《再びオーディオのお話しです》


(睦)······
クラシック音楽を楽しむには英国タンノイ社のスピーカーと言うでしょう?


(幻)······
そうですね。


・どれがいいの?


少し説明させてね。
タンノイもすごく歴史が長くて、そのスピーカーのサイズもコンセプトも様々なのです。スタジオ・モニターを意識した商品もあったくらいです。 これはにいにいさんから聞いたんですが、家庭用に作られたスピーカーのなかで、ユニットのコーンのエッジがウレタンからハードエッジになって以降のものは、にいにいさんに言わせると、クラシック音楽向きとは言えないと感じたそうです。
同じタンノイのユニットでも、古いものだったりモニター的なもののエッジは、ウレタンじゃないものもあるのですが、そこまで話を広げると、本が1冊書けるくらいなんだって。


・ハードエッジといえば、アルテックのコーン型ユニットは殆どそうですよね?


よく覚えていましたね? 何を変えても音が変わるのはオーディオに限ったことじゃないんだけどね。
にいにいさんがオーディオに嵌まったのは高校生の頃からなんだけど、その頃にオーディオ店で聴くことができたタンノイの中で、クラシック音楽は勿論、たくさんのジャンルの音楽を破綻なく聞かせてくれたのが、スターリングHWという、6畳間でも手頃といえる大きさのスピーカーで、たくさん売れた筈なんです。 HWとはハード・ワイヤリングの略ね。
家庭用のプレステージ・シリーズのトップは、ウエストミンスターRという大きなスピーカーだったのだけど、にいにいさんはこのウエストミンスターRと三菱電機 (ダイアトーン) の2S―305を聴き比べて、三菱の方に軍配を上げたんだって。
その後、バブルの時期に、カンタベリーという大型のスピーカーをタンノイ社が作ったのです。 にいにいさんはこのカンタベリー15というスピーカーを高く評価していました。


僕もヴィンテージの範疇に入るモデルは別にして、新し目のタンノイの中では、このカンタベリー15が、いちばんアコースティクな音楽の再生に向いていると思います。


ただ、今のタンノイは、ワールド・ワイドな音楽を再生できることを目指しているみたいで、オーディオ・ショーなどでも、クラシック音楽でデモしないみたいなんです。 そんなことしても意味ないと思うんだけどね。
神戸が神戸うしのブランドを捨てて、そこそこ美味しい牛丼の町になるのって変でしょう?


・個性を捨てたってこと?


アイデンティティーを失ったんだね。


・自動車と似てるわね?


個性があるから、長く使ってくれるユーザーに愛されるのに。


・無個性・世界共通がデフォルトなのかしらね?


そうでもないと思いますけどね。


・げんちゃんも、AIが作った誰にも愛されそうな整った顔のバストが異様に大きなおねえさんの画を収集してるもんね?



コンコン、ゲホゲホ!
収集なんてしてませんよ!!!



・あら、そう。


___だから、上のモデルが売られていた時期のタンノイなら、ウレタン・エッジの製品をオススメしますよ。 ウレタン・エッジは劣化するので、張り替えないといけないですけどね。



(⁠◡⁠ ⁠ω⁠ ⁠◡⁠)





✻ Mikki & Gentschi ✻