朝日新聞 平成23年8月7日付 より 


東海テレビ(名古屋市)が4日放送の情報番組「ぴーかんテレビ」で、岩手県産米のプレゼント当選者を「怪しいお米 セシウムさん」などとするテロップを流した問題で、同局に寄せられた抗議や苦情の電話とメールが1万件

を超えた。同局が7日明らかにした。


一方、農協系金融機関の農林中央金庫は「放送内容が不適切だ」(広報)として、同局でのCM提供を取りやめた。7日夕の「サザエさん」の東海3県向けのCMを中止し、ACジャパンの公共広告に差し替えた。ほかの提供番組への対応についても、8日以降に検討する。


同局によると、抗議や苦情はホームページの「ご意見・ご感想」窓口を経由したメールが大半で、4日が約3千件、5日が約4500件。6日と7日は計約2500件に上った。電話は4、5日に約500件ずつあるなど計約1300件。被災地の岩手、福島両県などからの抗議が多く、関係者の処分を尋ねるものもあるという。


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放送の内容が不適切だから、放送しない。


不適切って言葉を言っていれば、あらゆることを非難できる。


不適切、なんと素晴らしい言葉なんでしょう。


使っている人も


「じゃあ、どこが不適切なの?どこからが不適切なの?」


と、不適切の定義と基準を聞いてみても


「不適切なものは不適切だ」


と、開き直りとしか思えないような回答しかかえってこない。


さらには


「みんなが不適切だといっている」


と、まるで多数派が正しいようなことまで言い出す始末。


今回の事件もそうです。


放送内容が不適切だ


どこか?


たとえば、特定の産地、産物について、不当に放射能汚染があるなどと連続して放送して、誤った情報を提供する(あるいはその逆も)。


これなどは不適切なのでしょう。


今回は、誰がみても、コメにセシウムが入っていることなど認識できるものではありません。


このように書くと


「コメにセシウムが混ざっていると誤解を招く」


などという反論がかえってくるでしょう。


しかし


たった一回の放送、しかも、当選者のペンネームとして使用されているだけのものを信用するのですか?

→コメにセシウムが混ざっているなんていう報道はこのほかに聞いた事がない。


だとすれば、相当バカですね。


「誤解を招く」


などというが、誤解をしたほうがバカなのであって、こんなの反論にもなりません。

→このようなバカがたくさんいるから風評被害なんてものが起こる。被災地の農家の方たちなどは、こうした多くのバカな消費者に振り回されているのだから、そのご苦労は相当なものだろうと思います。

 しかし、このようなバカがたくさんいるからといって、報道規制等はしてはなりません。それよりも、先日書いたような、一定方向に報道各社が足並みそろえて報道しているほうに危惧感を覚えます。


そもそも、不適切という一語で、表現活動、報道活動その他国民生活の諸活動が制約されることはあってはならないことです。


つまりは、国民生活、経済活動、表現の多様性を認めない方向に走りつつあります。


これがいかに危険なことか


賢明な読者諸氏ならおわかりかと思います。