2022/05/24 10:46

 

やっぱり皆さんの関心が高い「語学」!!

海外に住むと、他言語を身に付けられるチャンスはありますが、
いずれは日本に帰国することを考えると、
母国語である「日本語力」が心配になりますよね。。。

日本の学校教育の学力の面と、
自分の考えや気持ちを表現するなど自分自身を理解する役割の面
において、私の体験談を書きたいと思います。


【私の日本語歴】
★小2まで公立小で日本語ONLY
★小3から小6までインターナショナルスクール
★補習校には通っていない
★通信教育*を取っていたが、ほとんどやっていないw
★家族と、現地に住む日本人とのみ日本語で会話
★読書は英語、たまに日本語の漫画を読むくらい
★TVアニメも英語(親が録画で観ていたスマスマだけ日本語w)

*通信教育は、大嫌いでした!笑
溜まる一方で全然やらない、
親が一生懸命教えようとしてくれようとするのですが、イライラする!
わからないから、全然楽しくない上に必要性が感じられない!
唯一、通信教育の付録についていた国語のカセットテープの朗読だけは好きで、
家族でドライブするときに聞いていました。


⇒スイス滞在時の3年間の「日本語」は、
ほとんど読み書きする機会がなく、家族や友達との会話だけでした!


【帰国当時の私の日本語レベル】
小6の夏に帰国し、
2学期から公立の小学校へ転入しました。

会話は問題なく、人が話していることは理解できましたが、
ノートに「あ」を書こうとすると「a」と思わず書いてしまうことも。
(そして、字がめちゃくちゃ汚いw)

小3、小4、小5で勉強するはずの内容がぽっかり空いている状態でした。
四字熟語とかことわざを知らない、
「徳川家康」とか言われても、読めないし、書けないし、誰だし。笑

ただ、転入した公立小のクラスが学級崩壊していて、ほとんど授業が成り立っていなかったのと、他にも勉強できない子がたくさんいたので、「授業についていけない!」という感覚はなく、なんとなく半年間やり過ごしました。



【学力の面】
転機となったのは、中学校です。
受験」という単語の意味も、制度も全くわからないまま、
親に言われるがままに、帰国子女枠で国立の中学を2校受けて、
そのうち受かった方に通うことになりました。

その学校では、中1の4クラスのうち、1クラスが帰国子女学級となっており、
15人弱のクラスメイトがいました。

帰国子女学級では、
黒板の文字にはふりがなをふってもらったり、
アシスタントの先生が教室をまわっていて、サポート体制が整っていました。

クラスメイトは滞在国も期間も様々だったので、
日本語レベルも相当バラつきがありました。

私の場合は、小3~小6の3年間で学ぶはずの日本の教育を受けていなかっただけで、
教科書を読んだり、先生の話を理解することはできていたので、
勉強さえすれば、学力の面では取り戻せました。

また、中2から帰国子女学級がなくなり、他のクラスに混ざるのですが、
周りが一般の中学受験を経験し、勉強に対して意欲的だったので、
自分も影響されて、追いつきたい!良い点取りたい!と思うようになりました。

英語の勉強をしなくてよかった分、
他の教科の勉強ができた
ので、
個別指導塾にも通いながら中3の3学期には学年20位に入るまでに至りました。
「帰国子女だから日本語が下手!」なんて言わせない!!という達成感❤笑


帰国子女学級というサポート体制が整った入口から入り、
帰国子女の仲間がいるという安心感
勉強に対して意欲的な環境がよかったのかなと思います。


また、一つでも得意科目があると勉強に対してやる気や自信が付くと思いますが、
私の場合は「英語」が得意科目になったので、
他の教科も頑張ればできる!というモチベーションになっていました。


今の時代背景を考えるとより、
良い点を取ることが全てではないと思うし、
テストでは測りきれない他の力も必要だと思いますが、
学力という面での日本語力については、
3年間のギャップがあっても、
意欲があって努力さえすれば、取り戻すことができる!ということです。



