又悲しい知らせが…日本のジャズギタリスト界はもとより、ジャズ界に多大な貢献をされた中牟礼貞則さんがお亡くなりになりました。

普段、私はあまり人のライブには行かず、人から「〇〇のライブは聴いた方がいいよ」と言われても、「自分が行きたいライブは自分で決める」と思っているタイプです。そのため、人様に対しても「〇〇のライブは聴いた方がいいよ」とはほとんど言わない自分なのですが、中牟礼さんの演奏だけは別でした。
2023年、知り合いのボーカリストがレジェンドギタリストである中牟礼貞則さんとデュオで共演されるというので、ライブに行ってきました。中牟礼さんのお名前は当然以前から知っていましたが、生で聴くのはそれが初めて。
ステージに登場された中牟礼さんはシャキとされていて、とても当時90歳には見えない!しかも立ちながらの演奏。「最近、ハードケースやアンプを持つの重いんだよなぁ…」なんて言っている自分が恥ずかしくなったのを覚えています。
プレイはまさに異次元というか、完全に中牟礼ワールドでした。初めにソロで弾かれたのですが、気がついたら既に約20分が経過しており、完全に引き込まれていました。何だったんだろう、あのオーラ感。会場のすべてが中牟礼ワールドに!もちろんボーカルとのコンビネーションもバッチリで、当時、還暦を迎えて「あと何年(音楽が)できるかなぁ…」なんてほざいている場合じゃない、と痛感させられたライブでした。
演奏後には無理を言って一緒に写真を撮らせていただきました。その際にギターのことを尋ねると、「持ってみる?」と愛器のギブソン175を持たせてくださり(凄く軽かった!)、貴重なお話もしてくださいました。初対面だった私にも真摯に接していただき、本当に優しい方でした。
翌年には、サックスとのデュオ演奏を横浜の方へ聴きに。やはり前半はソロ。始まった途端、またあの中牟礼ワールドが!凄いと思ったのは、前年よりさらにパワーアップされていたことです。
そして昨年、たまたま国立でギター好きの知り合いと飲む機会がありました。まず居酒屋で飲んでいると、色々なギター談義から中牟礼さんの話題に。「いやー、あのオーラは凄い。機会があれば是非一度ライブを観た方がいいですよ」などと話して盛り上がっていました。
「そろそろ、店変えましょうか?」
「あ、そういえば近所にジャズライブハウスありましたよね?」
「今日は誰が出てるんだろ?行ってみます?」
という流れで行ってみると、なんと、中牟礼さんが演奏されているではないですか!
なんという偶然(奇跡)。客席はほぼ満員だったのですが、何とか入れてもらいました。
1曲目が終わったくらいのタイミングで遅れて入場したのですが、中牟礼さんは私を見るなり、覚えていてくださったのか「あ、来たの?一緒に演る?」と、優しく迎えてくれたのを今でも鮮明に覚えています。
もうお会いできないかと思うと、残念でなりません。
心よりご冥福をお祈りいたします。
