連日のサッカーネタで、興味のない人はごめんなさい。
日本でもちょっとニュースになっているけど、ポルトガル人記者が強盗被害にあったという話。
安否は不明…と日本では報じられているけど、死亡者や怪我人がいるわけではなさそう。
事件が起きたのは、ポルトガル代表がキャンプを張るマガリエスブルグから15キロほどのところにあるホテル。
JogoやDiario de Noticias、Expressoといったポルトガルの主要メディアのほか、
スペインのAS、Marcaの記者が泊まっていたところだそう。
被害にあったフォトグラファー、Antonio Simoes氏のコメントは次の通り。
「たった2・3分のことだったけど、何時間ものことのように思えた。
その時間は4時ごろで私は眠っていたが、騒がしくて起きた。
2人のアフリカ人が部屋の中にいるのに気づいた。
そのうち1人はすぐに、私の頭に銃を突きつけ、騒がないように命令した。
彼らが部屋を出る時も、私に黙って眠り続けるようにと命じた。
3500ユーロと、500ユーロ相当のランドを持ち去られた。
ほかにも携帯、書類、パソコン、カメラ、レンズ、衣類…ほんの少しの服が部屋に残された。
でも、私は生きていて、それが何よりも幸運だった。」
南アフリカにはポルトガル系の人々が50万人ほどいて、
大きなポルトガル人コミュニティがあると言われている。
それは大航海時代に起源を発する部分もあるけれど、
植民地だったモザンビークやアンゴラが独立戦争を始め、
それらの国々からポルトガル人が移民として入国したことが大きい。
(実はRくんも、そのために南アフリカで生まれたんだって)
ポルトガル人にとって、元植民地だった国々と同じくらい身近に感じていた南アフリカ。
その国でこんな事件が起こったなんて…
ポルトガル人を狙ったわけではないのかもしれないけど、なんとも複雑な気分だろうなと思う。
それでなくても、ポルトガル代表が大歓迎をうけた後だったから特に。
いくらアパルトヘイトが撤廃されたとはいえ、
「裕福な白人」と「貧しい黒人」という図はまだまだ残っているだろうし、
貧困と格差がある限り、犯罪の多発は続くと思う。
最近、アメリカにおけるWASPの凋落が報じられたけど、
そうなるまでには、長い長い年月がかかったわけで、
アパルトヘイト撤廃から15年ほどの南アフリカで、そんな劇的なことが起こることを期待する方が非現実。
でも、今回のワールドカップで、
南アフリカの現実を多くの人が知ることによって、もしかしたら状況が改善されていくかもしれない。
2016年のオリンピックが開かれるリオもファベーラがあって、格差がある都市だけど、
一時的な経済効果、安全対策に期待するのではなく、根本的な解決策が見つかって、
そこに住む人々が安全を感じられる一歩を踏み出す機会になればいいなと思う。