7時過ぎに宿に迎えの車が来て、フェリー乗り場に向かう。8時の出航前に、M所長に挨拶をし、Muturの現場に向かう。入り組んだ海岸沿いを車でぐるっと走るよりも、フェリーを利用したほうが断然早いらしい。

1時間の船旅のあと、新しい現場を見る。個人住宅の軒先にテントが張られていて、被災者が生活している。役所が個人所有の土地を肩代わりして仮設住宅を建てることになった。いつまで役所が借地料を払うのか不安が残るが、仕方がない。

Trincomalee事務所のMutur出先事務所で、新しく採用する現地技術職員の面接をする。こちらの業務内容を簡単に説明した後、これまでの経験と貢献できる内容について質問する。前職のNGOを2ヶ月で退職していたことが気になるが、こちらの条件に合う技術者を見つけることはなかなか難しいこともあり、学位取得証明を提出した時点で採用可能との意見を出し、最終決断はM所長に委ねることにした。

すでに完成していた仮設住宅で、強風で屋根があおられて傷んでいるものが数軒あり、対策を検討する。隣の避難所のテント村に、食料品店が開かれており昼食を頂く。これまで食べたどこの店のカレーよりも旨かった。写真は、Trincomalee勤務のS’君とH君。後ろに立っているのが、店主の被災者。

スリランカの北東部はLTTE(タミル過激派)という反政府組織がしきっているため、現場に入るには、身分証明書と許可証が必要となる。この地域では、Colombo事務所よりシンハラ系のスリランカ人を送り込むことができず、タミル系のスリランカ人か外国人しか作業ができない。町のいたるところに兵士が立っている。機関銃を持つ兵士の横で、担当者と敷地の交渉をするなど精神的にもきつかった。内戦の影響で復興が遅れている現実に直面すると悲しくなる。

フェリーを利用して、Trincomalee事務所に到着し、M所長に現状報告と今後の展開について相談する。いろいろお願いされて困ってしまうが、Colombo事務所の上司に伝えることを約束する。現場が直面している問題について、実際に見てみないと理解できないこと実感する。

Colomboの現場でいつも作業しているS君が休暇を利用して、彼女とTrincomaleeに来ていたので、同じ宿に泊まり一緒に夕食をすました。