P師匠がいなくなったことを否応にも感じさせる出来事が次々と起こる。これまでまったく関わってなかった工事契約書や職員の新規採用について、意見を求められタジタジになる。技術職志願者の履歴を渡され、適任かどうか判断を求められる立場になってしまった。

昼休みには、頼まれてR親方の就職活動を手伝う。といっても、R親方の新規メールアドレスを取得し、履歴書を添付してメール送信するだけのことだが、慣れない彼にはいたく感謝された。推薦者の名前として私をあげてもいいかと尋ねられたので驚くが、私の肩書きが役に立つならどうぞ使ってくださいと返事する。

昼から、いくつかの現場をまわる。例の250戸を建てている現場の横の避難所では、排水溝に汚水が溜まり、異臭を放っていた(写真)。雨水用なのだが、被災者らが生ゴミをそこに捨てているため、腐敗して虫もわいている。「排水溝の整備云々よりも、被災者らにゴミを捨てないように注意することが先決ではないか」と意見すると、「そんなこと言っても無駄。コンクリートでつくりなおすか、定期的に清掃員を雇うべき」と現地職員がいう。延長5百m以上ある排水溝にそこまで予算がつくのか疑問だが、直接の担当事項ではないので、担当者に任せる。

戻ってきて、集会所の図面の修正。運動場の隅に立つゴールポストを避けて計画していたら、ゴールポストを集会所の中に取り込んででも隅っこに建てろと上から再指示が出る。そんなばかなことはできないと大反対すると、「仮設ひとつにそんなにムキになるな」とあしらわれる。悔しかった。

早く応援の技術職員は採用されないのだろうか。