前回に引き続き、シーンの順番を尊重して書いています。
私のように英語版DVDを頑張って解読しながら観ているという方に参考になれば良いなと思います。
正直全てのセリフがきちんと理解できているわけではないので間違っているところもあると思います。
(あからさまに間違えないように、よく分からないところがあったらボカして書いたりして大きな間違いを防ごうと努力してはいます。w)
指摘していただけるとありがたいです。
最近のエピソード、モースの推理力よりも運の良さ(前話ではたまたま通りがかった駅で死体を発見したり)によって事件が解決されているような気がします。
新キャラのファンシーがだんだん刑事として成長している感じが伝わってきいるので今回の活躍にも注目です。
あらすじーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
サーズデイ夫妻は競技ダンスに参戦。ジョアンが家を出たりと大変なこともあったけど夫婦関係は固い。地区大会の準々決勝らしい。
一方で、オックスフォード討論会(Debating Society)では当時インドやアフリカ、西インド諸島などから増えていた移民の是非ついて演説が披露されていた。
モースは前話後半から登場したフランス人フォトジャーナリストのクロディーヌと演説を聞いている。モースは政治にあまり興味はなさそうだから彼女の趣味に付き合っているのだろう。これも一種のデートだ。
「全ての移民は祖先の土地に戻るべき」という排外主義者、Charity Mudfoldの主張に対し、黒人運動家Marcus Xは「黒人はアングル=サクソン人、ノルマン人、ユグノーよりもずっと昔からイギリスにいる」と返す。
(アングロサクソン人やノルマン人はイギリス人の祖先ともいえる民族でゲルマン人の一派とされる。4世紀ごろから大規模な移動をしてローマ帝国にプレッシャーを与えた存在だ。一方、ユグノーは16世紀の宗教革命のカルバン派(プロテスタント)の名称)
活動家によると、この「黒人」とは正確には「ヌビア人」のことで、「ローマ帝国最盛期に作られたハドリアヌスの城壁から国境を監視していたのはヌビア人だった」というのが根拠らしい。
実際そうだったのかは調べてもあまり出てこない、、、
ちなみにヌビア人のヌビアとは現在のスーダンや南エジプトのあたりを指す歴史的な地域の呼称で、ナイル川上流に王国を作った。
あまり日本では馴染みがないが、スーダンにはエジプトの10倍ものピラミッドが現存すると言われている。3大ピラミッドのような大きいものは少ないが。
ローマ帝国とも交易をしていたらしいが、現在のエチオピアにあったアクスム王国に征服される。
ローマ帝国は、しばしば国境辺境地帯の防衛を配下の異民族に任せることがあった。もしかしたらヌビア人がハドリアヌスの城壁の警備を請け負っていたのかも。
エジプトだから距離的に結構離れているけどね。
「全ての移民は祖先の土地に戻るべき」なら「あなた(白人)が先に祖先の土地に戻るべきだ」と黒人運動家は演説を締めくくり、聴衆は彼を支持した。
演説が終わり、Mudfoldが会場を出ようとするとたくさんの反対派が彼女に罵声を浴びせる。
その中の一人、ハッチェンが彼女に小麦粉の塊を投げつけた。
ハッチェンは彼女が英ファシスト連合党(British Union of Fascists)と繋がりがあり、彼女の結婚パーティーでヒトラーがダンスをしたと主張する。
モースはクロディーヌとの毎日が楽しいので、日課だったサーズデイを車で拾って出勤する役目をストレンジに任せていた。
サーズデイはモースに「何かあったのか?」と聞くが、モースは適当なことを言ってごまかした。
サーズデイが"Strange's brought me in"と言っているシーン、字幕はa stranger's brought me inになっているのでストレンジじゃなくてstranger(見知らぬ人)だと思って意味がわからなかったが多分字幕のミスだと思われる。
事件1: ジーン・ウッド殺害
サーズデイの息子、サムはシーズン3ぐらいに軍に志願して実家を出ていたが、彼はオックスフォードから比較的近いハイウッド駐屯地に兵長として配属されていた。そして数日後にドイツへの赴任を控えている。
