出産祝い | 大鶴義丹 不思議の毎日

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大鶴義丹がつづる、芸能な日々と遊び。

 朝一で、中学生から遊び続けているサーファーの友達が、単身赴任の名古屋先から、久しぶりに東京に戻っていると連絡があった。二人目の子供が産まれたという。今夜呑まないかと誘われるが、残念ながら、税理士の先生との先約が・・・・


 友達の出産の話を聞くと、悪い意味ではなく、家族という形体の意味やリアルな感触について考えてしまう。


 十歳になる娘は、前妻と私の家をしょっちゅう行き来をしている。私も前妻の家に上がったり、仕事の相談を受けたりする。

 そんな感じで、世間でよくあるような、「会わせない攻撃」的な戦後処理は避けられているとはいえ、娘にとっての家族とはどんな手触り、どんな匂い、どんな色なのだろうかと思うことがある。

 

 それは完全には分からないことなのだろう。私の両親も、きっと私の中にある家族像は分からないはず。全てを分かり合うことが不必要なのかもしれない。


 今、離婚寸前の状態にある小学校からの友人。彼の両親は彼が十代半ばで離婚して、親父はその後、すぐに若くして亡くなった。

 その親父さんは私にも優しかった。笑ったときの目尻のシワが今でも印象的。

 友人はそんな親父さんの分までと、自分の二人の子供をとても大事にしていた。だが・・・どうしたことか、現在はグチャグチャ・・・・・。本人は奥さんを大して可愛がらなかった結果だと言う。


 バブル時代から知っていると、女性の知り合いのは、すごいお金持ちと結婚して子供を二人出産。二人ともすくすくと高校生になって、旦那さんとの関係も良好だったという。私たちの仲間内でも一番まともなゴールであった。

 だが、彼女は去年、普通の生活が退屈過ぎて、夜遊びを復活させたという。旦那さんも最初は、「家事のストレス解消に、たまには街に出るのもいいんじゃない」と・・・・・・容認。

 だが、若いときは雑誌の脇役モデルをやっていたくらいにきれいな女性ゆえ、当然のようにすぐに色艶のあるトラブル発生。

 彼女は恋の勢いのままに家を飛び出し、旦那と子供たち二人も大激怒。そして家族崩壊。今、彼女は年下の男と、彼女が家族とくらしていた広尾のマンションの「風呂場よりも狭い部屋」で暮らしているという。

 自分のきれいな母親が男を作って出て行くという、その「女らしい」母の後ろ姿とはどんなものなのだろう。


 もうひとつ、最近聞いた話。中央線沿線のとある有名な地主は、血族に土地や資産を残すというテーマのもとに、とても強く結びついているという。

 子供がいない長男夫婦のために、いい歳の親戚を養子にしたり、親戚間の結婚も厭わないという。私の知り合いは、そこに嫁いだものの、結局は病気なって、最後は追い出されたらしい。

 だが、そこの家族は不思議な連帯感を持ち、家族間でのもめ事もなく、半分以上はニートのように、全く働かずに、その一族の持つ不動産利益で生活しているという。当然だが、そこの一族はみんな、かなり「バミューダトライアングル」な方々だという。

 不思議である、この家族の形を幸福か不幸かを定義することはできないが、家族というものが機能しているという点では、私よりも「ちゃんと」しているということだろう。


 だが、反対に幸せの話も沢山知っている。セレブだってまともな奴は沢山いる。私の昔の友達で伝説的な美人の女性は、フランスの超有名な現代音楽の作曲家の元に嫁いで、パリ郊外で幸せに子供を二人育てている。(この結婚はマスコミ的にも有名)

 趣味は陶芸で、地元のフランス人に教えたりしているという。たまに写真がパソコンに送られてくるが、レンガのお城みたいところに住んでいて、芝生の庭は5000坪だと・・・・・・・・卒倒した。

「Yrinさあ。。。。。その幸せの方程式は・・・・????」

 ワインの勢いで私は彼女に質問した。

「季節を感じて、ちゃんと衣替えすることかな。冬になっても頑張ってミニスカートじゃ、お腹冷やすし、春になっても毛皮じゃ汗をかいて喉が渇くから」

 私はうなってしまった。やはり、何かを成し遂げた人間というのは、含蓄のある言葉を持っているものである。


 最後に近い仲間の話。ストーキングの果てに、伊豆の漁師の娘さんを射止めた私の友人。

 彼の趣味は「奥さんとの恋愛」。仕事もそれなりの彼は、子育ては当然ながら、趣味は「奥さんとの恋愛」。

 どうしても奥さんが好きで好きで仕方がないらしい彼。テレビを見ていても、どんな女優さんやアナウンサー、タレントよりも奥さんがきれいに思えるとのこと。私たちにも奥さん自慢をする・・・毎度はちょいとウザイがまあ仕方がない。

 そんな彼の不思議な「趣味」を、奥さんがどう感じているのかは知らないが・・・家族四人で幸せそうにしてるので、まあ良いだろう。

 彼にも聞いたことがある。

「幸せの方程式は・・・・?????」

 最近髪型が変わってきた彼は赤くなった顔で、こう言った。

「色々と味見しないこと、知らなければ誘惑もない」

 う~ん、やはり、これも含蓄があると唸ってしまった。

 

 何が大事で正しいかなんてことは全く分からない。でも、器とそこに入る人間たちのはまり具合が少しでも間違うと、大きなトラブルになることは想像がつく。器がでかすぎても駄目・・・そこに入る人間たちが大きすぎても小さすぎても、駄目なのかもしれない。


 そんなことを考えていると、最近収録した番組でも、「再婚は再婚は」と突っ込まれたが、やはり、もう少し「シンプル・らくちん」が良いなあ~と思ってしまう。あとは、娘の「すくすく」だけがあればよい。

 まあ、これも微妙なことで、決して褒められた状況ではなく、再婚ニートとも言えるだろう。

 

 しかし「夏休み」はいつかは終わらなければならない。