先日、CDを見に行ったら、Caetano Velosoの新しいアルバム(輸入盤)が置いてあったので、即購入。
彼の昔のライブのDVDも安くなっていたので、併せて買っちゃった。
ポルトガル語を勉強し始めたばかりの頃、
発音を身につけるためにできるだけ音楽を聴いていた。
当時はブラ・ポル語を勉強していたので、ブラジルの音楽。
といってもよく分からなかったから、小野リサの歌。
初めて聞いたブラジル音楽が何だったのかは全然覚えていないけど、
記憶にあるのがワインのCMで流れていた小野リサの「星の散歩」だったから、すごく身近に感じていて。
家にいるときはいつも歌詞カードを見ながら歌っていた。
でも、彼女は一応日本人。
では意識して聴いたブラジル人の歌といえば、
今でも愛してやまない前述のCaetano Veloso。
当時、「Fala Brasil」というテキストを使って勉強していたんだけど、
そこに彼の歌の歌詞が載っていて、先生が聴かせてくれたのが最初。
一方ポルトガルの曲では、やはりCMで使われていた、これまた大好きなMadredeus。
こっちも同じ先生に「ポルトガルの歌も聞いてみる?」と言われてかけてもらって、
「この曲知ってるよ、大好きなの~」
と大興奮したのを覚えてる。
CMがきっかけで日本にはファンも多くて、
彼らは何度も来日していたから、その度にコンサートに行っていた。
ポル・ポル語にシフトしてから、彼らの歌が私の発音の先生だった。
ポルトガル語圏の音楽の何がいいかって、メロディや歌詞も好きなんだけど、
韻をきれいに踏んでいるところ。
「ブラジルではどれだけいい音楽でも、韻を踏んでいなければ認められないの。」
と、その先生は言っていた。
例えば…
Minha voz, Minha vida
Meu segredo e minha rebelacao
Minha luz escondida
Minha bussola e minha desorientacao
Se amor escraviza
Mas e a unica libertacao
Minha voz e precisa
Vida que nao e menos minha que da cancao
Por ser feliz, por sofrer, por esperar eu canto
Pra ser feliz, pra sofrer, pra esperar eu canto
Meu amor, acredite
Que se pode crescer assim pra nos
Uma flor sem limite
E somente porque eu trago a vida aqui na voz
私が大好きな歌、Caetanoの「Minha Voz, Minha Vida」。
なんとなく、どこで韻を踏んでいるかわかるかしら。
韻の踏み方にもレベルがあって。
レベル1:同じ単語
レベル2:同じ品詞
レベル3:違う品詞
なんだそう。
この歌でいえば、「Por…」と「Pra…」のところは同じ単語。
頭の部分の「revelacao」と「desorientacao」が同じ品詞(両方とも名詞)。
それから「Minha vida」と「escondida」は違う品詞。
Vida=人生で名詞、escondida=隠されたで形容詞扱いなのかな。
「acredite」と「limite」もレベル3扱いよね。
(acrediteは動詞acreditar=信じるの命令形。limiteは制限で名詞。)
もうひとつはポルトガル、Madredeusの「Alfama」で。
(この曲はWim Wendersの映画、「Lisbon Story」で使われていたので、知ってる人も多いかな。)
彼らの歌は、それほど分かりやすくはないけど、聞けば「なるほど」って感じ
Agora,
que lembro,
As horas ao longo do tempo;
Desejo,
voltar,
voltar a ti,
desejo te encontrar
Esquecida,
em cada dia que passa,
nunca mais revi a graca
dos teus olhos
que amei,
Ma sorte, foi amor que nao retive,
e se calhar distrai-me...
- Qualquer coisa que encontrei.
いくつもあるけど、まずは「lembro」と「tempo」よね。
それから「Esquecida」、「passa」と「graca」。
「sorte」と「retive」、「distrai-me」。
そして「amei」と「encontrei」。
「voltar」と「encontrar」もそう。
言葉の響きの音楽の一部って感じでいいでしょ。
ブラジル音楽は、かなり日本でも受け入れられていて、認知度が上がっているけど。
ポルトガル音楽はそうでもないんだよなぁ。
Madredeusの音楽なんて、結構CMやいろんな番組のBGMで使われていたりするけど、
あまり知られていないし。
少しずつ入ってきてるのはFado系が中心で、
(Durce PontesやMarisa、Misia、Margarida Bessa、Cristina Branco…でも大御所はAmalia Rodrigues!)
ほかのジャンルももう少し紹介されるといいんだけど。