しばらく本編に登場しない間に頑張って位をあげていたのだ。
そんな中、サムは上官から敷地内で雑誌の撮影のため人が来ているからボランティアとして撮影に同行していろいろ助けてやってくれと頼まれる。
雑誌は若者向けファッション誌で、綺麗な女性モデル3人が被写体として、さらにファリッジという男がフォトグラファーとして黄色い小さな目立つバンに乗って現地入りしていた。
サムはモデル3人のうちの一人、ジーン・ウォードに一目惚れし、モデル一行がメイクアップに使っていた敷地内の家屋の影でジーンもサムにキスをするが、「他に決まった人がいるから」と言ってそれより先はしない。
サムも「どういうこと??」っていう表情でポカンとしている。
一行が撮影を終えて車に乗って帰ろうとする際、ジーンだけ忘れ物をしたと言って一人バラックに歩いて行った。フォトグラファーのによると途中でにジーンを拾うことになっていたが、彼女が誤解をして家屋の方で待っているのではないかという。
サムたちと上官で捜索に出るが、彼女は殺されていた。
第一発見車はサーズデイの息子、サムだ。
以下、話の展開(ネタバレあり)ーーーーーーーーーーーー
(シーンの順番を尊重しつつ、わかりやすいようまとめています)
ジーンの殺害の捜査は、息子が事件に関係していることからサーズデイは現地捜査に参加しない方針となった。
モースも彼と面識はあるが血縁関係にはないということで参加は認められた。
ということでモースたちは軍の先導を受けて現地入りをする。
奇しくも、ジーンが発見された家屋の集まりは殺人村(Murder Town)という呼び名がつけられていて、普段は軍の模擬演習のために使われる区域だ。
ジョニー・チャンピオン大佐とムンゴ・カワード少佐が出迎えるが、2日後に連隊がドイツに発つことが告げられる。ついでに一帯が演習に使われるため、安全を確保するため誰か兵隊の同行がないと自由に捜査はできないと。
ジーンは後ろから刺されたのが致死傷になっていた。彼女の財布だけは森の中で発見された。
それよりも特筆すべきは彼女の死体のそばに兵卒のバッジが落ちていた点で、軍関係者が疑われる。
モースたちはサムやその同僚などに質問するが、写真家のファリッジによると、ジーンの継母はオックスフォードに住んでいるらしい。
しかも、ジーンの本名はモイラ・クレイトン・ウォードで、貴族の生まれだ。ベイズウォーター卿とその一人目の妻の間に生まれた子供らしい。
そして二人目の妻はさっき出てきた極右のチャリティ・マッドフォードだった。
この時点でポツポツ登場するのは士官候補生に軍事歴史を教えているレイドロー博士。彼は序盤に歴史の授業の教官として出てきた後、上官に殺人事件について聞いて回ったり、モースから捜査の進展を聞き出そうとしていて、何か事情があるようだ。
後少し変のなのは、兵卒オジー・オズワルドがベレー帽を無くしたり、サムがバッジをなくしていること。サーズデイの息子を疑いたくないストレンジやファンシーも心配な表情を浮かべる。
サーズデイが降板する予定だったりしなければサムが犯人ということはないだろうが、、、。
デブリン先生によると、ジーンを刺した武器は銃剣だと思われ、性的暴行の跡はなかったが、デキシドリンという覚醒剤の一種やアンフェタミンなどが彼女のハンドバッグに入っていた。薬物中毒だったようだ。
サーズデイとモースはマッドフォードに継娘の死を告げるのと質問をしにベイズウォーター邸を訪れる。
このドラマを見ていると、イギリスの貴族の金持ちっぷりに驚かされる。S3E1に出てくるブルースの豪遊しっぷりもすごかった。金が有り余ってる感じね。
マッドフォードは継娘の死に動じないどころか、「薬物?そうでなければ自殺?」と平然と答える。この二人の人間関係はかなり悪かったようだ。マッドフォードは一人目の妻が自殺したと言う。
彼女はジーンはMadだったと言う。ジーンはs3e1で登場したビックスビーのクラブで豪遊して借金を作っていたようだ。
継母によるとジーンは男女関係もいろいろで、男と付き合って婚約しては破棄するというのを繰り返していた。婚約相手はユダヤ人や黒人、アメリカ人だったりしたので根からの選民思想を持つマッドフォードは「不適格な相手」と下げずむ。
駐屯地で捜査を続けるストレンジ、ファンシーは軍の協力を借りてオズワルドのベレー帽を探す。途中からマッドフォードへの質問を終えたモースも合流。
