- 14歳の子を持つ親たちへ (新潮新書)/内田 樹
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久々の親業参考書ネタです。
『14歳の子を持つ親たちへ』
敬愛している内田樹先生と、精神科医(思春期精神医療)の名越康文先生の対談を纏めたもの。
内田先生の本ですから、当然ながらHowToモノなのではありません。
かなり思想的な親論。
もちろん対談なので口調は柔らかいけど、教育、親のあり方、知性、身体性と話はつきないし、この本の対談もなんか結論が出ないうちに終わっている(笑)
この本は自分が親としての「気付き」が感じられるか否かで価値が180度違ってきます。
2005年の本だけど、2012年の今、育児や教育環境とか社会全体としては全然改善されていないことに愕然としますよ。
三章で述べれている“二極化する文化資本”ってところは暗澹とする。経済的な「勝ち組」「負け組」のよりも、文化資本の豊かな階層とそれ以外の9割の階層では、どんどん開いていっているらしい。かたや大学教授(当時)かたや思春期精神医療の現場医師からの実感。これは難しいなぁ、自分の給与所得のから教育費・生活費を捻出して最高の文化的体験、たとえば、ロイヤルバレエの公演なんかにつれてくとか頑張るしかないのか・・・
最後の章は構成上、ある程度の結論が述べれているのでそれを纏めると:
□親子関係は期間限定のテンポラリーの関係
↓
□この時間のなかで、子どもに届く具体的な提言をしていく
↓
□それは、家庭内の「ルーティン・ワーク」が大事
↓
□ルーティンとは安定感=感情の土壌。土壌がしっかりできていないと花が咲かない。
こんな感じでした。
お互い焦らず頑張りましょう。