第6章 自己の軍事力と力量で獲得した新しい君主政体について
- マキャヴェッリの考える賢明な行動の一つとして「模倣」がある。人は、過去に極めて優れた能力を持った誰かを模倣することによって彼の力量がその人に及ばなくても、その人と同じ高みを持つことによって良い結果がもたらされるととく。
- 私人が君主に成り上がった場合、考察する上で見る必要がある2点は、すなわち力量と運命である。両者は共に必要な要素であるが、前者においては政体の獲得が困難であるもののその維持は容易になる一方、後者は一般に政体の獲得は容易であるが、その維持は困難なものになる。何故か。運命というものは具体的には新たに君主が成り上がる時の環境のことで、人民が抑圧されていることに反感を持っているなどあなたにとって図らずも有利に働くものである。対して力量というのはあなたの危機を乗り越える実行力であるから。
- 新たな政策を実施するのは危険が伴うことで、具体的には既得階級を裏切ることになるから彼らの反感を買うのに加え、新たな特権階級には生ぬるい友好関係しか築けないということである。その困難を君主は力量で克服せなばならないがその時有効な手段が自分の政策に異議を唱える者を消滅させる軍事力であり、それによってあなたの政策は維持され身は安全になり、政策は正しく評価させるだろう。つまり、実力で獲得した政体の維持には軍事力は欠かせないのだ。