問題なのは、オズワルドのベレー帽はバッジがないが、チャーリーもバッジをなくしていること。
そんな中、ファンシーは操作に気を取られたのかうっかり地雷原に足を踏み入れてしまった。
なんとか地雷撤去の機械を持つ隊員に先導されてなんとか地雷原から出てこれたが、モースはファンシーを激しく叱咤する。
ファンシーのミス!と思いきや、実は彼はオズワルドのベレー帽を地雷原の真ん中で発見したのだった。しかもベレーは血塗れだ。
当然オズワルドが疑われる。しかし、うっかり地雷原の真ん中に落とすということはないだろうから、意図的にあそこにおいたということになるが、それならもっと目につかない木陰に穴を掘って埋めるとか賢いやり方があっただろうに。
オズワルドによると、彼は昨日の昼過ぎまではベレー帽を持っていることを記憶している。
しかし、モデル一行が帰るためにジープで先導することになっていたがオズワルドはそれに遅れたらしく、理由を問われると「気持ちを休めるために森に入っていたら乗り遅れた」と答えた。これはあからさまに嘘っぽい返答だ。
これまでの部分を見返すと(DVDだと10:48あたり)、一行が片付けて車に乗ろうとする直前にオズワルドが森の方に向かうことが示唆されるシーンがある。
ただ、黄色いバンで帰ろうとしているシーンにはすでにオズワルドは戻ってきてサム達と一緒にジープに乗り込んでいる。
ストレンジはサムを疑いたくないと言う本心もあってオズワルドに攻め立てる。オズワルドにも怪しい点はあって、結局ストレンジに問い詰められると森で彼女とキスしたことを認める。
オズワルドによると、彼は用を足しに森に入った。そしたら彼女がいて、彼女はマーダータウンに行きたいのだが迷子になってしまったと言う。
オズワルドが用を足したら案内すると言ったら彼女はキスしてきた。しかしその時、木の枝が折れるような音がして、それに彼女が怯えていた。
2人の他に森に誰かいた可能性があるが、オズワルドは誰も見なかったと言う。
何かに怯えた様子のジーンはオズワルドに付き添われることを待たずに、マーダータウンの方向だけを教えてもらって、一人で向かうことにした。彼は用を足してサム達一行と合流したらしい。
彼女はすでに何かに追われていたのか。だとしたらなぜオズワルドに助けを求めなかった?
最初、森で誰にも会ってないと嘘をついたのは確かなので疑いは深まり、オズワルドは署に連れて行かれることになった。
一方、サーズデイは「有色人種お断り」の張り紙を貼っているヘアサロンのオーナーに話を聞く。店の前には反対デモ活動が繰り広げられて暴動に発展する恐れもあるので張り紙を撤回してもらいたいのだ。
オーナーのラドウィッツに話を聞くと、彼女の意志ではなくお客の要望を聞いて張り紙を貼っているらしい。
有色人種と同じタオルを使うのも嫌いな客がいるとか。イギリスでもまだあからさまな人種差別は残っていたようだ。
モース、ストレンジにサーズデイ、ファンシー、ブライト警視正が署で情報を共有。ストレンジはオズワルドがやったと思っているが、モースには森の中でジーンを怯えさせた2人以外にいたかもしれない「誰か」が引っかかる。もちろん、その「誰か」の存在も拘留所に入っているオズワルドの発言に依拠するもので信憑性にも疑問符がつくものだが。
彼女はゴシップを賑わす有名人。駐屯地の兵の中にも彼女を知る人はいるだろう。肝心の銃剣も見つかっていないし、オズワルド以外の可能性を検証する必要はある。
と思ったら、駐屯地の洗濯場で銃剣が見つかった。変なことに、見つけたのはサムと、一緒にモデル一行を助けていたコリアーだ。ただ、別に立ち入りを制限された場所というわけではないので銃剣を残したのが誰かはわからない。
コリアーによると、水が流れないので調べたら銃剣が詰まっていたらしい。
ジーンが行方不明になった時、洗濯場を訪れたのは彼女の捜索のためサムとオズワルドが立ち寄っただけ。
ストレンジはサムの可能性を排除するためにもオズワルド犯人説を推しているが、モースはサムも何か隠してることがあるんじゃないかと思っている。
ファンシーも銃剣が森の中ではなく洗濯場みたいな人目につく場所で発見されたことに違和感を感じている。何者かが「誰かに発見される」ことを目的に恣意的に置いたものだろうか。
