ラヴィット!という番組を知っていますか?

コロナの真っ只中、2021年3月に始まった、

「一切時事ネタを扱わない朝の情報番組」

です。今私の心を鷲掴みにして離さない番組です。心の底から笑いたい方におすすめです。

この番組との出会いまでの話をします。


コロナ治療はまだ闇の中、医療従事者にワクチン接種が始まった頃です。医師として働いている私は、その一年前の2020年春から、頭も心も体もすり減らし、家に帰ると外に出られない子供達が待っている生活をしていました。私はかなりピリピリしていて子供達にもイライラや不安をぶつけていたと思います。テレビをつけても楽しいことは全くなく、どの番組も同じことの繰り返しでテレビもラジオもつけなくなっていました。


私ならできる!私がやらないと!地球上のみんなが頑張っている!


2020年末に父の癌が見つかり、コロナ禍でも早く検査して治療して欲しいとなんとか父を説得。家族みんなで協力して、無事手術終わった〜って思うまもなく自分にガンが見つかりました。

2021年1月、自分の癌が見つかった時、恐怖と共に、一瞬これで少し休めると思ったのも事実でした。

娘の受験、卒業、入学まで、絶対に感染してはならない、でも仕事はどんどん増えていく、、、、、あとすこしでやすめる、、、


上手いこと娘の受験日と入学準備日の間に手術日が入り、家のことは友達に任せて治療受けました。私も早期だったので予定通り1週間で退院。

入院中は時間がたっぷりあり、久しぶりにテレビをつけると春の選抜高校野球が無観客で行われていました。良かったなぁと思いながら楽しく応援しました。

さて、選抜も終わり退院後、1ヶ月休みをとっていたので、娘の入学準備をしながらとりあえず体を休ませることに集中。

ちょうどそんな頃です。はじめに紹介した「ラヴィット!」という番組が開始。

「本当に時事ネタしないんだろうね?嘘じゃないよね?」

毎朝8時から10時までの、本当に情報バラエティ。本当に辛いことは一切ない時間。テレビの前に横になりぼーっと毎朝見ていました。とにかく面白く楽しく、すごくすごく助けられました。頭も心も疲れない。

笑いというのは本当にこれまで感じなかった自分の気持ちを引き出してくれると思います。

その後仕事に復帰した時、、その日から防護服を着て走り回りながらいくつもの仕事をこなす日々が始まり、、、

「あーだめだ。これ続けてたら本当に次はないかもしれない。今度は死ぬかもしれない。逃げたい、逃げよう」

と思ったんです。自分を守ろうと。それまで20年以上勤めていた職場。

「退職の影響は小さくはない。それでも自分を守ろう。心の鎧をとって進もう。」と。


なんとか前よりも単純な仕事をできるところへ転職。もちろん楽ではないですが、心がすり減る感覚にはならないかな。


それから数ヶ月後、娘の不登校が始まり、またまたしんどい日が始まるわけだけど、その時もとにかく「ラヴィット!」を観ている時間だけは笑って笑って笑って、、、、乗り越えられたと思っています。

「ラヴィット!」は私の宝物で、仕事に行くまでと、お昼休み、帰ってきてから録画でと、毎日楽しく観ています。こんなに好きなものが出来たのも癌になったからだし、観続けたのは娘が不登校になったから。でなければこの時間のテレビは見てないわけだし。もちろんどっちもないほうが良かっただろうけど。

人生何が起きるかわからない。この歳になって○○ガチ勢の意味がわかりました。私はラヴィット!ガチ勢です。