未来 | とりあえずブログ

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子離れしなきゃと思いはじめた母のつぶやき

プライベートなことを備忘録的につぶやいてるので、アメンバー限定記事がほとんどです。

湊かなえさんの未来を読みました。

きっかけは、のんさんが朗読したオーディオブックのサンプルを聞いたことでした。
最初の5分くらい無料サンプルでこちらで聞くことができます。

オーディオブックというサービスは、自分で活字を追って読む代わりにプロの方の朗読を聞くものなんですね。

「本くらい自分で読めばいいのに」と、著者の湊かなえさんも最初は思ったと、でものんさんの朗読が素晴らしく、朗読は本の世界が豊かになる、とインタビューに書いてありましたが、
冒頭の朗読を聞いてから、自分で本を読みすすめると、なんとなくのんさんの声が耳に残っていて不思議な感覚で読み進められました。


湊かなえ作品はいつもそうですか、今回もかなり重々しい気持ちになりながら読み進めました。前半は小学生の章子ちゃんをがんばれがんばれと応援するつもりで読んだり、子どもらしい文章や視点にかわいいなぁ健気だなぁと読み進めましたが、後半がどんどんきつくなっていき、またエピソードごとに一人称が変わり、同じ状況が違う人の目線から書かれた内容を読んで、こういうことだったのか、と答え合わせや伏線回収しながらさらに読み進める感じが、
とにかく早く続きが読みたくて、結局深夜までノンストップで読み続けてしまいました。

夜中1時ごろにトイレに起きてきた我が子にまだ起きてるの?と釘を刺されるほどに、途中で離れることができない本でした。

湊かなえさんの本でご本人があとがきを書くのは初めてとありましたが、あとがきまで読んでふぅーと深い深呼吸をして読了。そして反省することがいっぱいあるなと思いました。


これは所謂作り話、小説の中のお話と思ってはいけないんだなぁと。

やっぱり学校の先生というのは、子どもたちにとってかなり大きな存在で、そして大変なお仕事だなぁと。

この本にでてくる先生のような、

子どもをよく観察していて家庭に問題がありそう、心の拠り所を、未来への希望をもてるようにしてあげたい、と動いてくれる先生、
家庭の問題に一歩踏み込んでくれる先生って
なかなかいないよな、
なかなか出来ないことだよなとも思いました。

子どもの体にあざをみつけて、保護者を嫌な気分にさせてしまうことを承知の上で自分はまだ未熟な教師なのでご家庭で問題がないことを確認するため家庭訪問に来ましたと敢えて告げるとか、
虐待したらまずい、この担任にはバレるからやめようと親に思わせる行為としては大成功だったわけだし、


具体的には名前もどんな先生かも書かれていないけど定時制高校に通う先輩が「話を聞いてくれる先生がいる」、と書いてあるのが気になりました。問題がおこったあと、この「話を聞いてくれる先生」と一緒に警察に行ったと書かれていて、話を聞いてくれる大人がいることがその子にとっては救いだったんだろうなと思いました。


最後のあとがきまで読んで、

自分さえ良ければ、
自分の子どもさえ良ければ、
自分の知り合いさえ良ければ、
それでいいや、
自分と関係ない人のことは気にしなくていいや、関係ないや、って思って生きてきた自分を見透かされているような、そんな気分になりました。