ジーンは本名モイラ・クレイトン・ウォードの名でもゴシップを賑わせる。過去の記事を見ると、婚約の相手の一人は戦争歴史担当のレイドロー博士だった。
婚約自体は10年前とのことで、結婚しなくてよかったと言っている。勉強家タイプの自分と自由奔放なモイラでは合わなかっただろうと。
彼は今は他の女性と結婚して子供を二人設けたらしい。
ジーンが行方不明になった時間帯は、彼はドイツに向かうため駐屯地を閉めるセレモニーに向けて連帯の歴史をまとめる作業をしていたらしい。マクダフ中佐が証人。
サムはモースを見かけると密かに告白する。ジーンとキスをしたと。
とはいえ、序盤のシーンで描写されている通り、オズワルド然りキス以上のことはやってない。
サムはジーンが殺されたことに責任を感じている。
モースからすると、いっそうオズワルドが犯人である可能性は低くなった。ジーンが駐屯地でキスしたのはオズワルドだけではない。同時にキス以上のことは起きていない。
ヘアサロン前の抗議活動にジョアンも参加している。そして店の警護の一人はトゥルーラブ。ついでにクロディーヌも写真を撮ってる。
もちろん男の警察官も警護にあたっているが、ヘアサロンのお客を店の入り口にエスコートするのが彼女の役目のようだ。
あるお客をトゥルーラブが入り口に入れようとすると、マッドフォードに粉をぶっかけたハッチェンが道を塞ぐが、それが引き金となってと警察の間で殴り合いが起き、トゥルーラブがトバッチリを受ける。そしてドミノ倒し的に殴り合いは暴動に発展しデモ参加者は警察署に勾留されることに。
真夜中、ファリッジがあの黄色いバンに乗ってマーダータウンへの侵入を謀る。こっそり忍び込むということは何か後ろめたいものがあるのだろう。
と思ったら誰か先客がいたようだ。懐中電灯の光が動いている。
一方、マッドタウン周辺の他の場所ではモースが周囲を捜索している。捜索というより考えを巡らしながら散歩しているような感じももする。
モースも誰かを見つけた。白い下着のシャツを着ているがっしりとした体型の男だが顔は見えない。懐中電灯とか光源を持っていないようだからファリッジが出くわした誰かとはまた別人か。
男はモースを見つけると走って逃走。モースは誰か気になって走って後を追いかける。
モースが興味を取られたすきに男は背後からモースを羽交い締めにする!男はナイフを持っている。
その光景を見て、コワード少佐とデイビス曹長が駆けつける。男はマクダフ大佐だった。
彼はおかしくなっているようだ。コワードの問いかけにも応じない。
彼が耳を傾けたのはチャンピオン大佐の「囚人を安全に私に解放せよ。命令だ」という言葉。
彼は息を荒げている。マクダフに連れられ部屋に戻っていった。
チャンピオン大佐はモースに「彼は英雄だ。」と言う。朝鮮戦争の時、イギリス軍は朝鮮軍と数で劣っていて、死傷者も多く出していたが、彼は自らの身を挺してチャンピオンやコワードらを逃して、自分は代わりに中国で2年収容所に入れられていたらしい。
収容所では精神的にも限界に達していたようで、その影響で彼はたくさん飲んで明るい部屋で飲むとああなってしまうらしい。PTSDの一種かな。
連隊は彼に恩を感じ、彼の奇行と向き合っている。
ジーンもついでに警察にとっ捕まえられ、拘置所から出られない。しかし、ストレンジが便宜を図って出してやる。なんだかんだ厚意に甘えてしまうジーン。
サーズデイは駐屯地の片隅で息子サムに会う。サムはドイツ赴任の直前だが、友人オズワルドが留置されているのが心配。
父さんは良い警官だろ?ならオズを助けてやってくれ。彼はそんなことする奴じゃないからとサムは訴えるが、捜査は捜査だし、サーズデイは直接関わることができないので何もしようがない。
ファンシーとトゥルーラブの関係がだんだん近くなっている。ファンシーはトゥルーラブとのデートを取り付ける。トゥルーラブはファンシーからのキスを拒むもののまんざらじゃなさそう。
キャスティングを見ると二人とも今シーズンで終わりらしいのが残念。
モースとクロディーヌは雨の降る夜を共に過ごす。ここの会話の意味がよくわからなかったが、愛とセックスの話をしているようだ。モースはクロディーヌを愛し始めているが、クロディーヌは二つを分けていて、どちらかと言うとモースを単なるセフレだと認識しているらしい。
