浜市生まれ。東京外大モンゴル語学科卒。
著作に「素晴らしきラジオ体操」(小学館)、「にせニッボン人探訪記」「からくり民主主義」(草思社)、「トラウマの国」「はい、泳げません」(新潮社)、「センチメンタルダイエット」(アスペクト)など