では、最後の回顧録です。本日は現代チームについてです。
というか、そもそも喜一たちの物語は2013年の話になるので、正確には未来チームということになりますね。


○日野康文役:荒牧慶彦くん
アラマッキーは、とにかく色気が素晴らしい。王子ですね。みんなと比べて稽古の合流が遅かったのですが、よく付いて来てくれたと思います。役柄的に、喜一と関連付けさせるようなポジティブな部長という役だったので、アラマッキーも色々とぶっこんでいましたが、ここだけの話、彼の普通のナチュラルな演技は今後注目ですよ。ラズベリーボーイの前はテニミュしか舞台に出たことがないとのことでしたので、彼の普通の演技はまだ白日の元に出ていないと思います。しかし、稽古では何度か他のキャストの代役をやってもらいました。代役なので台本を持ちながらさらりと演じていたのですが、いや~良かった!何ともいえない色気があり、すごく魅力的でした。それが判明したのが本番直前であったのと、康文の役柄的に普通のさらりとしたキャラでは厳しいのでそのままで行きましたが、もっと時間があれば、あえてあの濃いキャラが満載の舞台の中で普通のキャラを演じさせてみたかったです。それほど惹かれるものがありました。今後、注目ですね。もし機会があれば、普通のお芝居の舞台でもご一緒してみたいです。

○日野康文役:本川翔太くん
もっさんは上記アラマッキーとのダブルキャスト。アラマッキーとは違う兄貴のような康文を演じてくれました。自分の役もそうなのですが、僕がもっさんの素晴らしいと思ったことは、稽古場で率先して代役を演じてくれたことです。稽古前半、合流が遅れたキャストたちがポツポツいたのですが、その代役を快くやってくれました。しかも、どの役もさらりとやってのける。基礎的な演技力が高いんでしょうね。こういうチームプレーをやってくれる人は演出として非常にありがたい存在です。心から感謝いています。
あと、稽古場ではホントみんなに愛され?ムードメーカー的な役割でした。みんなに話しかけるというタイプのムードメーカーではなく、みんなにいじられるムードメーカー(笑)。貴重なんですよ、そういう人。もっさんはどの現場に行ってもみんなに愛される男だと思います。僕もご一緒したことで、またもっさんとお仕事したいと思いましたから。もちろん、演技も生き生きしてて良かったです。

○桜井蓮役:小林涼くん
今回のメンバーの中では、おそらく一番舞台経験がなかった涼くん。でも、みんなに頑張って付いて行ってました。早くからほとんどセリフを覚えておりました。役柄的にストーリーテラー的な、決してぶれてはいけない役どころだったので、みんなのようになかなか自由にさせてあげられませんでしたが、見事に役割を果たしてくれたと思います。独白的(実際は喜一の独白を代わりに言っているような感じですが)なセリフというのは難しく、感情や聞き取りやすさもそうですが、音やリズムというのが大切になっています。おそらく涼くんには誰よりも演技をつけたと思います。日に日に良くなっていく涼くんは、僕も見ていて楽しかったです。これからどんどん経験を積んで、より良い役者さんになっていくだろうと確信しています。
次に会うときがホント楽しみです。

さてさて、キャストへの感想は以上になります。
そして、来年の3月には早くも再演。できれば、同じキャストでやりたいところですが、人気者の彼らです。すでにスケジュールが入っている人たちもいるでしょう。再演には参加できない人たちもきっといるでしょう。残念な気持ちは当然ありますが、新しいキャストたちがまた違う色をこの作品にもたらしてくれることでしょう。僕としては、さらに良いものになるように励むのみです。

でも、今回のメンバーで必ず再演、もしくは続編とかアナザーストーリーとかやりたいですね。それほど今回のキャストたちは愛すべきボーイたちなのです。康文や蓮たちの時代の物語とか、そこに助っ人として現れる喜一ら伝説の演劇部員たち。はたまた、友朗が現役の演劇部員だった頃の話、パート5ぐらいでは喜一が名優になってるとか(これは面白くないか)、平太が日本語ペラペラになってるとか(これは面白くないか)、ソラとカナタたち側から見た喜一たちの話とか、ソラとカナタが脚本の中から出てきてしまって演劇部員たちを巻き込んでドタバタしちゃうとか、孝志と悠太の学生時代の話で孝志がオネエに目覚める話とか、実は学生時代は孝志と悠太がライバル関係にあったとか、鉄道同好会の目指せ部活動(これは外伝ですね)とか、潤一が映画監督になりキャストに演劇部員たちを抜擢して映画を撮る話とかとか。

夢は広がりますね。

それでは、ラズベリーボーイ回顧録は今回で最終にしたいと思います。次は3月の再演で!