潜水艦さんのグアムの思い出 | 大鶴義丹 不思議の毎日

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大鶴義丹がつづる、芸能な日々と遊び。

 この百年に一度の大不景気の冬に、グアムにダイビングに言ってきました。東京でPADIライセンスカードの半分だけを済ませ、常夏のグアムで残りを終了。当然、顔は季節はずれの日焼けで、真っ黒状態です。人力潜水艦になって楽しんできました。


 

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 グアムは3回目なのですが、近すぎてスルーする方もいるかもしれませんが、とんでもありません、最高です。海も場所によっては透明度が20メートル以上です。


 グアムも久々だなあ・・・前回は確か19年前だあ。そんなこと思い出していると、忘れ去られた記憶が・・・


 そうです、前回のグアムは、実はデート旅行でした。21歳の時に、当時のガールフレンドと、初めてグアムに海外旅行に行ったのです。


「君の瞳に恋している」という番組で役者として、メジャーデビューしたばかりでした。大昔なので、もう時効でしょう。


 そして事件が起こりました。なんと、ビーチで昼寝していた彼女を、当時、発売したばかりの小型ビデオカメラで盗撮していたオッサンがいたのです。そいつを彼女と二人で捕まえた珍事件を思い出しました。


 これが結構エグい話で、私たちがそいつを捕まえて文句を言っていると、彼は大否定。ビーチで私と半分取っ組み合い状態。


 しかし、家族連れだったので、奥さんや娘も何事かとやってきて、ギャラリーありの大騒ぎ。


「オッサンなあ、潔白だっていうなら、とにかく、そのビデオを、ここで奥さんたちの前で再生してみろよ!!」


 彼の奥さんも、亭主を守るように私たちに反論してきます。


「今ここで再生しますから、それで、盗撮が勘違いだったら、あなた達もただじゃおきませんよ」


「ああ、とにかく再生してみろよ」


 私たちがそう詰め寄ると、オッサンは少し考えた後、突然彼は、ブウギャーと奇声をを挙げて、当時はまだかなり高価だった、そのビデオカメラを、海の中に投げたのです。


「そんなに疑うなら、これでいいだろ!!」


 彼の家族も私たちも、まるでUFOが現れたかのように言葉を失いました。


 そうです、彼は家族の前でビデオを再生できない深い~訳があったのでしょう。


 奥さんや娘の前で、二十歳そこそこの女の子の、真っ赤なビキニの超アップ映像は再生できません・・・・よね・・・


 そのときの彼の奥さんの、悲しそうな顔が今でも忘れられません・・・・。うつむいて、じっと白い砂浜を見つめていました。小学生くらいの娘さんは意味が分からずに固まっていました。


 私は当時の彼女に小声で言いました。


「水着の盗撮もさ、されるうちが華だから・・・君も・・もういいよな」

「そね・・・」

 

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 そんな悲しい思い出を乗り越え、グアムのダイビングは最高した。知人の紹介でお世話になったダイビングショップの特別送迎車・ハマーH2にも、乗りまくりました。気分は米軍の特殊潜水部隊です。



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 泊まったホテルの前のビーチです。楽園です。世の中に、冬という季節があることを忘れます。やはり、いつかは南国に住みたいと思いました。


 でも、この場所が、実は、あの盗撮パパが高いビデオカメラを海に投げた場所なんです。あの家族はどうしているでしょう。もう怒っていないので是非御連絡ください。


 ビキニを盗撮された彼女も、私は今もう仲の良い知人で、サッカー好きの中学生のお母さんに立派になっています。たぶん寛大に許してくれると思いますよ。


 そうそう、ダイビングをしていて、水中にキラリとしたものを一瞬見つけました。あなたが投げた、あのソニーのビデオカメラかもしれません。


 あれから約20年。お互い、グアム海に色々なものを忘れてきたままにしているのですね・・・