翌日、ブライト警視正はサーズデイに、モイラがベイズウォーター卿の娘でないと言う噂が流れていたことを話す。いろいろ複雑だ。チャリティからしたら気の食わないモイラを一族から引き離したり、遺産を相続できなくすることができる都合の良い噂じゃないか。
実際に、モイラが死んだことでベイズウォーター家の跡取りはチャリティただ一人となり、莫大な遺産を独り占めできる状態らしい。
一方駐屯地ではファリッジが殺されているのが発見される。マーダータウンで鉢合わせした誰かに殺されたのだろう。頭を銃弾で打ち抜かれていた。銃声で気づかれたりしなかったのかな。
駐屯地では銃火器を個人が好きに所有するのは禁じられていて、本部できちんと保管されている。銃を持ち出したいときは記名して許可を得なければならない。
直近で銃を持ち出したのは2日前で、マクダフ中佐が持ち出してまだ返却されていない。見るからに怪しい。
モースとストレンジはマクダフ中佐に話を聞く。
中佐は銃は演習で使った後すぐに戻したと言う。しかし実際には戻ってないはず。本人の記憶違いか?昨夜のモースとのやりとりもあって、この人は犯人じゃないが大丈夫か?って感じがする。
ファリッジが黄色いバンを残していて、彼が駐屯地に入るために通ったフェンスの穴も見つかった。黄色のバンの中を捜索するとデモ活動の写真が出てきた。
また、モイラを刺した銃剣はドイツ製、しかもナチスドイツの軍隊「ドイツ国防軍」で使われたものであることが判明し、ナチスとつながりがあったと噂されるチャリティが再浮上。
モイラ殺害犯人の可能性としては、チャリティが遺産を独り占めするため刺客を寄こして殺したか、マクダフがおかしくなって殺したか、過去に婚約関係にあったレイドローが何らかのために殺したかだ。後一応オズワルド、サム、コリアーの可能性も否定できないが動機がわからない。
ファリッジに関してはイマイチ殺される理由が見当たらないのだが、口封じのためとかその程度な気がする。彼はモイラの撮影に同行していたので犯行について何か知っていた可能性もあるので犯人に狙われやすい。
サーズデイとモースはチャリティ邸を訪れる。置かれた写真にはベイズウォーター夫妻がウィディングケーキに入刀するタイミングが収められているが、はっきりヒトラーも写っている。ここの二人の会話もイマイチわからないが、サーズデイはかなり頭に来ている。
サーズデイは二次大戦の前線で戦ったので戦争の悲惨さを知っているので、ナチスを正当化しようとするチャリティの発言に怒りをあらわにしている。
チャリティは自分の貴族の身分をかざしながらナチスへを称賛することで火に油を注いていく。チャリティに詰め寄ろうとするサーズデイを抑え、モースはチャリティと二人で質問していく。
チャリティにモイラの本当の父親を聞き出そうとするが、彼女は答えたがらない。それどころか、「昔ならあなたたちのような輩は「指パッチン」の合図で撃ち殺せたのに」と言う。めっちゃ過激なこと言うやん。
サーズデイはベイズウォーター家に長く仕える執事に話を聞く。
彼はベイズウォーター卿やモイラを慕っていたと言う。今も現役でチャリティに雇われの立場なのであまり情報は得られなかったが、チャリティは討論会の後も家にいたようだ。(討論会とモイラの殺害は同じ日だったらしい)
モースはうまいことチャリティからモイラの出自に関する情報を聞き出した。モイラの祖父は1930年代、南オックスフォード郡連隊の軍司令官で、ムンゴ・カワード少佐とジョニー・チャンピオン大佐がこの屋敷によく遊びにきていて、ベイズウォーター今日の一人目の妻エレノアと親密だったと。
時代設定が1970年くらいだから、概ね35年前、、、ってことは二人がまだ未成年のころか。
チャリティはモイラの父親はこの二人のどちらかだと思っているらしい。
モイラは自分の本当の父親について噂を知ってそれを確かめようとして殺されたのでは、とサーズデイが推理する。
確かに、軍で偉い立場となると道徳的にも高いものを求められるだろうからモイラが声を発せないよう殺してしまったという動機は考えられる。
カワードとチャンピオンはベイズウォーター卿が妻がいる間もチャリティと寝ていたと過去について証言する。しかし、軍人2人とエレノアの交友関係は長く続かず、エレノアの希望によってベイズウォーター邸に行くことはやめて、その関係も終わったらしい。チャンピオンはエネノアとカワードの関係については「ただの友達」と証言するが、自分とエレノアの関係は明言しないのでモース達に突っ込まれる。
