「あす、ひま?」


この前の週末、社長兼連れ合いからお問いかけ。
「(衣替えしたいし、庭の草もなんとかしなきゃだし、
 ・・・何よりワタシ、久々のお休みで寝たいんですけど)何かしたいんですか?」

「プランの参考にしたいから、石のアプローチと建物がみたい」
「鎌倉?」
「いや、もっと民家な感じで(どんな感じだ)」
「(例によって具体的なプランはないのね。そしてワタシが案を出すのね)
 ・・・上信越下りますか」


ということですべての雑用(と休み)はふっとばし・笑、
高速も(気持ちだけ)ふっとばして、
北信・小布施の町にいってまいりました。


老舗の桜井甘精堂小布施堂の「蔵部」

(比較的)ニューフェイス・かんてんぱぱ


超メジャーな善光寺や、湯田中や渋などの温泉街の観光地に囲まれ、
その中にあって小さくても埋もれない個性ある「観光の町」を目指して
もう何十年掛かりで計画し、町づくりに取り組んでいる町が「小布施(おぶせ)」。
もともと江戸時代の地元の豪商がパトロンとなって、葛飾北斎が長く逗留していたり、
古くから続く栗菓子の老舗や日本酒の蔵元があったりと、
文化的な素養は強い町なので住民の皆さんの意識も高いのだと思うのですが、
同じく「小さな別府になるな」を合言葉に独特の美しい温泉の町を作り上げた大分・湯布院とも交流し、
たがいに切磋琢磨し合っているそうです。

そして町のあちこち、角先にあるこのサイン。


(見難いですが、画面中央に小さな看板が置いてあるのがおわかりになるでしょうか?)



「オープンガーデン」といって、このサインのあるところは自由にお庭に入って見学させて頂けます。
(イングランドの田園地方によく見かけるそうですが)
そのなかにはお寺やお店はもちろん、個人のお宅まで。
商業を生業とする人々だけでなく、「住民ぐるみ」でわが町を誇り、発展させようという気持ちが伝わります。








新緑と石の素晴らしい対比




私は実は、小布施の隣の善光寺のおひざ元・長野市の生まれ。
親の実家が市内でしたので、子供の頃も何度か小布施に連れて行ってもらいました
(北斎など何のことやら、竹風堂の栗おこわがお目当て♪)
その頃も「フツーの田舎町とはちょっとちがう」と生意気にも感じておりましたが、
(何十年も経て)行く度に新しい発見があり、何かが増えていくこの町は正直すごいなあと感心します。
停滞せず、長の年月に渡って努力を持続させていくことは本当に大変なこと。
箱モノのプロジェクトだけではない、「小さくても埋もれない」町を支える町民の皆さんの心意気には
技拓工房も大いに学びたいと思うのです。




肝心の取材もシャチョーは手ごたえあったようです(ヨカッタネ)
・・・だからね、少しは緩んでもいいと思うのよ。
湯どころに囲まれながらなぜ「直行直帰」なのかと・泣





*** 追記 ***

ここは食べ物もおいしいですよ!
定番の栗菓子や栗強飯やお蕎麦はもちろん、
気軽に試せる街角のおやつや、本格イタリアンやオーベルジュのフレンチ、
本格懐石などなど・・・ああ、また行きたい(興味はソッチか・笑)