【自己表現、自己理解の面】
ただテストで良い点が取れても、日本語力があるかと言われると・・・怪しい!笑

やっぱり、表現力には自信がありません。
大学4年間もまた英語で学ぶ道を選んでしまったので、
どちらも中途半端というか、、、
日本語でも英語でも、どちらの場でも意見を述べるときに、
第一言語としてしっかり身に付けている子と比べると、思考が浅いな~と感じることがあります。

この「思考力」は勉強面だけでなく、
自分を理解する上でも重要な役割があると思います。

例えば、幼児が泣いたり喚いたり問題行動を起こすことがあるのも、
まだ自分の感情を上手く言葉にできないからだと言われますが、
親が「〇〇だったんだよね」と言葉で表してあげると落ち着くことがありますよね。

大きくなっても、どんどん複雑になっていく感情や考え、モヤモヤを上手く言葉にできると、スッキリすることがあるように、
完璧に操れる言語が1つあることが大切だと身をもって感じています。


あとは、些細なことですが、
いまだに、夫との会話でも、「ん?今のなに!?」と、聞き返してしまうことがあります。
ついこの間も、
「大判振る舞いだね!」と言われて、全く聞き取れない上に初めて聞いた!ということがありました。笑
他にも、日本語の使い方が間違ってたりすることがあるらしく、みなさんも既にお気付きかもしれませんが…遠慮なくつっこんでくださいね♡笑



最後に余談ですが・・・、
「日本語力」って「空気を読む力」も含まれてませんか?
KY(=空気が読めない)という言葉が昔流行りましたが、
帰国子女はKYだ!」と言われがちです。

帰国子女の間では、
KY = 「空気が読めない」ではなくて、
「空気は読まない」!と反論していましたが😂


英語で話せば冗談になることが、日本語で言うと失礼に当たる、とか
そういう空気を読み取ることが難しい!と感じることがあります。
特に、「お付き合い」という名の社会活動は、
言葉の裏の本心を探るためによく観察しなければならず、かなりのエネルギーを消費するので苦手です。。。

そもそも英語で話すときと日本語で話すときのスタイルが違うので、
つい、英語で求められている、短くわかりやすく「単刀直入」に話したくなります。
それが、受け取り方によっては、「冷たく」感じてしまうこともあるようです。


英語で話すときは「ストレート」に、
日本語で話すときは「謙虚」にと、
言語によって話すスタイルが変わるので、その切り替えが
自分のアイデンティティを混乱させる要因になることもありました。


思春期には、
親が気を使って遠回しの表現を使って言ってくることに対して、
もっとストレートに言ってよ!と反抗していた記憶があります。笑


日本語力」に空気を読んだり、相手の本心を探ることも含まれるとしたら、
帰国子女にとっては、それも訓練が必要です!


空気が読めれば読めるほど日本社会には馴染みやすくなると同時に、
せっかく培った、自分の意見をはっきり言う!などの個性は消えていきます😭


同じ環境で育った2才上の兄は、
小5~中2をインターで過ごしましたが、
小5の時点で日本語も日本人としてのアイデンティティもほぼ確立していたので、
現地の生活に慣れることや英語を習得することは大変だったものの、
日本に戻ってからは、私よりもすんなり馴染んでいました。
滞在する時期に、どの程度の日本語力がついているかによっても、どれだけ維持できるかが変わると思います。


結論、
帰国後、学校でも会社でも生活する上で言語として日本語で困ることはありませんが、
アイデンティティ形成という意味での影響が大きかったと思います。

 

 

コメント

mii@台湾(新竹)

19:47

今回の帰国子女体験談も、とても興味津々で読ませて頂きました!ご自分の経験を振り返る力がすごい! 我が家の息子たちは3歳2歳で、今年から4年任期で渡航します。日本語を確立する大事な時期なので心配でしたが、ご苦労がありながらも、こんなにも人に伝える力があるSHIORIさんを見ていると、日本語力も大事だけど、伝えたいことを見つける力や伝えようとする力を育むことの方が大事に思えてきました😊