チャンピオンは自分がモイラの父親かどうかについて明言はしなかった。しかし、エレノアが関係を止めることを切り出した7, 8ヶ月後に娘(モイラ)が生まれたらしく、間接的にそれを認めているように聞こえる。
そして、「モイラ」の名がチャンピオンの母親の名前と同じなのは、エレノアにチャンピオンが父親であることを示唆する意図があったと思われる。
チャンピオンは自分が父親であることは十分に悟っているが、それから逃げ続けてきたのだろう。
デブリン先生がファリッジの検死結果をモースに伝える。ファリッジに打ち込まれた銃弾は「1944年」と刻まれたドイツ国防軍の銃弾。
モイラを刺すのに使われた洗濯場で発見された銃剣もドイツ製のものだったのはもちろん偶然ではないはずだ。ますますチャリティが怪しく感じられる。
チャリティの執事は警察署を訪れサーズデイに、モイラと最近も文通していたことを打ち明ける。彼女の手紙によると彼女が死ぬ前に婚約関係(?)にあったのは序盤に出てきた活動家のマーカスX(本名はマーカス・ウィリアム)だった。
彼は写真家ファリッジも知っていて、モイラが死んだ後もファリッジはマーカスのところへ来ていた。
オチーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
モースはオックスフォード大構内のレイドローの部屋を訪れる。
すると中にいたのはハッチェン。
そして部屋の中にはハーケンクロイツの大きな旗やナチス親衛隊の銃、ヒトラーの小さな銅像などヒトラーグッズの数々が。
今回ナチスとつながりがあったのはチャリティの他にもう一人いたのだ。
レイドローはハッチェンのチューター(担任の講師)だったらしい。ハッチェンはデモ活動でチャリティに小麦粉をぶっかけたりしてたが、なぜレイドローのことを悪く思っていないのかはわからない。
ハッチェンによるとレイドローはモデルと結婚して子供がいるという。モースがその家族写真を分解すると、レイドローとモイラ、子供2人の写真を切り取って背景にのせてあるだけのインチキ写真だとわかった。レイドローは周囲に「モデルの妻がいる」と話してたが嘘なのだ。
モースは駐屯地にいるレイドローに会いに行く。レイドローはモースの真意を悟り逃走を図りつつ、追ってくるモースに銃弾を浴びせてくる。
結局、モイラは薬物中毒で判断能力が低下していたと言うのも一因でサムやオズワルドにキスしたのだ。同時に、レイドローも彼女にとってはそのくらいの存在に過ぎなかったがレイドローは彼女のことが忘れられなかった。
たまたまモイラがジーンとして撮影に来たところをレイドローは目撃し、彼女に詰め寄ったが相手にされなかった。その一方でオズワルドが彼女とキスする一瞬を目撃してしまった。
レイドローは根っからの差別主義者なので黒人が彼女とキスしたことが許せず、彼女に激昂して殺してしまった。
彼女と一悶着している時に彼の眼鏡が損傷し、ネジが現場に残された。彼はそれを夜中こっそり回収しようとマーダータウンを訪れたがファリッジと出会し口封じのために彼も殺したのだ。
マクダフ中佐は銃をぶっ放してるレイドローに声をかけて制止を図るが殺される。英雄らしく散っていった、ということなのか。
レイドローはモイラ殺害をオズワルドのせいにしようとベレーを持ち出して血塗れにしてわざと目立つ地雷原に起き、銃剣も彼らに発見させ誘導する計画だった。しかしファリッジ殺害時、オズワルドはすでに拘置所に入れられていたから手を加えようがない。使った武器も大戦中のドイツのものだったから足が付きやすくてそれが仇となった。
しかし、レイドロー、オズワルドを犯人に仕立て上げると考えたのはいいものの、ベレー帽をわざと目立つところに置いたり、自分でベレーを置いた地雷原に足を踏み入れて自爆したり、博士って当時の基準ではかなりの高学歴インテリのはずだが結構お間抜けキャラだったな。
今回は複数の事件がつながる!と言うよりは駐屯地の殺人事件2つの捜査に終始するシンプルなもので、前話のようなエディネロの伏線もなかったので視聴者もあまり混乱しなかったと思われる。